入口から見える範囲の本のタイトルをチョロ見して見ると、なかなか面白そうなタイトルが並んでいて、読むのが今から楽しみだ
「メイド長、その娘が第4分隊を助けてくれたって娘ですか?」
「その通りです、カヅキ」
「カヅキです、今日からメイド見習いとしてお世話になります」
「よろしく〜」
新聞を読んでいた赤毛の青年がセンセイに質問をしてきて、センセイは肯定して俺に名乗れと促してきたので名乗ると、聞き耳を立てていたらしい使用人達が各々、軽く手をあげたりして歓迎?してくれる
「使用人服の都合で今日は当家の案内だけですが、明日からは指導を始めるので、場合によっては貴方達にも仕事をお願いしますので、そのつもりで」
「分かりました、メイド長」
「では休暇を楽しんでください」
「失礼しました」
センセイは赤毛の青年の言葉を聞いて締めくくり、俺の背中を軽く押して促して来たので、彼女に従い談話室を退室する
「では貴女の寝室になる部屋へ案内しましょう」
「はい、センセイ」
センセイは右手へ歩き出し俺は後に続くと直ぐに2階へ上がる階段と地下へ行く階段が見え、先生は階段を上がっていく
「地上3階地下1階、それが使用人寮の全容です」
「センセイの部屋も?」
「あります、移るのが面倒で見習いの頃から同じ部屋を使っています」
「そうなんですね」
3階まで上がりネームプレートが無記入の部屋の前までやってきて先生は言う
どうやら、ここが俺の部屋らしい
「では最初に鍵の説明を、私室の鍵はマスターを私とローエン執事長が1本ずつ持っています、なので合計3本ですね」
「はい」
「仮に鍵を紛失した場合、防犯の為に鍵を取り替えます。もちろん無くした者の自費で、です」
「参考までに、幾らぐらいですか?」
「日本円で1〜2万円程度ですね、貴女の給金換算だと2日程度でしょうか」
間違いなく日本より治安が悪い この異世界で鍵を紛失するのは中々にリスクが高い、それゆえに紛失した場合は根本的解決の為に、鍵自体を取り替えるしかない訳だ
このテスタロッサ家は比較的安全かも知れないけど、内部犯が現れない保証もないし、空き巣が侵入しない保証もない
「次に、見てわかる様にビジネスホテルのシングル程度の私室です、最低限の家具と寝具、ユニットバスが用意されています、防音処理されているので、夜間に入浴等を行っても問題ありません」
「なるほど」
「バスタオル、アメニティ類はランドリールームに専用の棚があるので、そこで確保する様に。洗濯物に関しても専用の袋があるので、それに入れてランドリールームの専用の籠へ入れておくと洗濯して返ってきます」
「部屋にですか?」
「ランドリールームに各個人のロッカーが有ります、そこで回収する方式です」
センセイの言葉を聞いて なんか思ったより、かなり便利な仕様な気がしてくる
自分でいちいち洗濯する必要が無いのは、結構楽な気がするしな、うん
「消耗品類に関しては、地下の倉庫にあります。トイレ関連とかですね」
「トイレットペーパーとか、掃除道具とかですか?」
「そうですね」
「了解です」
やっぱランドリールームに全てを集約出来る訳では無いみたいで、水気に弱い消耗品は地下倉庫にある様だ
あとでランドリールームと地下倉庫の様子も確認しておかないとだな
「仕事で使う備品等の申請は稟議書で提出する様に、私と執事長で協議して購入しますので」
「わかりました」
「あ、そうそう。給与に関しては手渡しです、なので各使用人部屋に金庫が標準装備されています」
「あーだからあるんですね、金庫」
「指紋認証と魔力認証の二重式ですから、そうそう破られませんよ」
先生の細かい説明を聞いていると、気になっていた金庫の存在に触れられ、納得する
まぁ俺の場合は、インベントリがあるから金庫に貴重品を入れる必要が無いけど、なんか入れられたら入れとこう
「地下倉庫の物品は基本的に常識の範囲内で自由に使って大丈夫ですので」
「トイレットペーパー以外には何があるんですか?」
「ミネラルウォーターや製氷機 等もありますね、気になるなら後で確認した方が早いでしょう、百聞は一見にしかず と言うでしょう?」
「それもそうですね」
センセイの指摘も最もなので肯定する、確かに百聞は一見にしかずだな、うん
「貴女の使用人服は、明日 私が持って来ますので」
「はい、ありがとうございます」
「期待していますよ?カヅキ」
「期待に答えられる様に頑張ります」
「よろしい」
センセイは そう言い優しく微笑み俺の頭を撫で出す、やはりセンセイは優しい人だと思う
俺の心配をしてくれるし、立派な大人だと思う
「このあとは自由にして構いません、何か有れば内線があるので、使用人執務室へかけて下さい、事務はそこでしていますから」
「はい、ありがとうございます」
「あと、私の私室は この階の突き当たりの部屋ですから、夜間何か有れば尋ねてきてくださいね?」
「いえ、流石に・・・」
「発作の時は 如何なる時でも内線か尋ねて来なさい、いいですね?」
「・・・はい、分かりました」
センセイは俺の両頬を自身の両手で包み、俺へ言い聞かせる様に言う
俺はセンセイからの刷り込みの賜物なのか、この命令に逆らえないので、素直に従う他ない