アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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131話 転入生は転生者

 

 

 

ナズナと会話をしつつローゼヴィッヒの事を訝しむが、本当に彼からは害意や敵意と言う物を微塵も感じないので、ひとまずは特に行動を起こす必要はないだろう と判断する

 

安全・安心の検索では 非敵対状態のモノの個人情報までは分からないからね、うん

 

というか、私と言うアンノウンが居たのだからローゼヴィッヒも似た様な境遇の可能性も有る訳だし?

 

そもそもの話、ダールベルグ王立学園に入学出来ている時点で彼の御元保証は最低限されている、平民だろうと優秀なら特待生として入学出来るが 身元不詳の怪しい人間を入学させられる訳が無いのだから

 

そんな訳で担任であるカーンが教室を出て行ってから、クラスメイトに囲まれて質問責めにされてアワアワしているローゼヴィッヒを横目にナズナと他愛ない雑談をする

 

クラス毎に転移魔法でギルドへ向かう事になっているのだが、私達のクラスの番まで暫く掛かるので、教室に待機している訳だ

 

 

「あ、あの・・・」

 

「はい、なんでしょう?」

 

 

ローズピンク色の髪に青色の瞳、少し困ったように下がる眉と成長期を迎えた少年にしては少し高い声、全体的に小動物の様な雰囲気を纏うローゼヴィッヒが私達・・・否、私の前に立ち声を掛けてきたので、内心少し驚きながら表情を繕い返事をする

 

 

「す、少し、お話、聞いていただけません、か・・・?」

 

「え、えっと・・・私に、ですか? それともナズナ殿下でしょうか?」

 

「あの、貴女に、です。カヅキさん」

 

 

なんだか本当に小動物みたいな雰囲気でオドオドと彼は私を見ながら言い、私の問いに答えてると 隣に座るナズナから威圧のオーラが放たれ

 

 

「俺の婚約者に、何の様だ? ヴァリエール」

 

「びぃっっ」

 

「ナズナ殿下、そんな威圧しなくても 私は貴方一筋ですよ」

 

「ふむ・・・だかなカヅキ、お前の意識とは関係なく お前に粉をかけようとする奴は居るだろう?」

 

「それはそうかも知れませんが、ヴァリエール君は小動物系です、威圧しては用件を喋ってくれませんし、威圧するのは用件を聞いてからでも遅くないのでは?」

 

「・・・確かに、一理あるな? 」

 

 

ナズナは、私の肩を抱いて自分に引き寄せローゼヴィッヒを威圧すると、彼は高音の短い悲鳴?をあげて涙目になりプルプルと震え始める

 

とりあえず彼の用件が何か分からないと、なんだか面倒な事になりそうな予感がしたので、ナズナを宥めて威圧を止めさせると

 

 

「すまないなヴァリエール、許してくれ」

 

「いいい、いいえ! 大丈夫です! 殿下!!」

 

「・・・ナズナ殿下、完全にビビってしまってるじゃないですか。私が彼と話すので、暫くは黙っていて下さい」

 

「すまない」

 

 

ナズナの謝罪に対してローゼヴィッヒは明らかに変な様子で声を張り上げて大丈夫と言う、これはよろしくないな と判断し ナズナに割とガチトーンで黙っている様に言うと、察したのか謝罪を口にする

 

それでも私の肩から手を退けないので、本当に反省しているかは疑わしい

 

 

「ナズナ殿下がすみません ヴァリエール君、時間は有限ですし 申し訳ありませんが用件をお伺いしても?」

 

「え・・・えっと・・・此処だと、あの・・・」

 

「あぁなるほど、秘密の話・・・と」

 

「はい、そうです・・・ぴっ」

 

「殿下? 話が進まないので辞めてください、つねりますよ?」

 

「・・・すまなっ 痛っっっ」

 

 

なるべく彼を落ち着かせる為に笑顔で用件を尋ねると、ローゼヴィッヒはオドオドとしながら周りをチラチラと伺って言い、その様子から何となく察し再度尋ねると肯定し、ナズナが再び威圧してローゼヴィッヒは また高音の悲鳴をあげたので、ナズナをたしなめたが 反省している様子は感じられ無かったので、割と強めにナズナの右 二の腕を つねって反省を促す

 

さてどうした物かと考え、燃費極悪だが邪魔が入らない魔法を使う事に決め

 

 

「ナズナ殿下も同席を許可するなら、私が場を整えますが?」

 

「は、はい・・・それで、構いません」

 

「分かりました、ではヴァリエール君? 右手人差し指を出して下さい」

 

「分かりました?」

 

 

たっぷり10秒つねってから放し、ローゼヴィッヒへ提案すると了承されたので指示を出し応じた彼の指に、私は自分の髪を抜いて結び付けた後にナズナへ左手を出させ薬指に ローゼヴィッヒと同様に髪の毛を結ぶ、これで下準備終了だ

 

 

「ザ・ワールド! 時よ止まれ!」

 

「こ、これは?! と止まっている!?」

 

「流石カヅキ、時魔法まで使えるのか」

 

 

少々格好つけて時間停止の魔法を展開すると、先程まで賑やかだった教室内が無音になり、クラスメイトが完全停止する

 

その様子に、察しが良いローゼヴィッヒは驚愕しながらも目を輝かせ、ナズナは謎のドヤ顔を披露しているが、この魔法は頗る燃費劣悪なので

 

 

「ではヴァリエール君、この停止した時間の中では 秘密の内容が他者へ露見する事はありませんので、安心して話して下さいね?」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

 

ローゼヴィッヒへ用件の内容を尋ねる事にする、最初期で約1000秒・・・約17分で魔力切れになる計算なので、彼には頑張ってガス欠になる前に話して貰おう、そうしよう

 

 

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