アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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140話 王暦506年度 学園祭

 

 

 

それから可もなく不可もない平穏な学園生活を約1週間 送る、開催区域の方が少々騒がしい事もあったが、祭りの前の騒がしさ と言うのは個人的に嫌いでは無いし楽しみを倍増させてくれるから好きだ

 

そんな訳で学園祭当日、外部から人が大量に招かれていたりするが、見るからに護衛騎士を侍らせているのは目立つので、ルルとブリジットには申し訳ないがナイジェル学園長と交渉(笑)をして2人の制服を用意して貰った

 

 

対価として私の抜け毛で作った座布団と、在学中 もしもの時の予備戦力として協力する事で合意した、こう言うのは無償だと遺恨が残ったりするからね、明確に取引をしないとね?

 

そう言う訳で私と違い高校生をしていても不思議では無いルル(18歳)とブリジット(16歳)に学園の制服を着て貰い、ラペルピンより分かりやすくする為に、専属護衛の証である腕章を装備してもらう

 

ルルはナズナのミドルネームであるエキザカム・・・リンドウ科多年草の花束を咥えた獅子の金刺繍に、生地が黒なので白で王室親衛隊と漢字で刺繍を入れてあって

 

ブリジットは青の生地に 九尾のシルエットの黒刺繍と ルルと同様に漢字で王室親衛隊と刺繍を入れた物を装着して貰っている

 

2人に気に入って貰えた様子で安心している、頑張って作った甲斐があった

 

 

「これがダールベルク学園の学園祭」

 

「下手な市場や露天市よりチカラが入っているな?」

 

「そうですね、これ程の規模ならば室内・野外問わず訓練場を倉庫として提供する理由も理解できますね」

 

「そうだな」

 

 

身支度を整えた私達は、一旦 教室へ登校した後に学園祭の開始宣言を校内放送で聴き、擬装が万全のルルとブリジットを伴って開催区域へと足を踏み入れ、驚きに思わず息を呑む

 

いやはや 正直に言って王立学園とはいえ、所詮は学校規模の学園祭だとナメていたが、私の想像の遥か上を行く規模だった

 

確かにパンフレットには色々と記載されていて、様々な露店や出店が有る事は知っていたが、学園祭のクオリティとは思えない程に高い

 

まぁその代わりに お値段もご当地価格の強気設定だが、ここはダールベルク 貴族子息子女が通う金持ち学校だ、妥当だろう 多分

 

 

「ほぉ・・・チョコバナナですか」

 

「チョコ・・・バナナ? 見た事が無い菓子?だな」

 

「私もリューネ(こちら)では初めて見ました・・・と言うかチョコの時点で珍しいですよね?」

 

「あぁ、チョコは王都に専門店が有るぐらいには人気なんだが、取り扱いが難しいからな、基本的に冬から春に掛けての贈答品にされる事が多い」

 

「あぁなるほど」

 

 

こんな異世界で日本の祭りでは割と定番であるチョコバナナを発見し、少しテンションが上がり 思わず足を止めて見ているとナズナが そんな事を言う

 

そうか、サンクロードには精製したチョコを溶けにくくする技術や材料が未熟だから外気温に左右されやすいから、夏にチョコは扱い難いのか納得

 

豆知識だがチョコに含まれる成分によって変わりはするが、最大28度で大抵のチョコは溶け始めるので、注意しよう

 

種類によっては26度以下でも溶けるけどね?

 

そんな訳で、なんだか珍しくて食べたくなったので竹串?に刺さったチョコバナナを購入して食べてみる

 

 

「うん、期待以上でも以下でも無い期待通りの味、安心します」

 

「そうか、良かったな?」

 

「貴方様も食べますか?」

 

「・・・頂こう」

 

味の感想を言い、そんな事を言うナズナへ2口程齧り残量が3分の2になった食べ掛けのチョコバナナを差し出すと、何故か少し戸惑いながら1口食べ

 

 

「ん、味は悪くないな? だが人によっては食感が苦手な事もありそうだ」

 

「そうですね? 私もバナナは嫌いではありませんが食感がモッタリしているので、たまにしか食べないのですよね・・・まぁそもそも王都で見かけた事ないですが」

 

 

チョコバナナに関する食レポ?をし始めたので、彼の感想に同意する

 

 

「そうか、しかしだ カヅキ・・・あまり自分が口を付けた物を不用意に他人へ食べさせるモノではない、ぞ?」

 

「貴方様だからしていますよ? 私とて誰にでもはしませんよ、流石に」

 

「そ・・・そうか、そう言う事なら 分かった」

 

「はい」

 

ナズナが先程の事について言って来たので、良く聞くとマナー的な話ではなく、不用心に そう言う事をするな と言う意味に聞こえたので、ナズナだからした旨を伝えると、満更でも無い表情になったので どうやら正解した様だ

 

文字通り産まれた時からの付き合いであるナツキや麻人(あさと)、兄2人と弟 等の家族枠なら梅雨知らず、間接キスなんてナズナ以外としたくないし、そこまで無神経ではないのだ、まる

 

それにしても、チョコバナナとは 中々に良い選択だと思う

 

バナナは取ってから熟すまで ある程度の期間があるし、他の果実と比べて輸送量も難易度も低い、多少傷ついて少し熟れ具合が進んでいてもチョコでコーティングするから誤魔化せるし、腐っている部分の加工も難しく無い、個数も多いから 数本 腐ってダメになってても大丈夫

 

なにより珍しいから売れる、間違いない

 

まぁ味は据え置きだけどね?

 

 

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