そんな訳で残りのチョコバナナを食べ切り串をアイデースに入れ魔力へと変換する
本当にアイデースは便利だ、生ゴミの処理も不要品の処分も掃除にも応用が出来るし、
それから屋台が並ぶ区画を抜けて、大物が集まる区画へとやってくると、私は見知っているが サンクロードでは見た事もない物が眼にはいり、思わず足を止めてしまう
「観覧車にローラーコースター??」
「どうかしたか? 」
「え? あ、あぁ 大丈夫ですよ貴方様、少し驚いてしまっただけです」
「そうか? なら良いが」
ナズナは立ち止まり観覧車とローラーコースターのレールを見上げている私に気付き、心配そうに尋ねてきたので 彼を落ち着かせる為に 動揺を抑えて 大丈夫と伝える
実際、驚いているだけだしね?
とはいえ、少し歩いて喉の渇きを感じ始めたので、誤魔化す意味も含め 飲み物を販売している出店でアイスコーヒーを購入して、手頃なベンチに座り小休憩に入る
「このコーヒー、良い豆を使用していますね?」
「そう・・・なのか? 普段と変わらない気がするが・・・」
「それは普段、貴方が口にする物は私が厳選した良い物だからですよ?」
「なるほど、いつも ありがとう カヅキ」
「いいえ、それほどでもありません」
ルルとブリジットも小休憩を取らせ4人でアイスコーヒーに舌鼓を打っていると、雪色の髪 青色の瞳をした男子生徒が近付いてきて
「こんにちは ナズナ殿下、カヅキさん」
「ライオットか、何か様か? 俺は今 婚約者と至福の時を満喫しているのだが?」
なんとも薄っぺらい微笑みを浮かべて挨拶をしてきた男子生徒こと ライオット へナズナは本心から面倒くさそうに返す
それを横目に、ホーム画面から検索機能を呼び出し彼の事を調べてみる
名前はライオット・アズール、アズール商会と言う貿易業により リューネ国内でも上位10位に入る程の大商会の次期会長候補筆頭であり、ダールベルク学園 今期生徒会長の3年生
チャールが言っていた要注意人物はコイツか、なるほど 確かに胡散臭いから注意した方が良いな、うん
「いえいえ、お姿が見えたもので ご挨拶をと」
「随分律儀だな、ライオット? お前がそんな殊勝な奴だったとは 知らなかったぞ」
「おやおや ナズナ殿下、僕はそんな不誠実に見えますか?」
「あぁ 金勘定しか頭にないだろうが、貴様は・・・誰がどんな利益を生み出すか、どうやって動けばそれが自分に転がり込んでくるか お前の良い所は、利益を生み出すとしても犯罪に手を染めない所だけだ」
「これは手厳しい」
普段のナズナならば、冷静かつ無感情に適当な会話をして追い払うのだが、今日は妙に声に感情乗っている様に感じるが とりあえず黙って様子を伺っておこうと思い、ライオットをチラ見すると おどけて苦笑するフリをしつつ目が笑っていないので、ナズナな煽りにイラついている様だ
「で? 用件は済んだだろう? いつまでいるつもりだ?」
「そう焦らないでください 実は 今年僕が企画した催し物があるんですが、それにカヅキさんに ご出演していただきたいと思いましてね」
あ、これは普通に私とのデート(同伴付き)を邪魔されてイライラしてるな と察せるぐらいにはイライラした声色でナズナはライオットへと言うが、ライオットは 私を報復(笑)の標的にした様で、そんな事を言って何やらチラシを渡してきたので受け取り見る
「歌唱大会、ですか?」
「えぇ、是非ともお願いしたいのですが・・・別に強制ではありませんよ? ただ 王太子であるナズナ殿下の婚約者であるカヅキさん が出ないとなれば、他のご令嬢達は思うでしょうね? ナズナ殿下の婚約者はカヅキさんだというのは デマだったのだと、容姿は良くても、皆の前に出る事を嫌がるとは、次期王妃としてどうなのかと・・・」
「貴様! 黙って聞いていれば・・・カヅキ?」
チラシを見て呟くと、ライオットは胡散臭い薄っぺらい作り物の笑顔を貼り付けて、私を煽る様に言ってきてナズナがキレてつかみ掛かろうとするのを手で制する
この男、金勘定の才能は有っても人身掌握の才能はまるで無い様だ、ならば真っ向から受けてやろうじゃないか
「アズール生徒会長、貴方は余程のバカの ご様子、これほど愚かだと逆に可愛気を感じてしまいます」
「なん、ですって?」
私からの返答に造り笑みを維持しながらもピクピクと眉が揺れているが、私は遠慮なく続ける事にし
「だって そうでしょう? 催し物への参加依頼をするならば、最低でも1週間前 学園祭の告知が有った日に話がなければならない、よもや 貴方は商人の息子でありながら、商談や交渉と言う物のマナーやルールを ご存知無い 訳ではありませんよね? 最低限の礼節も弁えられない貴方の
真っ向からぶった斬ってやると、口をパクパクさせ言葉が出てこないライオットを放置し、軽く殺気を放っているナズナ・ルル・ブリジットを連れてベンチから立って観覧車の方へ向かう
さてさて、これで陰でなんか良からぬ事をしたら シメる口実になるな、うん