アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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153話 武術大会 初戦

 

 

 

ナズナが この場に居たら怒りそうなぐらいにはネッチョリした気持ち悪い笑みを浮かべている対戦相手を見ない様にしつつ自分の番を待っていると、ふと気配を感じ振り向いて見たら 親衛隊隊長(ニーナ)とガッツリ目が合った上に、彼女の隣にベルファさん と珍しく私服姿のセンセイが座っていた

 

ニーナ隊長は まぁ分かる、有望株を見に来てるからね? ベルファさんとセンセイは アレか? 授業参観的な奴かな?多分、これは無様な事は出来ないし、あまりふざけたらセンセイに怒られる奴だ、間違い無い

 

 

「隊長、まだカヅキさんを諦めて無いみたいですね」

 

「え? 私の勧誘なんですか? 」

 

「そうじゃ無かったら、あんな笑顔でコチラに手を振って無いと思いますよ?」

 

「・・・私、もうナズナ殿下と婚約してるのですが? まぁ良いです、とりあえず手を振り返しておきましょう、お義父(とう)様とセンセイがいらっしゃってますし」

 

「あの方がテスタロッサ候ですか、なんだか・・・胡散臭そうですね?」

 

「そうですね〜」

 

 

目の前の試合を全く見ないでニーナ隊長やベルファさん の方を向いてブリジットと会話をしつつ手を振り返していると、ブリジットが普通に失礼な事を言ったが 私も常々思っているので、軽く同意して流す

 

そんなこんなで試合が終了したらしく、私と対戦相手の名前が呼ばれたので

 

 

「それでは行って来ます」

 

「はい、ご武運を」

 

 

ブリジットに軽く挨拶をし 舞台へ上がり対戦相手と対峙するが、依然として私をナメているのか、ニヤニヤと気色悪い笑みを浮かべている

 

 

「両者、魔武器を展開し構えてください」

 

「はい、来なさい 鬱金桜(うこんさくら) ハチリョウ」

 

「はは、そんな矮小な鏡で この俺に挑もうとは、やはり獣人とは穢らわしい」

 

「えぇぇぇ・・・」

 

 

審判員の指示に従い魔武器(ハチリョウ)を4つ 展開すると、対戦相手が いきなり貶してきて 軽く引いてしまう、なんなんや コイツ

 

やっぱり脛を焦がしてやろうか? それとも指をソーラレイで切り落とす? アリだな

 

どう現実を見せてやろうか考えつつ、魔武器であろうレイピアを構えている対戦相手を見据える

 

見た目 重視で実用性が低い構え、ブラフの可能性も加味すると魔法戦が得意なタイプかも知れないが、多分 ただのバカだな コイツ

 

 

「では、始め!!」

 

「さぁ来るが良い、貴様の様な浅ましい獣人が イカサマでナズナ殿下に取り入った事を証明し、愚か者の化けの皮を剥いでやろうではないか!」

 

「では遠慮なく」

 

 

試合開始の号令と共に対戦相手が 自信満々に語り先手を譲ってくれる様なので、ハチリョウを操作し 日光を収束させて 彼の右膝下辺りから下をソーラレイで切り落とすと、バランスを崩して倒れ 何が起こったか分からない表情をしている

 

それもそうか、ナメてた相手に感知出来ない速度で脚を切り落とされ かつ ソーラレイ(レーザー)で焼き切られているから出血もしない、視界には切り離された自分の脚が見える、混乱するのも無理は無い

 

 

「なっっ何をした!! 卑怯だぞ!!」

 

「何を以って卑怯と? 私はキチンと自身の魔武器を使用して、貴方へ攻撃をしました、自分の知識不足や油断・慢心の結果を 私に押し付けないでください、不愉快です」

 

「五月蝿い!! 貴様の様な穢らわしい獣人風情が、俺の様に選ばれた人間に勝てる筈がないのだ! 故に不正に決まっている!!」

 

「と、彼は言っていますが?」

 

 

脚を切断された痛みを感じているが、それより私を非難する事の方が大切らしく、謂れなき非難をされたので 呆れて言い返す事も出来なくて 審判員に尋ねてみると、審判員も呆れている様で首を横に振り私の不正を否定する

 

 

「審判員の方も不正を否定されていますよ? 潔く認めて棄権されては如何ですか? 脚1本の貴方では万が一 の勝機も無いでしょう」

 

「誰が認めるものか! 貴様の様な土と泥に塗れ、地を駆け回り家畜を追い回す事しか出来ない獣人風情に負けられるわけがない! 」

 

「そうですか、なら頑張ってください。先手は譲って貰いましたし、次は貴方の番としましょう」

 

「ナメるなぁぁぁ!!」

 

 

出血がない為か、煽ると意外と元気でレイピアを掲げて魔法を展開し炎が巻き上がり火球が彼の頭上に形成されていく、どうやら火炎属性の使い手の様だ

 

正直 隙だらけでソーラレイでトドメをさせるが、手番を彼に譲ったので 大人しく待つ事にし、ハチリョウを私の近くへ配置しておく

 

 

「業火に焼かれろ、フレイムバレッド!!」

 

「ライトシールド」

 

「な・・・あり得ない、俺のフレイムバレッドが・・・こんな獣人如きに・・・」

 

「現実を受け入れ、悔い改めて研鑽を積むと良いでしょうね? 」

 

「あり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ない!!」

 

「普通に煩いですよ」

 

 

どうやら彼の最大火力の魔法だった様で、私が光の盾で受け止めると 発狂して騒ぎ始めたので審判員をチラッと見ると無言で頷いた為、ハチリョウを操作しソーラレイで 対戦相手の眉間に穴を開けて黙らせ、試合を終わらせる

 

まずは1勝、あと何回勝てば良いか知らないが、とりあえずは1勝だ

 

 

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