想定外の事で驚いてしまい 隙を晒してしまった瞬間、ナズナに距離を詰められて
「剣を弾いて無手にした程度で油断してはなりませんよ、貴方様」
「よく言う・・・ 一般的な人間は、今の状況では距離を取り魔法を放つ選択をする、お前の様に
「そうですか? ありがとうございます」
「全く、俺の女は 俺を飽きさせてくれないな? 」
「ふふ、それは良かったです」
側転する要領で受け身を取り、私から5m程の距離を空けてナズナは膝を着いて、此方を見据えながら言うので 彼に合わせて会話をする
今、攻めても良いが 折角の決勝戦だ、少し見せ場があった方が良いだろうし、あまり圧勝してもナズナがムキになりそうだしね?
それに、私の得意とする技は徒手空拳による合気だからね、敬意を表して 要の真髄を披露してあげる事にしようと思い、ナズナから観客席へ目を映すと、予想通りセンセイがベルファさん と観覧していたので 少々大袈裟に手を振り、センセイに向けて 手話を送り 要奥義の使用許可申請をする
「おいカヅキ、余所見とは随分と余裕だな?」
「衝撃を殺したとはいえ、脳が揺れて膝を着いていた貴方様の回復を待っていたのですよ、それに・・・貴方には 私の本気を見せようかと」
「なに?」
「私の本気を貴方に披露すると言ったのです、その為には使用の許可を・・・おや、
私の回し蹴りにより発生していた軽度の脳震盪から回復したらしいナズナが不満そうにしながら立ち上がり、刀を構えて私へ言ってきたので それを横目に見ながら 軽く拍手をしながら賛辞を送り、センセイからの使用許可が出た事を告げて 私は彼を真っ直ぐと見据え 軽く軸足を引き緩く立つ、ナズナから見たら無防備に見えるだろうが、これが私の本気の構えだ
「では・・・行きますよ? 貴方様」
「あぁ・・・なっっ?!」
私は 3歩歩み寄ってから一気に踏み込み間合いに入り、ナズナの手を取り投げて彼を地面に転がすと、驚愕の声を上げ 自分が何をされたか分からず動揺している様子が見える
とりあえず刀は危ないから遠くへ蹴って取れなくしておく
「な、何をした? 魔法では無い、魔力の反応がなかった・・・カヅキ、何をしたんだ?」
「貴方様には話した通り 私は転生者です、ただ私は
「そうか、でも来ると分かっているならっっ?!」
「この奥義は、有ると知って尚 対処をするには生物としての壁を超えねばならないのですよ、貴方様」
「なんだ、この技は!! 地味に痛いぞ?!」
「コブラツイストですよ、貴方様」
要流古武術秘奥義 無拍子、全く軸をずらさない歩行法と相手の無意識の呼吸に入り込み踏み込むステップを掛け合わせた技
人間に限らず生物というのは眼に映る全てを100% 情報として受け入れている訳ではない、何故なら そんな事をすれば情報過多になって脳がオーバーヒートしてしまうからだ
無拍子は、その取捨選択する情報の捨てられる部分へ溶け込む技で、かなりの修練と才能が必要な上に、そもそも存在を明かされるのは一部の後継者にのみ
因みに 相手の無意識へ溶け込む技を 抜き足 と呼ぶ
「おい、カヅキ! 何だか当たっている気がするんだが?!」
「最近、分かる程度には成長をしている様ですね? 良かった良かった」
「良くない、良くないぞカヅキ! お前、普段は淑女らしくしているのに、あーーー」
「ふふふ、たまには享受すると良いのです貴方様、私は貴方様の物ですから」
コブラツイストを掛けていると、身長の関係で脇腹から背中に掛けて私の うっすい胸がナズナの背中当たっている様で、彼がクレームをつけて来たが 無視して締め上げるチカラを強くしてやると、嬉しいのか声をあげる
ナズナは少々 紳士過ぎる所がある、いずれ は あんな事も こんな事もするのだから、私の胸が当たっている事如きでヤンヤン騒がなくても良いと思うのだ
流石に婚前交渉したらセンセイがブチギレて吊るされてしまうだろうが、このぐらい良いだろう? 多分 メイビー
「くそ、何で振り解けないんだ? カヅキ お前、チカラが強すぎないか?」
「何を今更、私は貴方様の当社比3倍は強いですよ? 」
「あだだだだ・・・仕方ない、ギブ、ギブアップだ! 抜け出せん!」
「ふふ、では続きの触れ合いは部屋で致しましょうか」
「・・・あまり煽ってくれるなカヅキ、俺も男だ 」
「承知しました、貴方様」
ナズナのギブアップ宣言に審判員により決勝戦の終了が告げられて、私の優勝が決定し、私の言葉に割と本気目に言うナズナの言葉に嬉しくなる
ナズナが我慢してくれている事が分かり、私は上機嫌だ
早く彼と結婚したい物だ、そうすれば何の憂いも無くなるしね?