そんなこんなナズナを不老長寿にする為の算段をシュミレーションしながら温室での お茶会を満喫して1日が過ぎ去り、何だか雲行きが怪しく雨が降りそうな翌朝、私はナズナと共にテスタロッサ邸 エントランスホールへとやって来ている
よくは分からないが、ナズナと朝食を食べていたら 私の専属使用人の片割れであるルーティに、朝食後にエントランスホールへ向かう様に言われたからだ
わざわざルーティを通じて私へ伝達したと言う事は、それなりに重要な事である事は間違い無いが、なんだろう?
ひとまずエントランスホールへ通じる中央階段の前に整列するテスタロッサ家 使用人を見て只事では無い事だけは理解する
それはそれとして、相変わらず人数が多い 大体100人ぐらいだろうか? 私程度が抜けたぐらいでは業務に支障が出ない訳だ、うん
顔触れを見るに 見習いや一般領兵 警備兵は集合していない様なので、実数は更に多くなるんだよなぁ
これが完全分業制の雇用って奴だ
そんな訳で、ルーティに言われた通りに待機していると いつの間に設置されたか分からない鐘がリンゴーン リンゴーンと鳴っているのが聞こえ、鐘の音の方向へ余所見をした瞬間
「お待たせして すみません」
「お
「はい、パパですよ〜」
「旦那様?」
「あぁすみませんターニャ、真面目にしますから そんな睨まないでください」
2階から中央階段を降りて来たベルファさん の声が聞こえ、余所見していた視線を彼へ向けると、いつものメイド服ではなく 落ち着いた淑女な装いをしているセンセイをベルファさんがエスコートしていたが、軽くふざけた為か睨まれている
しかし、そんな事より重要な事が有りそうな予感がしてきたのは気のせいでは無い筈だ、多分
「あまり時間を掛けてしまうとターニャに怒られてしまいますし、単刀直入に・・・この度、私 ベルファ・ジェイド・テスタロッサは こちらのターニャと婚姻する事になりました」
「ほ、本当ですか? お義父様、センセイ」
「えぇ、事実ですよ カヅキ。ついでに言うと夢でもありません」
センセイに睨まれたベルファさんが、真面目な表情になり中央階段の3段目ぐらいに立ち、報告してきて 予想外の事に聞き返すと 彼はニコリと笑んで答える
その言葉にテンションが上がり小踊りしたくなるのを我慢していると
「報告が遅くなってしまい すみません、私が貴女の母となる事を許して貰えますか? カヅキ」
「もちろんですセンセイ、私は貴女の娘になれる事を待ち望んでいたのですから」
「ふふ、ありがとうございます カヅキ」
ベルファさん の隣りから私の前へ移動してきて、微笑み そんな事を言ってきたので、私は精一杯 背伸びをしてセンセイを抱きしめて言うと、センセイは嬉しそうにしてくれる
「これまでターニャがしてきた仕事に関しては、徐々に振り分けたり後任へ引き継いで行く予定ですが、ターニャ旗下の使用人に関してはターニャ本人と相談してください、私にはサッパリですからね」
「みなさん、これからもテスタロッサ家への献身を期待します」
「みなさん、私からもお願いします。お義父様と お
「時間を取らせてしまい、すみませんでした。各々の持ち場へ戻ってください」
一通り 伝達するべき事を伝え終わった様で、解散となり私達はベルファさんの導きに従い、昨日 お茶会をした温室へと移動する
何だか道中、センセイがハンカチで目元を拭っている様子が見えたのだけど、目にゴミでも入ったのだろうか?
そんな事を考えつつ着座すると
「漸く身を固める訳だな? ベルファ、おめでとう 」
「ありがとうございます ナズナ君、しかし これから やるべき事が山積みで、些か面倒だと思っています。貴族の習わしとは悉くが非効率ですね」
「気持ちは分からんでも無いが、それは頑張ってくれ としか言えないな」
「ナズナ君も覚悟・・・いえ、準備を進めていた方が良いと思いますよ? 私の比ではない準備が必要になりますからね?」
「・・・そうだな?」
朝食以降 ずっと大人しくしていたナズナがベルファさんへ、祝辞?を述べると 彼は肩を竦めて言う
まぁ確かに貴族、それも侯爵家ともなれば 相応の結婚式を催す義務が発生する訳だし、国王や 同じ21貴族たる侯爵家を招待しないとダメ
当然ながら、私の参列は必須だし ナズナも私の婚約者として身内として参列する事になる
貴族の結婚とは、お金を大いに使用し地域活性をさせると言う意味も含まれる訳だから、面倒な慣習や作法的な事も多い
その上で、ベルファさん の言う ナズナも準備を進めた方が良い と言うのは、文字通りの意味以上に 王族として
神前式はサンテブルグ大教会 一択だろうし、警備の配置やらなんやらも決めないといけない、やる事は山積みだ
まぁ私が出来る事と言うか、口出し出来る事が少ないので ナズナとベアトリーチェに任せるしかない、うん