アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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162話 領都観光(仮)

 

 

そんなこんなセンセイが義母になった事を熱烈歓迎する お茶会を経て数日、年の瀬が差し迫った今日この頃 とうとう雪が降り始めた

 

 

「リューネで雪か、珍しいな」

 

「そうなんですね? 確かに私も初めて見ました」

 

「リューネは比較的南に位置する関係で、一部の北部地域と標高の高い山以外では数年に1度 降雪するか否かだからな、特に国の中央に近いテスタロッサ領や中央にある王都は特にな」

 

「ほうほう」

 

 

朝食後、特に用事もなかったので 暖炉によって暖かい娯楽室で他愛ない話をしながら窓の外のチラつく雪を見て呟いたナズナに相槌を打つと、そんな説明をしてくれる

 

彼の言った様にテスタロッサ領は国土の中央寄りに位置しているので、北部に比べ降雪する頻度が かなり低いらしく、こうして雪が降る事は珍しい

 

 

「ところで貴方様? テスタロッサ領の領都を見た事は有りますか?」

 

「ん? 何年か前に腰をヤったオヤジの代わりに視察をしに来たが、馬車で周った程度で 詳しくは見ていないな」

 

「では、領都観光へ行きませんか? 特に用事もない事ですし」

 

「唐突だな? まぁ良いか」

 

 

テスタロッサへ帰郷してきて約1週間 室内生活だったので、良い加減 外へ出ないといけない気がして、ナズナへ提案すると 少し戸惑いながらも了承してくれる

 

その後、控えていたルーティに拉致(笑)されて着替えをさせられて、色々と臨戦態勢へと仕上げられ 玄関へ向かうと、なんかセンセイとナズナが会話していた、なんでセンセイが居るん? とか思いつつ

 

 

「お待たせしました 貴方様」

 

「いや、それほどでもない。よく似合っているぞ? カヅキ」

 

「やはり貴女には白を基調としている服も良いですね? よく似合っていますよ」

 

「ありがとうございます、貴方様 お義母(かあ)様」

 

 

ナズナへ声を掛けると、すかさず服を褒めてくる 流石はナズナ、よく分かっている

 

そんなナズナに続いてセンセイも褒めてきて、ルーティのドヤ顔が視界の端に映る、もう少し隠そうとしようよルーティ

 

 

「では気をつけて行って来なさいカヅキ、あまり遅くなってはいけませんよ?」

 

「はい、お義母様」

 

「ナズナ殿下、カヅキをお願いしますね? 」

 

「あぁ分かっている」

 

 

私が着用している白地に金刺繍のされたケープコートを整えながらセンセイは言い、ナズナにも釘を刺す 流石はセンセイだ

 

それから いつもの様にルルとブリジットを伴ってテスタロッサ邸を徒歩で後にする、馬車だと目立つしね?

 

 

「中央区は商店街、西区は研究区域、東区は住居が多いですね、北が行政関係、南は ギルドや その他と言った所でしょうか?」

 

「テスタロッサは、テレジアと並んで研究者が多いし、農業関係の魔導具や作物の品種改良もしているらしいな? 」

 

「えぇ、兵器開発より生活環境を向上させる方針らしいので」

 

 

テスタロッサは領地自体は広いのだが、領都は そこまで広くは無いのでテスタロッサ邸が有る区域から徒歩で中央の商店街まで普通に行けるし、今更 この程度の距離で疲れない

 

しかし、雪のせいで少し足元のコンディションが悪いのは少し気になる所ではある

 

 

「数年に1度の降雪・積雪とはいえ、この程度なら交通が麻痺はしないだろうから、大丈夫だと思うぞ? カヅキ」

 

「おや? 気付かれていましたか」

 

「あぁ、お前が理由なく 唐突に出掛けようとか言わないと思ったし、何より先程から足元を気にしてる上に、チラチラと道行く馬車を見ているじゃないか」

 

「ふふ、正解です 貴方様」

 

 

そう、私が唐突に外出をしようと言ったのは 運動不足もあるが、領民が降雪・積雪で どうしているか知っておきたかった と言うのも有るのだ

 

問題が発生しているなら、私の立場上 無視は出来ないし したくないからね

 

 

そんな訳で私の思惑をナズナに言い当てられつつ商店街へと到着すると、雪がチラつく寒空の中でも人が行き来しているのが見える

 

 

「思ったより往来が有って良かったです」

 

「確かにな、これだけ寒いと外出は控えたくなるのも分かる」

 

 

領都には、中央区は商店街 つまり様々な品物を扱う店が混在している

 

衣服、食品を扱う店は もちろんの事、アクセサリー類や便利グッズ等の魔導具を扱う店もあるし、武器屋も有れば防具屋もある

 

本当に様々な品物が並んでいる訳だ

 

 

「生鮮食品を扱う お店を見れば、物流の流れもレートも分かりますね」

 

「あぁ、此処 数年は安定傾向だな」

 

 

果物と野菜を扱う店へ辿り着き、品揃えと値段を見てナズナと会話をしていると、奥から 店員の おばちゃん が現れ

 

 

「おや? カヅキちゃん じゃないか、王都の学園に行っているんだろう? どうしたんだい?」

 

「こんにちはメアリーさん、冬休みになったので帰郷してきたんですよ」

 

「そーかい そーかい、王都の学校でイジメられてないかい? すぐに言うんだよ? 相手が お貴族様だろうと、アタシは延べ棒で殴って分からせてやるからね! 」

 

「ご心配なく、既に分からせてやりましたから」

 

「はっはっはっ、相変わらず見かけによらず 強いんだねぇ カヅキちゃんは」

 

 

豪快に笑う店員のメアリーとは言う程長い付き合いではないが、プレセアやルーティの着せ替え人形となった時に知り合った人で、肝っ玉カーチャン系の頼れる大人だ

 

因みに、メアリーはガチで相手が貴族だろうと 理不尽を許容しない人なので延べ棒片手に人をシバくから、冗談ではなく本気で言っている

 

多分、ナズナは冗談だと思っているだろうけども

 

 

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