アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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163話 領都観光(仮) 2

 

 

 

肝っ玉カーチャンなメアリーと他愛ない会話をしていると、ナズナの方を見て

 

 

「そんで、この美形さんは誰だい? もしかしてカヅキちゃんの良い人かい?」

 

「初めまして 俺はナズナ、カヅキの婚約者になれた幸運な男だ」

 

 

このメアリーと言う女性は、おばさん 特有の遠慮のなさを持っている為、こう言う事を躊躇う事なく聞いてきたりするので、困った人だ

 

そんなメアリーの圧?に屈することも無く、ナズナはメアリーを真っ直ぐに見据えて言う、恐らく本心から言っているから曇りの無い瞳過ぎる

 

 

「おお、これはめでたいね! カヅキちゃんはベルファ様の養女になって、テスタロッサは安泰だねぇ!」

 

「気付いていたんですか?」

 

「むしろ、何故気付かないと思うんだい? ベルファ様は領民を大切にしてくれているし、多忙な中 視察もして下さって民の話に耳を傾けてくださる領主様なんだよ? そんなベルファ様の養女になったのだから、分かるに決まっているだろう?」

 

「なるほど、それは確かに」

 

 

メアリーの言葉に、私が尋ねると彼女は 丁寧に説明をしてくれる、私がテスタロッサ家の養女になった事を知っていた上で、普段と変わらない態度で接してくれたのは、メアリーなりの気遣いだったのだろう とてもありがたい

 

 

「そんな訳でナズナ殿下、カヅキちゃんを泣かせたらアタシ等は黙ってられないからね、覚えていておくれ」

 

「承知した、覚えておこう」

 

「アタシ達の お姫様をどうか頼むよ、王子様」

 

「あぁ任せてくれ」

 

 

メアリーはナズナを見据えて釘を刺すと、ナズナは真剣に返事を返すとメアリーは満足そうに頷いている

 

どうやらナズナを殿下と呼んだので、彼が王太子である事に気付いていた様だ、なんと言うか豪胆だ 下手したら不敬罪に問われてもおかしくないからね、うん

 

 

「それじゃぁ、ウチみたいなデートにもなりゃしない店より華やかな店に お行き」

 

「ふふ、相変わらず強引ですね? メアリーさん」

 

「そうかい? いつまでもウチに引き留める訳にも行かないのさ、何せ この商店街の連中全員が、カヅキちゃんが来るのを待っているからね? 」

 

「そんな大袈裟な」

 

 

いちいち行動が豪快なメアリーの言葉に相槌を打つと、なんとも大袈裟な事を言われてしまったが、メアリー本人に その自覚はない様だ

 

と言うか、ナズナ・ルル・ブリジットの3人が 何の疑問を抱いていなさそうなのが何とも言えない

 

 

「ほら、行った行った 荷物になる物は帰りに買うのが鉄則だよ? まずはデートを楽しんでおいで」

 

「そんな背中を押すまでですか? 分かりました、分かりましたから」

 

 

なんとも強引に私の背中を押して送り出そうとするメアリーを見てナズナは笑っている、少しは止めてくれても良いんだぞ? ナズナ

 

 

「くく、行こうかカヅキ こうも熱烈に言われてしまえば従うしかないだろう?」

 

「・・・そうですね 貴方様、ではメアリーさん また来ます」

 

「あぁまた いつでもおいで!」

 

 

そんな訳で強引なメアリーの言葉に従いナズナが笑いながら言うので、色々と飲み込んで了承して、メアリーの八百屋を後にする

 

彼女と会話をしてる間に、品揃えと値段を確認できたから当初の目的は達成出来たと言っていい

 

日持ちする種類がメインではあるが、そんなにバリエーションが少ない訳でもなかったから、私が予想していたよりは降雪の影響は少なそうで良かった

 

 

「少し長話をして身体が冷えてしまったし、一旦 休憩も兼ねて カフェか喫茶店にでも入る事にしよう、オススメはあるか? カヅキ」

 

「オススメですか? そうですね・・・私が コーヒー豆を購入している喫茶店はどうでしょう? ベイクドチーズタルトも美味しいのですよ」

 

「分かった、そこにしよう。案内を頼むカヅキ」

 

「はい、お任せください 貴方様」

 

 

ナズナにエスコートされつつ、彼の質問へ答えると 案内を頼まれたので返事を返す

 

まぁ案内と言っても、メアリーの八百屋が有る場所から そんなに離れていないから、迷う事も無いんだけどね?

 

そんなこんなで数分も経たない内に目的の喫茶店へ到着し、ガラス戸を開けて入店すると、空調が効いていて冷え込んだ外とは違い 暖かい

 

 

「いらっしゃいませ〜 あ、カヅキちゃん 今日は1人じゃないんだね? 見ての通りスカスカだから、奥の席を使って構わないよ〜」

 

「ありがとうございます フランさん、お言葉に甘えて奥の席を使わせて貰います」

 

「はい、どうぞ〜」

 

 

明るい黄色の髪をした女性店員 フランに迎えられ、室温の変動の少ない奥の席へ案内されたので、遠慮なく彼女の提案に従って着席する

 

 

「私はブレンドコーヒーと 今日のオススメケーキを」

 

「俺はブレンドコーヒーだけで良い」

 

「ルルさん と ブリジットさん も座って注文してください、今はスカスカですが、来店された お客さんにも お店にも迷惑になりますから」

 

 

メニューを開かずに水を人数分持ってきたフランへ注文を言い、いつでも剣を抜ける様に立っているルルとブリジットに座って好きな物を注文する様に促す

 

正直、こんな寒い日に外出しようとする人は多くないとは思うが、それでも仕事や用事の兼ね合いで食事なり休憩なりに来店する人も居る筈なのでね、うん 仕方ない 仕方ないのだ

 

 

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