アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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164話 領都観光(仮) 3

 

 

そんなこんなルルとブリジットにも、私と同じケーキセット(仮)を注文させて味わう、ベイクドチーズタルト 甘さ控えめで実に美味である

 

 

「カヅキがオススメするだけはあるな、美味い」

 

「そうでしょう? こちらも とても美味しいですよ 貴方様」

 

「確かに美味いな」

 

 

ブレンドコーヒーを飲んで感想を言うナズナの口に すかさずベイクドチーズタルトの一欠片を入れると、感想を言う ナズナも学園祭以降 なかなかに慣れてきた様で、何も言って来ない うんうん 良かった

 

 

「カヅキちゃん、その人 ナズナ殿下だよね? 彼氏?」

 

「婚約者ですよ フランさん」

 

「おぉ 玉の輿だね!」

 

「結果的にはそうですね? 」

 

 

私達以外に客がいないので遠慮なくイチャイチャしている所を、フランに目撃され質問されたので、答えると そんな事を言われる

 

確かに玉の輿ではあるが、別に狙っていた訳ではないので 結果的に そうなってしまっただけだ、まぁ これを説明した所で何人が信じるか分からないけども

 

そんな訳で私達以外に客がいないから暇なのか、私達と他愛ない雑談をしていると、喫茶店のガラス戸が開きドアベルがカランカランと鳴り、フランが入店してきた客を出迎える為に 私達から離れる

 

どうやら入ってきた客は女性の様で、旅装束である外套のフードを外しフランと軽く会話をしているのが見える

 

亜麻色の髪を結い上げアップスタイルにしていて、身長は160㎝中頃から後半といった具合、そして何より彼女からは 私が苦手な人物と同じ気配(におい)がする気がしてならない

 

 

「おや? こんな所で会うとはね、面白い偶然も有った物だね? ナズナくん」

 

「ん? 誰かと思えばアウラ伯母上か、本当に珍しい事もあった物だな? 」

 

「伯母上は辞めて欲しいなぁ、これでもピチピチの3000歳なんだからね」

 

「充分にババアじゃないか、伯母上」

 

 

フランと話していた女性がナズナに気付いて、こちらへ歩み寄り彼の名を呼んで漫才を始める

 

ナズナがアウラ伯母上と呼んでいる事から、彼女の名前はアウラで ナズナの伯母な事は理解出来たが、明らかに彼女から発せられるオーラは純人類種のソレではない程の強さを持っている

 

つまりアウラはエルフと言う事だ、珍しい と言うか純血のエルフは初めて見た

 

リューネのエルフに限らず、彼等・彼女等は閉鎖的な社会を持ち エルフの隠れ里を離れて生活する事は少ない

 

まぁ私もベアトリーチェに教えて貰えた事 以上の事は知らないだけどもね?

 

 

「全く私の甥は数年会わない間に、随分と生意気に育ってしまって 私は悲しいよ」

 

「それは ご愁傷様だな 伯母上」

 

 

なんだか芝居掛かった仕草で大袈裟に悲しむ素振りを見せるアウラに、ナズナは慣れているのか 無情にも突き放す様な事を言う、なかなか面白い漫才だなぁ

 

 

「そういえばナズナくん、新しく婚約者が出来たらしいね? トリスから聞いているよ」

 

「相変わらず神出鬼没な徘徊をしているみたいだが、義母(はは)上に聞いた通り、アレと婚約破棄をして暫くしたら最高の相手を見つける幸運に恵まれてな? 素晴らしい婚約者だよ」

 

「ふふふ、そうかい そうかい。あのナズナくん に言わしめる程なのだろうね? この娘は」

 

「あぁ、義母上にも気に入って貰えている」

 

「その様だね?」

 

 

一通り漫才をしていたアウラがフランへ椅子を要求し、私達の席に増設し そこへ座ってから話題を変え 婚約者の話をし始める

 

2人の会話から察するに、トリスはベアトリーチェの愛称か何かだろう、多分

 

と言うか、アウラが私を面白そうに見てくるのは、なんでだろうか? この目付き ベアトリーチェと似ていて少し居心地が悪く感じるんだけど

 

 

「ふふふ、なるほど 君はトリスの事が苦手なんだね? 」

 

「なぜ、それを?」

 

「ハーフエルフで有るベアトリーチェより、純血エルフの私の方が リーディング能力が高いと思わないかい?」

 

「・・・一理ありますね」

 

 

リーディング、つまり思考や感情を読み取るチカラがエルフには使える訳だが、ハーフエルフであるベアトリーチェより 純血のエルフであるアウラが より強いチカラを使える事はなんら不思議ではない

 

ベアトリーチェは悪意や真偽が分かる程度 みたいな事を言っていたが、そんなベアトリーチェよりアウラの能力は どれほどなのか考えたくはない、怖いし

 

 

「そんなに怖がらないでくれ カヅキちゃん、私は君を取って喰おうと思っている訳でもないし、そもそも武力では 君には勝てないだろうからね? 」

 

「恐れ入ります」

 

 

なんとも色々と見透かされている様で落ち着けないが、仕方ないのでコーヒーを飲んで平静を装う事にしよう、あぁコーヒー美味い

 

 

「それにしても九尾か、珍しい・・・いや 絶滅していなかったのだね」

 

「どう言う意味ですか?」

 

「おや? 自分が何者か理解をしていないのかい? ふむ・・・元流民とトリスが言っていたっけ」

 

「どう言う事だ、説明をしてくれ アウラ伯母上」

 

「分かった分かった、説明するから そうせっつかないでくれたまえ」

 

 

運ばれてきたコーヒーを飲んでアウラが意味深な事を言い出したので、私とナズナで問い詰めると、アウラは落ち着けと促してくる

 

なんだか、物凄く聞き逃してはならない情報な気もするし、念入りに聞かねば

 

 

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