意味深な事を言い私とナズナに圧をかけられても大して効果が無さそうなアウラは、コーヒーを飲み 一息ついて
「リューネでは獣人は稀少な存在だ、彼等は遊牧民だからね?」
「そんな事を今更なんだ? 俺もカヅキも知っているぞ?」
「まぁまぁ落ち着きたまえよ ナズナくん、あくまでも話の枕だからね」
アウラは、一般常識の範囲の知識を口にし、ナズナが怪訝な表情をして苦言を呈すると、落ち着けとジェスチャーし肩を竦める
サンクロードの一般的獣人は 遊牧民で、リューネ・
仲間意識が非常に高く、仲間に害をなした者を許さない事でも有名で 彼等と揉めた地方領地が地図から消えた事もあるらしい
まぁ普段は温厚かつ大らかな気質らしく、彼等の主な収入源である羊毛で紡がれた糸や織物は高品質であり高値で取引されている
「一般獣人種は、犬科や猫科が大半で自分の
「関係が無いなら、早く本題へ入ってくれないか? アウラ伯母上、貴女が博識である事は評価すべき事だが、すんなり話をしない所は明確な欠点だぞ?」
「すまないね、なにぶん こう言う性格と喋り方を幾星霜としている物でね、許してほしい」
それが獣人が稀少と言われる所以な訳だけど、関係ない話だったらしく アウラがナズナに軽く叱られている
まぁナズナの気持ちは分からなくもない、こうもお預けが続くと焦れてしまうからね、うん
「知っての通り 私は放浪者だから場所や国 問わず色々な所を巡って来た訳だけど、吾妻の迷いの森には狐・・・いや、霊狐系獣人が住む里があってね? 」
「それが 先程の話に通ずる、と」
「その通り、エルフと精霊が共存する様に 彼女達は精霊と共生し迷いの森で生活をしている訳だ」
「彼女達?」
漸く本題に入ったらしく、聞きたい情報の上辺を聞く事ができたが ナズナはアウラが “ 彼女達 ” と呼称した事に違和感を持ったらしい
「そう 彼女達 霊狐族は、女王国家なんだよ。あくまでも国として扱うなら って意味だけどね?」
「女王国家、なのか」
「正確に説明するならば、
アウラの説明を聞き、なんだか聞き覚えのある形態で軽く冷や汗が出て来ている気がする、気のせいだと思いたい
しかし、これは確認しなければならない質問がある、怖いが仕方ない
「アウラ様、お尋ね致しますが・・・まさか 主神の名は
「おや、なんだ知っていたのかい? と言う事は、やはり君は霊狐族の出身なのかな?」
「い、いえ・・・違います、違いますが 偶然知っていただけです、はい」
「ふぅん?」
恐る恐るアウラへ尋ねると、私が予想した答えが返ってきて 更に冷や汗が出てくる感覚を覚える
これは少しマズイかも知れない、下手したら面倒事が起こりそうな予感がヒシヒシとし始めてるぞ?
「神の声を聞き、国を安定させる為に
「・・・なるほど、カヅキが何者が理解していない のか、と言う意味はソレか?」
「そうとも、私も不定期に霊狐の里を訪れたりするが 9尾へ至った者なんて片手で足りる程度しか見た事が無い、大抵は至る前に寿命で死んでしまうのだからね?」
「あの・・・20にも満たない年齢で9尾の私は異端なのでは?」
うっすらな記憶を頼りに考えると、確か霊狐と呼ばれる狐には明確な階級が存在していて、最下級で尾が1つ 最上位で尾が9つ とされている
尾を1つ増やす事でも長い長い修行が必要で、9尾に至るには1000年を費やす必要が有る・・・だったかな?
霊狐にとって自身の尻尾とは ただの尻尾ではない、己の持つチカラの根源であり象徴に他ならない
1尾と2尾ではチカラの差は2倍、3尾では更に倍以上のチカラの差が発生する、故に私は異端と判断されかねない
「あぁカヅキちゃんは異端も異端、異端過ぎて 彼女達は君を排除なんてしようと思わないだろうね? むしろ君の前で膝を折り泣いて 君が産まれた事を喜んでくれるぐらいさ、君は
「・・・マジかよ、面倒臭いなぁ」
アウラはサラッと そんな事を言い、コーヒーを飲み フランへお代わりを要求する
これは面倒な事になる予感がするぞ? 確かに隠れ里から外出する者は少ないだろうが、少ないだけだ
それに、この世界を管理しているのはヴェスタだが、他にも神様が居ないと言う保証は全くない
上司なり部下なりの神様が居てもおかしくない、むしろ上司的な神様が絶対居る、そんな確信すら私にはある
あんな脳みそ まで筋肉っぽいトレーニーなヴェスタが、サポート要員無しに運営出来るとは 到底思えないからね? うん