アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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169話 いざと言う時に役にたつ弟

 

 

 

流石は貴族子息子女が通う金持ち学校と評価するべきか、サロン的な場所が有り ナズナを先頭に入り適当な場所へ座る、私はインベントリから常備している ティーセットを取り出して全員分の紅茶を淹れて配る

 

 

「腕を上げましたねカヅキ」

 

「ありがとうございます、ユキヤ殿下」

 

「カヅキが淹れる紅茶は、美味いな」

 

「うまうま」

 

「うーん、まだまだ精進しないと・・・」

 

「これは高みですね」

 

 

紅茶を飲み褒めてきたユキヤに お礼を言うと、カナリアは何も考えずに味わっている様で素直な感想を口にし、ブリジットとルルは思案顔で何か言っていた

 

それから更に2口程 紅茶を飲んだユキヤがナズナを真っ直ぐ見据え

 

 

「それで兄さん、緊急の用件とはなんですか? また父さん が やらかした、とかでは有りませんよね? 」

 

「親父の件な訳ないだろ、親父の やらかしは今に始まった事でも無いしな」

 

 

ユキヤはナズナを見据え、早く終わらせてくれ と言うオーラを出しながら言い、ナズナは そんなオーラを感じていないのか意に介さずに言い

 

 

「来月に卒業パーティーが有る事は、お前も知っているな? ユキヤ」

 

「もちろん知っていますよ? 僕も王族として出席しなければなりませんし」

 

「その卒業パーティーで少々問題が有ってな?」

 

「問題? 父さんが出席しない・・・という些事では無いですね? 兄さんが焦るぐらいですし」

 

 

ナズナは真剣な表情で尋ね、ユキヤは訝しみながら相槌を打つ まぁユキヤが こんな表情になるのも無理も無い、ナズナは基本的には表情を あまり表に出さない様にしているフシがあるからね、うん

 

 

「実は、カヅキのパーティードレスの用意が間に合わなそうなんだ」

 

「・・・ふざけてます? 兄さん」

 

「俺は真剣だぞ、ユキヤ!」

 

「これを ふざけていない なんて言える訳が無いでしょう!! バカなんですか?!」

 

「ユキヤ殿下、落ち着いて 落ち着いて」

 

 

ナズナは至って真面目にユキヤへ相談している、だからこそタチが悪い 本当 タチが悪い

 

ユキヤは、わざわざ授業をサボってまで兄の相談を聞いているのに、内容がコレでは キレても許されると思うが、カナリアがユキヤを宥めている、お疲れ様カナリア

 

 

「はぁ・・・兄さんが珍しく僕へ相談と言うので、何事かと思えば・・・本当に・・・いや、ヴィオレッタ(あれ)から解放された上にカヅキ(最愛)を手に入れる事が出来たと喜ぶべきか・・・それにしても奇行が過ぎる訳で・・・」

 

「すまないが、チカラを貸せユキヤ」

 

「これほど帰りたいと思った事は、片手で足りますよ兄さん」

 

「そうか? すまない」

 

 

ユキヤもユキヤで、兄であるナズナの事を信頼しているし 彼が汚嬢様(ヴィオレッタ)の事で頭を痛めていた事を知っている、それ故に なんとも言えない気持ちになっているのだろう

 

なんか、すまないユキヤ

 

 

「あの・・・なんだか すみませんユキヤ殿下」

 

「いえ貴女が悪い訳では有りませんから、貴族の慣習と王族の務めを怠った兄さんが悪いので」

 

「それについては、すまない」

 

 

なんだか居た堪れなくなってユキヤへ謝罪すると、ユキヤはナズナが悪いと宣言し、ナズナは謝罪する

 

 

「はぁ・・・パーティードレスを1から仕立てるのは現実的に不可能です、下位貴族ならば吊るしのドレスを仕立て直す事で済みますが、カヅキは養子とはいえ侯爵令嬢ですからね、吊るしではダメです」

 

「分かっている、だからこそ お前の知恵を借りたいと言っているんだ」

 

「侯爵令嬢として、王太子の婚約者として、相応の装いが必要だが 1からは仕立てる時間は無い、ならば既存の物を仕立て直すしか無いですよね? 」

 

「そうだが・・・まさか奴等から徴収するのか?」

 

「まさか、そんな借りを作る様な真似 死んでも ごめん被りますよ」

 

「なら、どこから?」

 

 

ユキヤは真剣な表情をしてナズナに言い、言葉を交わしていく 私にはユキヤの考えている案が何か分からないが、奴等とは後宮の王子&王女(ばかども)の事だろうと言う事は理解出来た

 

 

「僕達には有るではないですか、仕立て直して受け次いで名誉となる物が、丁度 カヅキの髪も黒いですしね? ピッタリでしょう? 」

 

「名誉? ま、まさか 母上の着物か? 確かに母上の着物ならば王太子の婚約者として相応しい、むしろ俺とお前の妻や子でなければ受け継ぐ資格が無いな、妙案だぞユキヤ」

 

「そうでしょう?」

 

 

ユキヤのドヤ顔にナズナは、ユキヤが提案した物を察して言い 彼を褒める、確かにナズナとユキヤの実母であるリンの遺品で有れば 仕立て直し私が着る事は名誉でしか無いし、ナズナの婚約者として これ以上に相応しい服装は無い

 

 

「でも構わないのか? 」

 

「構いませんよ、母さんの遺品とはいえ 遺されているのは1つ や 2つ では有りませんし、その中から幾つかカヅキの為に仕立て直しても問題は有りませんし、母さんも兄さんの婚約者ならば文句も無いでしょう」

 

「そうか? なら その言葉に甘えさせて貰おう」

 

「今、母さんの遺品を管理しているのは義母(かあ)さんですので、早めに話をすると良いでしょう」

 

「あぁ、ありがとうユキヤ」

 

 

なんとか話しが丸く纏まった様で良かった、それにしても和服か 目立ちそうな気もするが、王太子の婚約者って目立ってナンボみたいな所もある気がするし、良いのかな? 多分

 

 

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