アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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17話 魔法検証

 

 

 

そんなこんなルークに連れられ領兵の詰所へ向かい、入り口から入ってすぐの、なんかデスクワークする場所みたいな所にいる領兵の人に、ルークが話掛ける

 

 

「ベリルさん、この子 今日メイド見習いになったんすけど、訓練場で魔法の練習したいんですって、誰か使ってます?」

 

 

「今? んと・・・あぁ大丈夫、今は誰もいない筈。その子が昨日 第4分隊を助けたって言う」

 

 

「なんでしょう?」

 

 

ベリルと呼ばれた女性は、ルークの質問に答えてから俺を興味深そうに見てきたので、尋ねてみる

 

見られて羞恥心を感じるほどウブではないが、見られて興奮する性癖を持ち合わせていないのでね

 

 

「いや何、不快にさせたならごめんね? 昨日第4分隊を助けたって言う命の恩人が狐獣人とは聞いていたけど、こんなに可憐な美少女とは思ってなくてね? もっとこう・・・筋骨隆々の筋肉って感じを予想してたからさ」

 

 

「なるほど?」

 

 

俺が怪訝な表情をしているのを感じ取った様で、ベリルは俺に謝罪して理由を話す

 

又聞きの又聞きとか、そんな感じの認識だったのかな? と思いつつ彼女が言っている事を理解する

 

 

又は、この世界の獣人は筋骨隆々がデフォルトの可能性がある

 

 

それはそうと可憐な少女か、なんだか悪い気はしないな、うん

 

 

 

「訓練場は、すぐそこだけどルークに案内を任せる、戻ったらユリウス隊長が呼んでたから、向かってね」

 

「了解ですベリルさん、こっちだぜ」

 

「はい」

 

 

なんだか俺の尻尾をガン見してるベリルを見なかった事にして、ルークの後に続き訓練場へ移動する

 

距離として2分程度で到着し

 

「此処は魔法訓練場、特殊な結界魔法が施されてるらしくて、訓練場内の影響を外に出さない機能とか、的が自動再生したりする機能があったりする、頼むから結界の仕組みとか聞かないでくれよ? 俺は そう言う小難しいのは苦手なんだ」

 

「それは残念です、えぇとても残念です」

 

「それじゃ、俺は次の仕事が待ってるから」

 

「えぇ、ありがとうございますルーク君」

 

「おう、あぁそうそう俺の事は呼び捨てでいいぜ? アンタの方が歳上だし」

 

「そうですか? なら、私もカヅキと呼び捨てで構いませんよ」

 

 

「そうか? 分かった。またなカヅキ」

 

「はい、また ルーク」

 

 

心優しい少年ルークと友情を育み、彼を見送ってから10m程 先に生えている的へ目をやり

 

 

「・・・なんかラブコメかなんかみたいな展開だったな、今の」

 

 

異世界転生系ラブコメのテンプレートみたいな出会い方だった様な気がする、多分

 

 

ルークが やんごとなき理由で身分を隠してテスタロッサ家で領兵をしている王子様 的な感じなら、間違いなく今日が出会い編で時を重ねて いずれ恋仲へ〜みたいな?

 

 

「笑えねーな、そんな事になったら・・・俺は元は男だしな、そんな創作物みたいな事がそうそうあってたまるかよ」

 

 

左手(ききて)に土系統の魔法で野球ボールを模した石を生成して、深呼吸して テレビで見た投球を見様見真似で的へ全力で投げる

 

 

すると、ボッと音がして1秒経たずに的を着弾して粉々に粉砕する

 

 

「えぇぇ・・・・」

 

 

流石に想定外の光景にドン引きしながら的を見ていると、見る見る的が生えて行き、元通りになっていく、魔法ってスゲー

 

 

「石の威力は分かったし、次は・・・ま、テンプレだよな? ファイヤーボール」

 

 

先程の石を投げた時の要領で火の玉を的へ投げると、着弾した瞬間にカッと閃光を発して次の瞬間、熱風と轟音が俺を襲い 軽く引く

 

 

「いやさ、確かに適性のランクSだったよ? でもさ適当に使った魔法が こんな威力じゃ逆に魔法使いにくいわ、マジで」

 

 

誰が悪い訳でもない・・・いや、俺が悪いのか

 

どうもファイヤーボールとか恐らく習得難易度低めのいわゆる下級とか初級とかの魔法の威力がエグすぎて、正当防衛で不殺を要求される時に使えないのは正直面倒臭い

 

アイデース頼りにしない為の確認の筈が、アイデース以外がマトモに使えない結果になりつつあるのは何でだろうか?

 

 

「・・・まぁ良いや、とりあえずどんな魔法使えるか確認しとこう」

 

 

ファイヤーボールで、消し炭になった的が綺麗に生えた事を目視できたので、気持ちを切り替えて次の魔法を試す事にする

 

 

「定番っちゃ定番の・・・サンダーボルト」

 

 

少し格好つけて的へ指を向け呟くと、快晴の上空から雷が的へ降り注ぎ閃光と轟音を発生させ的を粉砕する

 

 

「やっぱスゲー」

 

「貴女には魔法の教育も必要な様ですね?」

 

「ひょっっっ」

 

 

2度の轟音で聴力が少し麻痺していたのか、背後に人が立っている事に気付かずに、急に話しかけられてビクッとしながら振り返ると、何故か呆れた表情のセンセイが立っていた

 

 

「センセイ? なぜ此処に?」

 

「昼食の時間になったので、貴女を迎えに来ただけですよ」

 

「昼食? あ、あぁ・・・そういえば食べて無かったです」

 

「行きますよカヅキ」

 

「はい、センセイ」

 

 

センセイの指示に従い彼女の後を追いながら軽く先程のテストで乱れた髪とビックリして膨らんだ尻尾を整えておく

 

下手に放置しているとセンセイに怒られそうだしな、うん

 

 

とりあえずはセンセイが俺に魔法の教導もしてくれるみたいだし、任せておこう

 

 

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