そんな何ともカオスな状態で卒業パーティーの会場入り口へと到着し、警備を担当している衛兵に労いの言葉をかけて会場内へと入る
流石は貴族子息子女の通う学園だけあってパーティー会場は綺麗に花々や調度品で飾りつけされていて、遠目で見て分かるぐらいに料理と飲み物が豪華だ
まぁそれはそれとして、あれだけガヤガヤと賑わっていた会場内が急に静かになるのはなんでだろうか? やはり生徒とはいえ王太子が会場入りすると空気が変わるのだろうか?
「丁度いいタイミングですよ兄さん」
「ん? ユキヤか、そうだろう?」
「お久しぶり・・・と言う訳ではありませんが、ご機嫌麗しゅうございますナズナ殿下」
「あぁオリヴィエ、ご苦労」
やはりナズナは目立つのか視線を浴びながら会場内を進み 飲み物を取りに向かっていると、露出率が低いパーティードレスを着た
約
「カヅキ、その着物 よく似合っていますよ? やはり着物は黒髪の方が映えますね? これは母さんも喜んでくれるでしょう」
「よくお似合いですよカヅキさん」
「ありがとうございます、ユキヤ殿下 オリヴィエさん」
「そうだろう? やはり お前もカヅキに着物が似合っていると思うよな? 今日のカヅキは最早女神と言っても過言では無いと思うのだが、どうだろうか?」
「煩いですよ? 兄さん」
ナズナとの会話を終えたユキヤが私の方を向いて、褒めてきて 本来なら自分の婚約者が他の女性を褒める事は良い気持ちになる筈が無いのに、オリヴィエも褒めてくる、オリヴィエ めっちゃ良い人 仲良くしよ ナズナと結婚したら義理姉妹になるし
そんな軽く感動している私を他所に、ユキヤとオリヴィエが私を褒めた事に気分を良くしたのか 割と大きめの声でナズナが私への愛?を早口で語り始めたのを、ユキヤは冷静かつ冷たく切り捨てる
ナズナには悪いが、多分 それが正解だと思う、すまないナズナ
とりあえずユキヤとも仲良くしとこう、ナズナが暴走した時のブレーキ役は必要だしね? うん
「ユキヤ、カヅキ程の女が狙われない訳が・・・」
「まぁまぁ 落ち着いてください貴方様、飲み物でも飲んでください・・・ユキヤ殿下? 私は この様な場に疎いのですが、この場合は どちらを選べば? 」
「兄さんを落ち着けるなら、こちらの果実水が良いでしょう。間違っても そちらの薄黄色の瓶に入ったリンゴのシードルは飲ませない様に、度数は非常に低いですが、アルコールなので」
「承知しました、さぁ貴方様? こちらのナシの果実水をお飲みください」
「む、俺はカヅキの素晴らしさを・・・まぁ良いか、親父の名代として挨拶もあるし喉を使い過ぎるのも良くないからな」
「はい、そうなさってください 貴方様」
流石は卒業パーティーと言うべきか、多種多様な飲み物が並んでいて どれをナズナに飲ませるべきか悩んだのでユキヤへ尋ねると、教えてくれた上に 今のナズナには酒を飲ませるな と釘まで刺されてしまった
とりあえずナシジュースが入ったグラスをナズナへ渡して、私はリンゴのシードルの入ったグラスを取り一口飲む、これは初めて飲んだが 悪くない アルコール度数が低いから かなり飲みやすい
これは飲み過ぎ注意だな と思いつつ、人生初のアルコールを味わう
因みに私は状態異常無効の
そんな事を考えつつユキヤ & オリヴィエと会話を交わした後、目的である挨拶回りをナズナが開始したので、ついて回る
本当について回って 軽く挨拶をするぐらいなので、本当に簡単な仕事だ こう言う時の色々は良く分からないし、古代日本風にするなら妻は夫の3歩後ろを歩く的な奴だ、多分 メイビー
「ナズナ殿下、そろそろお時間です」
「ん? そうか、分かった・・・すまないカヅキ、仕事の時間の様だ 行ってくる。これだけの人数だ 俺の姿も見えんだろうし 壁際の椅子で休んでいると良い」
「はい、貴方様の お姿を見れないのは残念ですが仕方ありませんし、そうさせていただきます」
「ブリジット、頼んだぞ」
「御意」
パーティーのスタッフらしき男性が寄ってきてナズナへ声を掛けてきて、ナズナが そう言ったので私は頷いてブリジットと共に壁際に並ぶ高そうな長椅子へと向かい座ると、ブリジットが その横に姿勢良く立つ
私としては隣りに座って貰えた方が気持ち的に楽なのだが、まぁ仕方ない と思うしかない
それよりも、慣れない着物で肉体ではなく精神的に疲労してしまったので、ナズナが戻るまで座って休ませて貰おう
どうせ、ナズナが居ない内に仕掛けてくる阿保が現れてくれるだろうし、暇はしないだろうからね
さてさて、鬼が出るか蛇が出るか はたまた ゴリラが出るか、楽しみだなぁ