アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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174話 春休みだってばよ

 

 

 

卒業生を見送る卒業パーティーから暫くが経ち、3月も中旬に差し掛かり最後の春休みが到来し、私はナズナを連れてテスタロッサへと帰郷している

 

色々と雑音の多い王城や早春で海へ入る事も出来ないトリスタンの別荘より 私と結婚すれば義実家となるテスタロッサ邸の方が気が休まると言うナズナの判断だ

 

まぁどちらにせよ、封印術 更新の為に 定期的に帰郷しなければならない身からすると助かるので、私には異論はないしね?

 

そう言う訳で温室の開けた場で、私とナズナは左腕に特殊な機械を装着して対峙していて、私と彼の間には場に伏せられたカードが浮かんでいたり モンスターが浮いていたりする

 

 

「俺のターン、ドロー! 俺は場にいるモンスター2体を生贄にし、青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイトドラゴン)を召喚! そして・・・」

 

「お嬢様、ご歓談中 失礼致します」

 

「マルタ? どうされました? 」

 

 

丁度 興が乗ってきた決闘(デュエル)中に、テスタロッサ家 メイドの1人であるマルタが現れ、私へと声を掛けてきたのでナズナへ待ったをかけて彼女の方を向き尋ねる

 

私 専属メイドであるプレセアとルーティがマルタを通した、つまり私とナズナの遊戯を中断する事に値いする事態と言う事だろう

 

 

「ベアトリーチェ正妃殿下より お手紙が参りました」

 

「王妃様から? 」

 

 

マルタの言葉に、なんだか嫌な予感がしてきたが 相手は王妃であり いずれは義母になる人、無視する事は出来ないので マルタから手紙を受け取り アイデースで保持して開封し中身を読む

 

 

義母(はは)上は 何て?」

 

「・・・私と貴方様に頼みたい事があるので城へ登城する様に、との事です」

 

「こう言っては何だが、面倒事じゃないか?」

 

「でしょうね? しかし、正妃 直々の手紙ですし 断れませんよ」

 

「まぁ、確かにな」

 

 

デュエルディスクの電源を切り、場のカードを回収して尋ねてきたナズナに答えて 私も自分のデュエルディスクの電源を切ってからカードを回収し腕から外して、近くのテーブルへ置いてデッキはケースに入れてからインベントリへ収納する

 

 

「プレセア、私とナズナ殿下は登城します、お義父(とう)様には 良く再現されていたとお伝えください、恐らく帰りは遅くなったり 今日中に帰宅が出来ない可能性もありますので、お義母(かあ)様には その様に」

 

「かしこまりました、お気をつけて」

 

 

既に仕事を終えて居ないマルタは、仕事できるなぁ と思いつつ 専属メイドのプレセアの方を向くと、既に外出用のケープコートを持っていたので受け取り羽織ってから彼女へ指示を出すと、短く返事が返ってきたのでナズナの方を向き目配せをすると、私をエスコートしてくれる ので転移門を生成して潜り、王城のナズナの私室へ移動し 外に出てベアトリーチェが居るでだろう場所へと向かう

 

ベアトリーチェ お気に入りの薔薇が咲く温室へと到着すると、案の定 彼女は そこに居て、予想外の人物がベアトリーチェと お茶を飲んでいたが、一旦 スルーしよう

 

 

「王妃様、カヅキ参りました」

 

「もう来たの? 早かったわね? ふふ、ありがとう」

 

「いえ、お気になさらず。して 我々に お願いしたい事とは?」

 

 

私はベアトリーチェから3m程 距離を空け、腰を折って頭を下げて挨拶をすると、彼女はニコニコと笑んで労ってくれるが、今日は一段と 彼女の周りに浮遊霊が多いし、なんだか いつもよりハッキリ? クッキリ? 姿が見えるのはなんだろう? またレベルが上がったかな?

 

そんな事を考えつつ、ベアトリーチェへ本題を尋ねると

 

 

「元素の精霊が君を呼んでいるのさ、カヅキちゃん」

 

「なぜ、私を? アウラ様」

 

「さぁ? それは私には分からないよ、でも・・・視えているから、じゃないかな?」

 

「視えている? 何をですか? 」

 

「精霊さ」

 

 

黙って紅茶(推定)を飲んでいたアウラが唐突に口を開き、ベアトリーチェの代わりに私の質問に答え、アウラの言葉に推定浮遊霊達がウンウンと頷いている

 

アレ? もしかして この浮遊霊達って、浮遊霊じゃなくて精霊なのかな? 多分

 

そんな事実に驚いて目で追っていると

 

 

「やっぱり視えているようだね? 普通の人間は 自分が仮契約している精霊ぐらいしか視えない、と言うか たまに視えるぐらいで大抵の場合は視えないのだけどね? 君は仮契約すらせずに 視えている、それは凄い才能だよ」

 

「そうなんですか? 昔から霊感は強い方で、幽霊を たまに見かける事もあったので、彼等 彼女等も浮遊霊かと思っていました、確かに魔法を使用する際に沢山いるなぁ〜とは思っていましたが」

 

「カヅキちゃん、君って 肝が据わっているんだね? 普通 幽霊は怖がる物ではないのかな?」

 

「ん? なぜ 怖がる必要が? 幽霊も所詮は人 由来です、対話が可能ですし 堕ちてしまっているなら、祓うのも優しさかと。今は成仏もさせてあげられますし」

 

「これはこれは」

 

「ふふふ、面白いわねぇ」

 

 

私はアウラの言葉に飾らずに答える、転生前から霊感強めで たまに視えていたから、今更だし 転生前ならともかく 今の私は悪霊を祓う(すべ)を持っているので、怖がる必要もない

 

だいたい幽霊 自体は悪でもない訳だし、悪さをしなければ 基本は放置で良いと思うしね? うん

 

 

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