そんなこんなで 私が野生の浮遊霊だと思っていた半透明の存在は、精霊だと判明し 私達は元素の精霊 が待っていると言う迷いの森内にある、精霊の祠と呼ばれる 精霊達の住処へと向かう事となった
私は てっきりアウラが案内をしてくれる物と思っていたが、どうしてもエルフの里を経由する必要があるらしく 『嫌だよ、あんな偏屈の頭の硬い老害達と会うなんて』と 本当に嫌そうな表情をして言われてしまったので、私とナズナ そして専属護衛のルルとブリジット と言う最低限の人数で行動する事となってしまった、無念
伝言をして すぐすぐ とは流石に無理となり、翌朝に出発する事が決まって 私達は一旦 テスタロッサへ帰還し、それなりの準備をする
テスタロッサ家地下書庫で見つけた書物からの知識で、四大と呼ばれる大精霊が存在し、それぞれが 火・水・土・風 の四属性を司っているらしい
普段、ナズナ達が使用している魔法は精霊魔法と呼ばれる類いの魔法で、各属性の精霊に自身の魔力を支払い魔法を行使する、と言う魔法だ
つまり、より強い精霊と契約する事が出来れば 強い魔法を使用出来る、と言う感じなのだが、精霊と言うのは強い個体程 生物としての格と言うのが極端に上がってしまう為、上から2番目の大精霊ともなると 限りなく不老不死な存在であり、単独で強大な魔法を行使出来る
そして適性の無い者は、無意識に彼等・彼女等から漏れる魔力に畏怖しプレッシャー等の精神的負荷を与えられてしまう
それ故に、対策をしなければならないので 私は手早く工作をして、状態異常無効のアイテムを制作する
突貫作成だから数日しか効果は続かないが、まぁ大丈夫だろう 多分
そんな訳で しっかりと準備して、夜明け前にテスタロッサを後にし馬車で一路 トンプソン家が納めている領へと向かう、まぁ途中までは転移門でショートカットするが、そこからは地道に馬車移動になる 何せ行った事が無いからね トンプソン領
「トンプソン領、確か辺境伯の納める土地でしたね?」
「あぁ、迷いの森西側一帯を管理している横に伸びる防衛に特化した領だな、迷いの森から出る魔物からの脅威からリューネを守る防衛の要であると同時に、迷いの森で採取される質の良い薬草類や魔物の素材を得られる場所でもある、年中 魔物が跋扈しているお陰で腕の良い冒険者が多いのも特徴だな」
「なるほど」
迷いの森、そして西側に位置する砂漠地帯の大国 バルマバラッドからの進軍へ対処する事を務めとする領、その特性上 腕利きの冒険者が多く集まる場所であり、質の良いポーションや魔物由来の武具を産出している場所でもある、まぁその分 強者こそ正義的な脳筋も多い為か 荒くれ者も多いとか何とか、
そう、トンプソン家は辺境伯であり現段階でユキヤが婿養子になる事が決定している、何せ先程も言ったがトンプソン領はリューネに置ける防衛の要所の1つなのだから、関係構築は必要不可欠な事だ
それもナズナが信用している
まぁ後宮にもナズナの味方をしている王子・姫も居るから、一括りには出来ないけども
そんな訳で陽が斜め45度を超えた頃、トンプソン領へ到着し 迷いの森へ向ける為に街を横断する訳だが、街に入る時は簡単だったのに 迷いの森側へ出る為には、何重もの鉄格子の門を抜ける為、時間が掛かってしまう
「万里の長城みたいな街ですね」
「万里の長城? なんだ それは」
「故郷で読んだ書物に書かれていた城の事です、連山の山頂に築かれた砦で敵国との国境線を丸々塞ぎ、一切の侵入が出来ない様にしていたとか、なんとか、そんな山城ですね? 因みに万里とは 遥か遠い と言う意味で 万里の長城は 途方もなく長い城と言う意味になります」
「なるほど、確かに カヅキの言う様に、此処は万里の長城だな」
地平の先まで続く防壁の様な砦を見て私が呟くと、ナズナが反応して尋ねてきたので答える、些か自己解釈とか簡略化した説明をしたが、あまり細かく説明しても私も完璧に覚えている訳でもないし、面倒だからね うん
そんな訳で馬車は街に置いて歩いて迷いの森へと向かい、入り口へとやってくる
一応、防壁から
そんな訳で、巡回している領兵を横目に入り口までやってくる事が出来た
「漸くですね・・・あ、そうそう お三方、コレを身に付けて下さい」
「なんだ、これは」
「簡単な お守りですよ、虫・獣・悪霊避けの」
「なんだ、その絶妙にバランスが良いのか悪いのか分からない お守りは」
「まぁまぁ殿下、カヅキさん の手作りですし、ね?」
「そうですよ 殿下、気にしたらダメですって」
「それもそうだな」
3人に お守り(笑)を渡し適当な効果を説明すると、謎の納得のされ方をされてしまう、コレは遺憾の意を表明した方が良いだろうか?