アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

18 / 267
18話 教育的指導

 

 

魔法訓練場でセンセイに背後に立たれて驚く珍事の原因が、使った魔法が爆音だったから一時的に聴覚機能低下したと思ったけど、昼食を食べる為に移動するセンセイの足音が無音だったので、多分それが原因だと再認識する

 

 

今思い返すと、センセイに連れられ歩いてる時に俺自身の足音しかしてなかった様な気がする、どんな歩法だろうな?

 

 

「そのプレートを持って食事を選んで食べなさい」

 

「はい」

 

 

何というか、選択式の様だがバイキングやビュッフェの様なタイプではなく、給食の様な感じで選ぶ様だ

 

主食・副菜・主菜が それぞれ2種類あるのを選択する感じで、なかなか面白い

 

 

そんなわけで、この国で主食っぽいパンを選びセンセイのチョイスを習い選んでプレートによそい、先生の正面に座り食事を始める

 

 

「予定を前倒しにして、貴女には午後から教育を始めます。よくよく考えれば今の貴女は仕事を教える以前の問題がありますから」

 

「お手数をおかけします」

 

「構いませんよ、今も昔も貴女は私の教え子です」

 

「ありがとうございます、センセイ」

 

 

軽くセンセイへ頭を下げると、優しい手付きで俺の頭を撫でて微笑むセンセイへ俺もお礼を言い笑み返す

 

その後、何故かユージーン料理長から厚切りベーコンを貰い全力でお礼を言い食す、めちゃくちゃ美味かった

 

 

昼食を食べ終えて、再びセンセイに先導され教室的な部屋へ入室し

 

「そこに座りなさいカヅキ」

 

「はい、センセイ」

 

黒板の前に立ち、センセイが俺に座る席を示してきたので素直に従い着席する

 

 

「この世界はお世辞にも初等教育が万全とは言えませんから、当家には新人教育の為の部屋があり、それが此処です」

 

「なるほど、理解しました」

 

「貴女は違いますが、簡単な読み書きや計算が出来る程度の者が大半ですから、全く王族の勤めをしっかりと果たして欲しい物です」

 

 

なんか半ギレのセンセイを見つつ、こう言うのは富の独占とか そんな感じのヤツが絡んでて、富裕層が貧困層を使い易く・使い潰しやすくする為に下手に知識を与えない様にしている可能性がある

 

利益を重視するなら効果的なのかは、俺には分からないが使う側からすれば、変に小賢しい奴より無知な奴の方が使い潰しやすいだろうからな

 

だから、最低限の読み書きと計算が出来れば それ以上は要らない と考えているのかも知れない

 

 

「んん、思わず愚痴が溢れてしまいましたが、授業を始めましょう」

 

「よろしくお願いします、センセイ」

 

センセイは咳払いをして、授業開始を宣言して俺を真っ直ぐに見据えてきたので、俺も住まいを正して軽く頭を下げる

 

 

「まず最初に、この世界にサンクロードついてです。この世界には幾つかの大陸があり、その1つである大陸に我々の住まうテスタロッサ領がある国のリューネと他3国がひしめいています」

 

 

そう言うとセンセイは黒板にチョークでひし形を描き、少し雑に線を引いてゆき

 

「大雑把に地図を描くと こうなります、リューネは比較的南に位置する国ですね、東が吾妻(あずま)ノ国、西がバルマバラッドと言い、それぞれ4国が隣接している中央の森が迷いの森と呼ばれている絶対不可侵領域です、そして森を挟んで北がノースイットです」

 

「あの・・・吾妻ノ国って もしかして和風ですか?」

 

「和風中華といった感じですね、確か貴女に良く似た狐系の獣人の里が吾妻の外れにあった筈ですよ」

 

「なるほど?」

 

洋風な国名の中にポッと和名が出て来て気になって尋ねると、センセイは嫌な顔せずに質問に答えてくれる、ありがたい

 

 

「我々の居る国 リューネは君主制国家で国王が居ます、ありきたりですが正妃たるベアトリーチェ様と側妃の方々と王子・王女方が沢山います

 

「沢山って、センセイにしてはアバウトですね?」

 

「えぇ、数えるのが馬鹿馬鹿しいと思える程度には側妃も王子・王女もいるので」

 

「え? 参考までに何名ぐらいですか?」

 

「今の所は 正妃 1名、側妃 及び 妾 31名、王子 及び 王女 40名 ですね」

 

「いや、多いな」

 

「でしょう?」

 

 

センセイは心底うんざりした表情で俺の質問に答え、俺も素で言葉を発してしまう

 

いやさ、確かに王族として血筋を残す為に子供を沢山産んで貰うために側室とか妾を囲うのは仕方ないと思うし、否定はしないけどさ? 何事も限度ってのがあると思う訳よ

 

いくらなんでも多過ぎるでしょ、側室と妾の人数、あと子供の数

 

アフリカの部族とかじゃないんだからさ?

 

 

「現国王は・・・まぁ歴代の中でも可もなく不可もない凡庸な方ですが、少々女好きでして ハッキリ言ってアホです」

 

「え? 大丈夫なんですか?」

 

「少し前までは傾きかけてましたが、数年前に立太子したナズナ殿下と弟君のユキヤ殿下が政務に携わる様になって、立て直しました」

 

「それもうダメなんじゃ?」

 

「そうですね、まぁ後数年もすればナズナ殿下が王位を簒奪して、変革期が訪れるでしょうから、まぁまだマシかと」

 

「えぇぇ・・・」

 

 

なんというか、センセイのあまりの物言いに何とも言えない感情を抱かされて、何も言えなくなってしまう

 

と言うか戴冠じゃなくて簒奪って物騒だな、テスタロッサ領にいる内は大丈夫だろうけど、政戦になんて巻き込まれたく無いぞ?

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。