アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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184話 愉快な昼食

 

 

 

そんな訳でチャールとデュエルする約束をした訳だが、流石にホームルームが始まる前にデュエルする時間がある訳もなく、昼食後に対戦する事を決め両者合意していると、気配を消す気もないリリウムが登校してきて 無遠慮に私の尻尾を抱き締めて来た

 

今の時期は 春とはいえ まだ肌寒い為、リリウムを始めとしたクラスメイトに人気だが、リリウム程 遠慮が無い子は居ないのである まる

 

 

「はぁ〜 至福」

 

「ウチの婚約者が、すんません 殿下」

 

「構わん、カヅキの尻尾には魔性のチカラがあるからな」

 

「チャール君、謝る先が違うと思うのですが?」

 

「すまねぇなカヅキちゃん」

 

「なんとも うっすい謝罪ですね」

 

 

尻尾を抱き締め吸い始め何か怖い事を言い出したリリウムを見てチャールがナズナへ謝罪をする

 

何でナズナ? と思いチャールへ訂正を要求するが、なんとも心がこもっていない謝罪がされただけに止まる、まぁ私も本気で言っている訳では無いから これで構わないけどさ?

 

チャールは1回 自分の婚約者(リリウム)を止めた方が良いと思う訳でね? うん

 

あとナズナも変な事を言わないで欲しいかな? 一応 安眠枕としての性能が頗る高い事は自覚しているけどさ?

 

その後、今年もA組の担任となったカーンが教室に現れたのでリリウムが抱き締めている尻尾を切り離してチャールによりリリウムは席へ誘導される、大丈夫か? コイツ

 

そんな心配を他所にカーンによる絶妙にヤル気の無い挨拶を聞きホームルームは終わり、短い休み時間後に1限目の授業が始まる

 

その後も滞りなく4限目まで授業が終わり、まだ私の尻尾を吸っているリリウムを引き摺る様に誘導するチャールと共に学食へと向かう

 

約1年間 使用している為か慣れた物で、席に座りメニューが表示されたタブレット端末を手に持つ

 

 

「おや? 新メニューがありますね? 期間限定と数量限定も」

 

吾妻(あずま)料理のバリエーションも増えてるっぽい」

 

「牛丼と定食ぐらいだったものね」

 

「何を食べても美味いしな、この学食は」

 

 

なんとなくカレーを食べたい気分だったので、新メニューのチキンカレー(甘口)とサラダのセットを注文する

 

流石に昼食時まで尻尾を吸っているリリウムの頭をチャールが軽く小突いて昼食を注文させ、暫くすると注文した料理が到着する

 

 

「カヅキ、それは?」

 

「チキンカレーですよ」

 

「チキンカレーか、少し香辛料は控え目の様だな?」

 

「甘口にしたので、それででしょうか?」

 

 

手を合わせてからサラダを口に運んでいると、ナズナに尋ねられたので素直に答える

 

確かに、私の知るカレーと比べたら少々 スパイスの香りが少ない気もするが、本番ではないし 万人に平均的な味で食べやすくしているのだろう、多分

 

サラダを食べ切ってからチキンカレーを口にし

 

 

「ハチミツとリンゴを使っていますね、これなら辛いのが苦手な方でも食べれるかと・・・食べます? 」

 

「一口貰おう」

 

 

味を吟味して材料を推測しるとナズナが食べたそうにしていたのでスプーンで掬い彼へ食べさせると

 

 

「美味いが、俺には少々甘いな」

 

「そうですか、作る際には参考にしますね」

 

「あぁ」

 

「お2人さん、ここ 学食っすよ? イチャつかないで貰えます?」

 

 

私とナズナのやり取りを見ていたチャールが、珍しく呆れた表情をして言う

 

別にイチャついてはいないし、羨ましいなら 隣に自分の婚約者(リリウム)が居るのだから、して貰えば良いと思う訳だが 何が気に入らなかったのだろうか?

 

 

「何を言う、婚約者とのコミュニケーションを取って何が悪い」

 

「悪いとは言って無いです、俺は場所を考えてくれ と言っているだけです 殿下」

 

「ん? 何故だ?」

 

「あ、本気で分かってねーな? この王子様・・・」

 

 

何かよく分からないがチャールは気に入らないらしくナズナに噛み付いているが、ナズナも何故 気に入らないか理解出来ていない様だ 私も分からないし、仕方ない

 

 

「そういえばカヅキ、去年の冬休みにベルファが準備が大変 と言う趣旨の発言をしていた事は覚えているか?」

 

「なんだか、言っていましたね? それが?」

 

「一昨日までの数日 城へ滞在しただろう? その時に義母(はは)上から聞いたのだが、講師の選定を始めたらしい」

 

「ほわい?」

 

 

ナズナは器用に箸を使い鰤の照り焼きを切り分け食べながら 私へ話しかけてきて、内容がイマイチ頭に入らず聞き返すと

 

 

「王妃教育と言う奴だ、お前は元平民で貴族の慣習とかには疎いだろう? だから、義母上が講師を見繕い始めた訳だ」

 

「なるほど? 多少の心得はありますが、それでも疎い事には変わりませんしね」

 

「あぁ、とはいえ すぐに王妃教育が始まる訳ではない、開始は学園卒業後からだ、俺も即位の準備があるし 結婚式自体も その後になる予定だ」

 

「分かりました」

 

 

ナズナの説明に相槌を打って頷く、確かに私は現代日本で生活していたお陰で、多少の知識を有してはいるが それまで で、貴族間の暗黙の了解や慣習に関しては まるっきり分からないし、マナーも必要最低しか身に付けていない

 

侯爵家令嬢ならギリセーフかもだが、王太子妃・王妃としてはアウトだろうからね、うん

 

 

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