アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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188話 ろんぐ ろんぐ あご に

 

 

 

私は私の人生で1番の後悔を抱いている事を思い出し

 

 

「私が中学生に上がって数ヶ月が経った頃だったかな? 私とナツキ アサトで少し遠出をする事になった、なんでもナツキがハマっている作品のコラボ商品が提供される飲食店があるって事だった、私達にとって もはや慣れたもので 年に数回ある出来事で 特に特別な日でもなんでもなかった、そう全て上手くいけば ありふれた 日常の 他愛ない1日で終わる筈、だったんだ」

 

 

今でも鮮明に あの日の事は思い出せる、何度も 何度も 夢で繰り返し見た、忘れられる筈もない

 

 

「いつもの様に私がナツキの家へ迎えに行き、私を実の兄の様に慕ってくれるナツキの妹である真子との会話をソコソコに 寝ぼけているナツキを背負ってアサトの家へ行って、アサトと合流して・・・私達は駅へ向かい歩き出し他愛ない話をして、アサトとナツキを背負うのを交代しながら目的地へと向かって、電車に乗り・・・そう 電車へ乗って、私達を乗せた電車は山を抜けるトンネルへ差し掛かり、急ブレーキで体勢を崩してしまった 私は油断していたんだ、安全な日本だから 今日も何も起こらないと 理由もない慢心をしていた、その結果・・・飲酒運転をしていたドライバーが事故を起こし、それを引き金に小規模な土砂崩れで落ちて来た岩がナツキの頭に当たってしまった、あと数㎝ ・・・ほんの指の関節2個分の距離でナツキを救えなかった。あと半歩、私が体勢を崩していなければ、私はナツキを救えた、筈だったんだ」

 

 

緊急停車して体勢を崩してしまった私達がアナウンスを聞いて『これは、予定を少し下方修正だな』とか下らない事を言った瞬間、山肌を高速で転がり落ちてきた岩が窓を突き破ってナツキの頭を捕らえ・・・その質量で彼女の首と頸椎 そして頭蓋を砕いてしまった

 

もちろん救急へ電話をしたが、手の施しようがなく ナツキは死んでしまって、私の後悔となった 救えた筈だったのに 救えなかったのだから

 

 

「その事故で怪我をしたのも死んだのもナツキだけ、規模も数時間程度で片付く程度・・・ナツキと言う人間が死んでも、世界は滞りなく進み続けていたって訳だ、それが酷く・・・腹立たしかったよ 本当にさ」

 

 

私はキャンプカップの煎茶を飲んで息を整える、冷めているが センセイが 御用達にしているだけあって美味しい

 

 

「そんで精神をやっちまって数年 薬を飲みながら生活してて、病院で常飲薬を貰った帰りに車に轢かれそうな子供を助けて、その代わりにくたばって・・・ヴェスタに気に入られたらしくてサンクロードに転生、その後は ナズナも知っての通りって訳さ 」

 

「俺が言うのもアレかもだが、なかなか の経験をしているんだな? カヅキ」

 

「まぁね? と言っても、ナズナや こっちの人程では無いと思うけど」

 

 

自分の煎茶を飲み切ってしまったので、魔法瓶から新しく自分のキャンプカップに煎茶を注ぎ ナズナの言葉に相槌を打つ

 

私の精神性は日本に居た時から変わっていない、しかし ヴェスタへ要求した祝福(ギフト)のお陰で大分 精神強度は上がっている様で助かっている

 

 

「あれ? そういえば・・・去年の夏休み前ぐらいに発作が起こって以降、1回も発作が起こってないし、以前なら ナツキの話をしていたら発作が起こってもおかしくないのに・・・」

 

「夏休みに ナツキを救えたからじゃないのか? 」

 

「確かに・・・そうかも知れない」

 

 

ナツキが死んでしまった時の話をしているのに 発作が起こっていない、それどころか 手が震えてすらいない事に気付き、私自身がトラウマを乗り越える事が出来ている事に気がつく

 

そうか、私は もう前へ進めているんだな ナツキ、その内に会いに行くから 首を洗って待っててくれよ?

 

 

「さて 私の つまらない身の上話は これぐらいにして、質問が有れば答えるよ」

 

「色々と聞きたい事が山程あるが・・・電車とはなんだ?」

 

 

ポンと手を叩いて切り替え、質問に応じる事を伝えると 話について来れていないルルとブリジットを他所にナズナが尋ねてくる

 

 

「文字通り電気で走る車両の事なんだけど・・・そうだなぁ〜? あー ほら、この前 何処だったか忘れたけど試験的に魔導列車が運用されたじゃん? あんな感じ、かな? 」

 

「なるほど・・・相当 金と労力が掛かっているんだな?」

 

「確かに金と労力は掛かってるけど、リューネの10分の1以下ぐらいじゃないかな? パワーとか精度とか日本とリューネじゃダンチだし」

 

「・・・それ程に技術的に差があるのか?」

 

「うん」

 

 

ナズナの質問に答えて、ナズナの想像する金と労力の差と言うのを説明すると、にわかには信じられない と言う表情をしている

 

 

「ベルファさん から試作の通信機を貰ったでしょ? アレ、日本だと20年以上前の技術相当なんだよね」

 

「信じられん、革新的な技術なのに・・・カヅキ、変な事を聞くが・・・仮に 日本とリューネが戦争をした場合、リューネは勝てるか? 」

 

 

私の答えにナズナは戦々恐々と言う表情をして 恐る恐る私へ質問してくる

 

 

質問の意図が理解できないが、少し前提から構築する必要があるから 少し考えてみよう

 

その前提 いかん で勝敗は決まるだろうし

 

 

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