アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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196話 吾妻ノ国 初日

 

 

それからも腰が低過ぎる(さかき)の接待?を受けつつ検分が終わるのを待ち、検分が終了したら再びナズナ専用馬車へ乗って榊を始めとした出迎え組の案内と護衛を受け発進する

 

 

「ナズナ殿下は ご存知と思いますが、当 関所から少し先に転移門がございます、もう暫しご協力をお願い致します」

 

「あぁ、こちらこそ(みやこ)までの護衛、よろしく頼む」

 

「は、この一命を賭して」

 

 

馬車の窓越しに馬に乗った榊が説明をしてくる、なるほど 来賓用に直通の転移門が有るらしい

 

それはそれとして、徐々に北緯が上がっている為かテスタロッサやトリスタンの別荘より日差しが和らぎ気温が下がってる気がする

 

まぁ 誤差の範囲内かもだけど

 

 

「森が近いからか緑の香りが強いですね? 貴方様」

 

「ん? そうか? ・・・そうか?」

 

 

折角と言う事で馬車の窓が全開になっているので風が抜け、外の香りが分かるので 暇つぶしにナズナへ言うと、首を傾げて聞き返してくる

 

あぁこれは、アレだな 私の鼻の性能が良いって奴だ

 

 

「俺に分からないと言う事は、俺の鼻が死んでいる か カヅキの鼻の性能が高い か、そのどちらかだな?」

 

「後者だと思いますよ? 貴方様」

 

「俺も、そう思う」

 

 

私の意図を知ってか知らずかは分からないが、ナズナが冗談を言ったのだが 流石に乗ると可哀想な事になりそうなので 後者を選択すると、ナズナは微笑み言う

 

 

「カヅキ、今更の事を聞いて良いか?」

 

「なんでしょう?」

 

 

いつもの様に偉そうに足を組んで座り 思い出した様子でナズナが私へ尋ねてきたので相槌を打つ

 

まぁ偉そうも何も実際に偉いのだけどね? ナズナは

 

 

「冬休み頃にテスタロッサの領都でアウラ伯母上と会った時に話した内容を覚えているか? 」

 

「えぇ、私の正体がうんぬん・・・うん・・・ぬん・・・あれ? マズった?」

 

吾妻(あずま)側の迷いの森には霊狐族が住む 隠れ里が有る、お前は嫌がってなかったか? と聞くつもりだったんだが・・・その様子では忘れていた様だな?」

 

「完全に忘れてましたね、えぇ貴方様と旅行が出来ると舞い上がっていました、はい」

 

「くく、それは嬉しい事を言ってくれるな? カヅキ」

 

「笑い事ではありません、貴方様」

 

「ははは、すまん すまん」

 

 

何を言い出すかと思えば、すっかり頭の中から抜け落ちていた事をナズナは言って笑う

 

そうさ、ナズナと仕事込みとはいえ旅行が出来る事で頭が一杯で霊狐族の隠れ里の事なんて忘れていたのさ、うーん これは少しやらかしてるかも知れない?

 

とりあえず私を揶揄う様に笑うナズナにクレームを入れると、謝罪しながら私の頭を撫でて来るナズナのナデナデタイムを堪能しておこう、そうしよう

 

 

「まぁ そう悲観しなくても大丈夫だろう、霊狐族が吾妻へ干渉してきた何て聞いた事ないからな」

 

「しかし貴方様? 榊様は 私を見て驚きもしませんでしたよ?」

 

「確かにな? アレか? リューネのエルフの様に、吾妻では霊狐族と交流があるのかもか? 母上と義母(はは)上が仲良くなって親友になった訳だし」

 

「確かに 辻褄はあいます、ね?」

 

 

ナデナデされながら会話を続けると、ナズナが そんな事を言う

 

確かにナズナが言っている事が当たっていれば、心配は無い筈・・・いや、有る意味安心出来ない気がするな?

 

榊が私を見て驚かないぐらい霊狐族を見慣れているなら、都に霊狐族が普通に歩き回っていてもおかしくない

 

つまり、9尾(フルパワー)ではないが 私は今 7尾なので 彼女達からすると 結構 高位の霊狐となっている筈、囲まれる 又は 問答無用の来訪者が宿泊先に来訪してくる可能性もある

 

2尾分身に もう1つ移設する? いや6尾でもダメそうだし、なんか色々 拗れそうな気がしてきたな?

 

 

「よし、話を聞いてくれる人達である事を祈りましょう! 天に座す我等が父であり筋肉を愛し筋肉に愛されるヴェスタ神よ、どうか・・・どうか!! お願いします、いや マジで 頼む ヴェスタ」

 

「お前、たまにヴェスタ神に祈りを捧げているが、なんか距離近くないか? その・・・頼み方とか」

 

 

合掌して念を込めてヴェスタ(かみ)頼みすると、ナズナが何気ない様子で尋ねてきたので、手早く窓を閉めて

 

 

「私が転生者である事は話しましたね? 日本で死した私をリューネへ転生させてくれたのがヴェスタ神です、会って会話をした回数は数回程度ですが 彼本人から敬称不要とか言われていますから、まぁ友人と言った所でしょうか? ここだけの話、ヴェスタのミスの尻拭いを私が遂行した結果 私が死ぬことになったらしいのですがね?」

 

「カヅキ・・・お前は本当に俺を飽きさせてくれないな?」

 

「ふふ、ありがとうございます」

 

「いや、褒めてないぞ?」

 

「あれ?」

 

「カヅキさん、本当 無茶苦茶ですね?」

 

「カヅキさん、これはフォロー出来ないです、ごめんなさい」

 

「あれれ?」

 

 

話していなかったか と思い、ヴェスタとの関係を素直に話すと なんでか軽くディスられ始める、無念

 

最近は、結構ズレた事をする頻度も減ってきていると思っていたのだけど、まだまだの様だ

 

人生ってままならないなぁ

 

 

 

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