アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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202話 吾妻ノ国 2日目 4

 

 

ブリジットとの茶番を楽しんだ後、ナズナが風呂から上がって少し(れん)と仕事の話をしている と(あかつき)家女中に報告されたので、私も風呂に入ってくる事に決め、ブリジットを伴って離れの浴場へと向かう

 

 

「今日は柑橘系が浮いていますね?」

 

「なんでしょう? これ?」

 

 

タオルを巻き私の後に着いて露天風呂へと現れたブリジットを他所に呟くと、彼女は不思議そうに湯船に浮かぶ 柑橘系を拾い上げて眺めている

 

因みに私はタオルを巻いていない、ブリジットに見られても何も思わないしね

 

そんな訳で洗い場で身体を洗う間、ブリジットには尻尾を洗ってもらい時短を行う

 

例に漏れず水に濡れると太さ3分の1以下になってて面白い

 

それから適温の露天風呂へ漬かり脱力する

 

 

「あぁ極楽 極楽」

 

「カヅキさん、あまり脱力し過ぎない様にしてくださいね? 水没しますよ?」

 

「その時は水揚げしてください」

 

「えぇぇ・・・」

 

 

何だか身体から出汁が出ている様な気がするぐらいの最高な湯加減で浸かっていると、ブリジットが心配したのか注意をしてきたので冗談を返すと 間に受けた様で、困惑した表情をする なんか すまないブリジット

 

そんなこんな長風呂をしたいが、そう言う訳にもいかないので ほどほどの所で露天風呂を上がり、尻尾の乾燥に取り掛かる

 

正直に言って、尻尾乾燥が1番時間が掛かるんだよね

 

私物の部屋着の和風ワンピースを着て浴場から客間へ向かい入室すると、既にナズナと蓮が座って談笑していた

 

 

「おや? 待たせてしまいましたか?」

 

「そうでもない、俺達も先程 戻ったばかりだ」

 

「その通りですカヅキ殿」

 

 

一応 礼儀として尋ねると、そんな返事が返ってきたので軽く謝罪だけしてナズナの隣りに座る

 

今更だけど、この座布団 かなり質が良いな? 欲しいかも知れない

 

 

「食事としましょうか」

 

 

蓮は私が座ったのを確認し、料理を持ってくる様に女中へ言う すると直ぐにテーブルへ夕食が並べられていく

 

おかしいな、さっき廊下には御用聞?が1人控えていただけなのに なんで暖かい料理が並んでいるんだ? 怪奇現象すぎる、まさか忍者?

 

そんな下らない事を考えていると

 

 

「昨晩は用意が間に合わず お出し出来なかったですが、今宵は しっかりと用意させて頂きました」

 

「徳利とお猪口、ですか?」

 

「おや? カヅキ殿は、コチラをご存知でしたか」

 

「えぇ、知識程度ですが」

 

 

おせち の様に少量の料理が 升目状の重箱?に並んでいる器や色々と多種多様な品目が並びきると、蓮が徳利とお猪口を取り出して見せたので 思わず口に出してしまったが、どうにか誤魔化す

 

 

「ナズナ殿下が試飲されて純米吟醸酒 (さざなみ)です、カヅキ殿にも是非 御賞味いただきたいと思いまして」

 

「なるほど、お心遣いありがとうございます」

 

「あぁ 昼間に試飲した あの飲みやすい和酒ですね? 」

 

「そうです、どうぞ」

 

「頂戴します」

 

 

蓮から差し出された徳利に対して お猪口を両手で持ち注いで貰い飲む、卒業パーティーで飲んだシードルと比べて酒気を感じるが、スッキリとしていて飲みやすい

 

これは間違いなくリューネの貴族にウケると確信が持てる

 

 

「これは とても良いですね、飲みやす過ぎて呑み過ぎてしまいそうです」

 

「確かにな、呑み過ぎには気をつけねば」

 

「ははは、そうかも知れませぬな」

 

 

ナズナも蓮からついで貰い呑み、私と同じ様な感想を言うと 蓮は笑いながら頷いている、それはそれとして冷えていて 普通に美味しいな 漣

 

それから他愛ない話をしながら夕食をツマミながら 漣を始めとした日本酒によく似た吾妻(あずま)酒を呑み比べしたりする

 

量自体は大した事ではないが、ナズナの様子は一応 注意して行う、蓮がナズナを亡命させる為に 何か仕掛けてくる可能性もあるしね?

 

 

「ん? 蓮様? もしかして 客間の外に犬走り有ります?」

 

「えぇありますよ? 庭を見れる様になっています」

 

「ほうほう、少し失礼」

 

 

夜なのに月光で枯山水の庭が見え、よくよく見たらなんか妙に幅が有る事に気付いて蓮に尋ねると 答えてくれたので、2人に断りを入れ少し見に行くと、雲が少なくて月が綺麗に見えていた

 

 

「貴方様、素晴らしい夜景ですよ?」

 

「そうなのか? 叔父上、俺も失礼」

 

「はは、どうぞ どうぞ」

 

 

あまりに美しい月だったのでナズナを呼ぶと、少々 酒が回っているのか 赤らんだ顔で私の隣りに立ち

 

 

「ほぉ、これは見事だな?」

 

「ふふ、そうですね?貴方様・・・月が綺麗ですね」

 

「あぁ お前程ではないがな・・・カヅキ、ずっと一緒に月を見てくれるか?」

 

「もちろんです 貴方様」

 

 

ナズナも夜空を見上げて感嘆の声を上げ、私は古典的なセリフを彼へ言うと、ナズナは酔っているのか 私を口説いてから 知ってか知らずか 返答してくる、なんだか背後に座ってる蓮がニヤニヤしている気がするけれど、別に私達は婚約者同士 愛を確かめてイチャイチャしても許される間柄なんだ、気にする必要は無い

 

と言うか、問題はナズナの記憶が明朝残っているのか と、二日酔いにならないか、って所だ

 

今のうちにシジミ汁を作っておいてあげようかな?

 

 

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