アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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204話 吾妻ノ国 3日目 2

 

 

 

それからナズナと他愛ない会話をしていると少し しんどそうな顔の(れん)が現れて、私達の対面に座る

 

 

「おはようございます 蓮様」

 

「おはようございます 叔父上」

 

「おはよう、ございます 殿下 カヅキ殿」

 

 

軽く顔が青い蓮に挨拶をすると、少し弱々しい挨拶が返ってくる このおじさんも二日酔いか

 

 

「蓮様も二日酔いですか?」

 

「はは・・・不覚ながら」

 

 

遠慮せずに尋ねると ぎこちない笑みを浮かべ答えたので、2尾分身メイド(トゥビー)へ念を飛ばし、彼にもシジミ汁を提供する これで多少は良くなるだろう 多分

 

 

「かたじけない・・・おや? これはシジミ汁ですか?」

 

「えぇ当家のメイドに作らせました、昨日 海鮮物を扱う店で見つけたので」

 

「そうですか、それはそれは」

 

 

2尾分身メイドが手渡したシジミ汁を飲んで蓮は 何を考えているか分からない表情をしている、この人と腹の探り合いはしたくないぐらいには何を考えているか分からないしね、うん

 

そんな訳で、二日酔いを見越して用意された朝食がテーブルに並ぶ

 

 

「カヅキ殿は お酒が強いご様子、少々羨ましいですな」

 

「こればかりは体質と対策ですから、致し方ありません」

 

「ほう、対策とは?」

 

 

私は卵雑炊を食べて蓮の質問に答えると、興味を持たれたので素直に教える

 

 

「なるほど、水を飲まねばならないのですか」

 

「そうです、なので次からは意識してみるのも良いと思います」

 

「ははは、これは良い事を聞きました。実践してみます」

 

「はい」

 

 

なんか嬉しそうな蓮に相槌を打ち、キュウリの浅漬けを食べる 美味い

 

それから他愛ない会話を交えつつ朝食を済ませ

 

 

「本日は登城や面会の予定はありせんので、街を案内致しましょう」

 

「そうですね、お願い致します 蓮様」

 

「よろしくお願いします 叔父上」

 

「はい、では1時間後に」

 

 

今日は完全にオフらしく、蓮が街の案内をしてくれると言う事で街散策をする事に決まり、蓮とナズナが着替える為に客間から退室していく

 

わざわざ1時間と言ったのは蓮が昨夜は風呂に入ってなかったのかも知れない

 

とりあえず準備が終わっている私は待つだけだから本を読んで待つ事にする、待機するのには慣れているからね

 

そんなこんなで本の残りが4分の1程度になった頃にナズナと蓮が戻って来たので、愛用のブーツを履いて昨日買ったアサガオ柄の日傘をさして (あかつき)邸を出発する

 

 

「カヅキ、そのセーラー服も似合っているな? 何処の品なんだ?」

 

「テスタロッサ家へ保護された時に着ていた物ですよ、貴方様」

 

「つまり・・・そう言う事か」

 

「えぇ、そう言う事です」

 

 

蓮と蓮の護衛であろう帯刀した人物が私達の前を歩き、私とナズナの斜め前ぐらいにルルが居て わたし達は その後ろ、最後尾にブリジットがいる

 

人数が多くなると、こんな陣形になるのは仕方ないし、暁家の人間が 至る所に点在していて、かなり手厚い警備がされていると思う

 

そんな隊列でナズナと会話をしている訳だが、蓮は記憶喪失前に入手していた服と思っている様子で、実際には転生時に私が着ていた服なだけだったりする

 

 

「私共が管理している街は如何でしょう?」

 

「とても良いと思います、活気もありますし 治安も良い」

 

「すれ違う町民の顔色も良いですね、良い統治がされている証拠でしょう」

 

「ありがとうございます」

 

 

前を歩く蓮に問いかけられたので率直に感じた感想を述べる、昨日も そうだがトラブルらしいトラブルに巻き込まれていないしね?

 

ニコニコと嬉しそうな蓮を横目に、周りの注意は怠らないでおく 99%の町民が無害だろうと1%のバカが居る可能性はあるからだ

 

だからこそ、蓮にも護衛が居るし 町民に混ざって警護をしている者もいる訳だから

 

 

「此処からが職人街、それも上位階級御用達の高級品を取り扱う区域になります」

 

「そうなのですね?」

 

「えぇカヅキ殿が購入した、そちらの日傘は 恐らくコチラではなく下町の商店街で購入されたモノでしょう、和紙の質が全く違います故」

 

「なるほど」

 

 

蓮の説明を聞き軽く周りを見渡してみると、先程とは違い 人通りが減り 一気に道ゆく人の身なりの質が高くなっているのが分かり、蓮は軽く私の日傘について説明もしてくれる、確かに人が多かったし 恐らく定価も高級品とは言えない額ではあった

 

 

「別に その日傘が悪い物と言っている訳では有りません、普段使いは値段はどうであれ気に入った物を使うのが1番です、とくに日傘等は消耗しますからな」

 

「確かに そうですね」

 

「叔父上の言う通りですね」

 

 

職人街を進みながら蓮の説明を聞き返事を返す、確かに高ければ良い と言う訳ではない、良い物が高くなる事が多いだけであり安ければ悪い物と言う事もない

 

この日傘も今季シーズンが終われば お役御免になるか、来年に使う事も有るかも知れないが、長く使うかは全く分からないしね?

 

上手くメンテナンスをすれば長く使えるかも知れないが、和傘のメンテナンス方法を私は知らないし、うん

 

にしても、職人街って事は珍しい物が売っていたりするのだろうか? 刀剣とか、槍とか 薙刀とか お土産になりそうな物があると良いな

 

 

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