闇帝のグレゴワールの前で闇魔法を使うと面倒だから使いたく無いが、そう言っていられないので、軽く息を吸い無詠唱で魔法を使用し情報を得る
「・・・なるほど、
「理由? 耐性の問題では無いのですか?」
「そうだとも、僕のダークランスは中級魔法 並大抵の魔獣では まず耐えられない筈だからね!」
「ベルナール君、少し黙ってて貰えます? 3属性に耐性のある魔獣が居る訳無いでしょう? 人工的に造られたなら 兎も角、ピンポイントに氷・地・闇属性に耐性がある魔獣ですよ? あり得ません」
「・・・そう考えると不自然ですね」
得た情報から大亀の正体を探り出して2人へ報告すると、静かに疑問を提示するエレオノールと対照的に、拘束魔法で転がっているにも関わらず元気なグレゴワールが私の説明を否定する様な言葉を言うので、冷ややかに見下ろしながら言う 確かにグレゴワールは悪い人間では無いが 単純に声がデカすぎて五月蝿くて敵わないからね
「現在 我々が居るのはテレジア領の沼地、国境線から少し離れていますが、密航者が居た場合 到達するのは難しくないでしょうね? 」
「つまり、何者か によって持ち込まれた、と?」
「その可能性も否定は出来ませんが、大亀に魔法が通じないのは 単純な事です。
「精霊の? なるほど、私達が行使する魔法は精霊を介するモノ、悪しき存在であろうとも 攻撃するのは気が引ける訳ですね?」
「そう言う事です」
大亀の正体を説明すると エレオノールはグレゴワールと違い、私の言葉を信用して正しく理解してくれて、本当に助かる
「仮に光姫の推理が正しいとして、大亀が精霊ならば どうすると言うんだい? 此処は沼地、足元は悪くて とてもじゃないが近接戦が出来るフィールドではないよ? 君の推理が正しければ 魔法で討伐する事は難しいのだろう?」
「ベルナール君、貴方は冷静だと賢いのですね? そう、一般的には そうなのでしょうけれど、私には あまり関係ないのですよ」
「どう言う事かね?」
伊達に 若干13歳で 称号持ちへと就任した訳ではないグレゴワールが、なんとも冷静に私へ尋ねてくる
今 開示した情報から得た情報を正しく理解して、私へ疑問を提示してくる頭脳、確かに冷静なら頭も回る様で 確かに実力は有るらしい、冷静なら
「ミラ」
「{ む? どうかしたか? カヅキ }」
「な・・・精霊王!?」
「あらあらあら、大抵の事では驚く事は無いと思っていましたが、まさか 精霊の王たる元素の精霊とも知己とは・・・想定外です」
「{ 今日は賑やかだな? カヅキ・・・むむ? 最近 姿を見ないと思ったが、こんな所に居たのかゲンブ、なんだか汚れているが・・・」
グレゴワールを見下ろしながらミラを呼ぶと、すぐに現れてくれ グレゴワールは信じられない物を見る様な目で、エレオノールは 苦笑しながら言い ミラは そんな2人を我関せず マイペースに言い、大亀をゲンブと呼ぶ これは手間が省けたな
「{ ふむふむ、なるほど? 私を喚んだのは ゲンブの事を聞く為か? }」
「その通りです、手間が省けて助かります。カレが瘴気を放っている理由はわかりますか? 私なら討伐する事は容易いですが、救えるならば救う方が良いでしょうから」
「{ その心遣い感謝する、ザッと見た感じ ゲンブへ瘴気を放つ為の核らしき物が埋め込まれている様だ }」
「瘴気を生み出す核、ですか」
説明も無しに呼んだ理由を察してくれたミラの言葉に、やるべき事を理解する
やはり私ならば、大亀 改め ゲンブを救う事が出来る事を確信する、むしろ 私にしかできない
「エル、今から私はカレを救う為に魔法を使います。その間 ベルナール君が邪魔しない様に監視をお願いしても良いですか? 王城の方でも動きが有ったので」
「王城で? 分かりました、任せてください。闇帝、そう言う訳ですから黙って大人しくしていてくださいね? 」
「く・・・致し方ないね、分かった 了承しよう」
「{ ふむ・・・カヅキ、この小僧は 何だか お前に対して偉そうだな? 処すか? }」
「ミラ、ベルナール君の事は無視してください、今から集中しますから」
「{ うむ、了解した }」
私はエレオノールへ顔を向けて グレゴワールに邪魔をさせない様に頼み、物騒な事を言うミラに釘を刺してから軽く深呼吸をし集中して、浄火の焔をゲンブに向けて行使する
すると、瘴気に反応してか大きく燃え上がり立派な火柱が立ち昇り、何とも幻想的な光景が目に映り、汚染された沼地が浄化されて澄んだ色へ変わってゆく
よし、私の予想通り 瘴気を浄火の焔で浄化し 尚且つ ゲンブを癒す事が出来ている、あとは浄火の焔を維持して瘴気を生み出している核を燃やし尽くすだけだが、それなりの時間を要する事になるだろう
焦っても仕方ない事だが、王城で動きが有ったから グレゴワールを家に送らないといけない、ナルシストで人の話を聞かないとはいえ 彼も21貴族の子息である事に変わりないのだから