アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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214話 宣戦布告 2

 

 

ナズナとユキヤの言葉に重い空気が流れる中

 

 

「ナズナ殿下は ご存知と思いますが、先のバジリスク討伐に際し私の娘であるカヅキが入手した魔導具ですが、アレはバルマバラッドで作成されたモノでした」

 

「やはりそうか、前に聞いた時から薄々は そうだろうとは思っていたが・・・」

 

「バジリスク程の魔物を越境させてくる、充分な殺意はありますね」

 

「そうだな」

 

 

いつもの胡散臭い笑みは消え、真剣な表情・・・いや 内心キレてそうなベルファさんが口を開き言い、ナズナが相槌を打ち 他の当主も困惑している様子に見える

 

 

「ユキヤ様、宣戦布告に辺り 要求が有るのでは有りませんか? ほら、理由とか」

 

「諸々要約しますが、理由は 『 リューネが気に入らない 』 から、要求は『 無血開城すれば 命までは取らない』 と言った所でしょうか?」

 

「・・・馬鹿にしてます?」

 

「どれほど自信が有るのかは 僕には理解出来ませんが、馬鹿だと思います」

 

 

そういえばユキヤに聞いていない事があった事に気が付き尋ねると、ユキヤが淡々と質問に答えてくれるが、要約の内容が酷すぎる

 

多分、ユキヤの悪意が介入していない事が理解出来たので、これを送ってきたバルマバラッドの王は余程の馬鹿だと思う

 

 

「バルマバラッドが欲しいのは鉱石・石材以外の資源、主に食糧品や木材等でしょう、北のノースイットは寒冷地で食糧系資源に乏しいですから輸入は難しいし 吾妻(あずま)はリューネの同盟国ですから」

 

「バルマバラッドは乾燥砂漠地帯で作物が育ち難い、慢性的に食糧が不足していると聞くしな? 貿易で外から食物を輸入しているらしいが、民を満足させられる程ではない」

 

「加えて先の戦の折、バルマバラットはノースイットの侵攻を此方に報告せず 素通りさせた前科があります、皆さんも聞き及んでいるかとは思いますが バルマバラットは民に重税を課し、男は徴兵 女子供は慰み者となっているそうです、処刑など当たり前 敵対するものは全て殺す、対して 王族は裕福な暮らしをしているそうです そんな国がリューネへ宣戦布告しているのです、バルマバラッドはリューネを食い荒らそうとしています」

 

 

ユキヤは怒りを通り越して呆れた様な声色で淡々と続きを喋り、ナズナと共に21貴族当主を一瞥する

 

 

「我が忠臣たる21貴族当主等に問う、戦って生きる か 貪られて死ぬか、どちらが良い?」

 

「僕は戦うに1票を、交渉の余地は有りません」

 

「では、私も抗戦に1票を、これ程までに嘗められては交渉も何もありませんから」

 

 

ナズナの良く通る良い声で21貴族当主へ尋ねると、ユキヤが冷静な表情でナズナの問いに答え、ベルファさんが静かにキレながら続く なんだか圧がスゲェや

 

それから満場一致でバルマバラッドとの開戦が可決され

 

 

「皆、良く決断してくれた 主戦場である国境線に隣接しているのはトンプソン家だ、各位は兵を編成して出兵してくれ、ユキヤ 猶予は どれぐらいある? 」

 

「トンプソンの砦は強固ですし、物資も常時潤沢に集めているので1ヶ月は余裕で持つでしょうが、人員に関しては早ければ早い程に良いですね」

 

「そうか・・・」

 

「ナズナ殿下、意見具申の許可を」

 

「ん? カヅキ、どうした?」

 

 

ナズナは21貴族当主を一瞥して言い 出兵の準備をする様に言い ユキヤへ尋ねて猶予が どの程度か尋ねるのを見て声を掛け

 

 

「用意が出来た方から 私が転移門でトンプソンまで送りましょう」

 

「確かに お前の転移門ならば即日可能だろうが・・・負担がデカすぎるだろう?」

 

「そうだぜカヅキちゃん、1人 2人なら兎も角、数千人規模での輸送になる、幾らカヅキちゃん とはいえ 命を削りかねない!」

 

「大丈夫ですよ、ね? お義父(とう)様?」

 

 

今取れる最善手をナズナへ告げると、心配そうにナズナが言い チャールが焦った様子で止めてくる、やっぱ良い奴だなチャール

 

2人に大丈夫と言いベルファさんへ話を振ると2人はベルファさん の方へ向く

 

 

「やれやれ 私に振らないで欲しいのですが・・・ナズナ殿下、テレジア候、カヅキなら大丈夫ですよ? 何せチカラが強過ぎて普段は封印術や枷を嵌めて制限していますから」

 

「なに? そんな事知らないぞ?」

 

「それはそうでしょう、教えていませんからね? 普段 制限された状態でもリューネ中を転移門で移動出来るカヅキです、全力では? 」

 

「・・・なるほど、理解した」

 

 

ベルファさんは肩をすくめてから真面目な表情になり言うと、ナズナは眉を細めるが、ベルファさんは意に介さず説明しナズナは納得する

 

 

「カヅキに準備出来た家から出兵させる、食糧等もカヅキに手伝わせる、とにかく兵をトンプソンへ送れ、良いな!」

 

「ありがとうございます ナズナ殿下、加えまして テスタロッサ 及び テレジア 両家 合同開発した新兵器の使用の許可を」

 

「・・・分かった、使用を許可する 戦果を期待しているからな?」

 

「貴方様の期待に沿える戦果を、お約束します」

 

 

ナズナの指示で方針が決まった所で、私は新兵器使用の許可を申請し 許可を得て、ベルファさん と チャールへ目配せすると 静かに頷いていたので、私の言葉を理解してくれている様だ

 

さてさて、どの程度の戦果になるかな? 楽しみだ

 

 

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