それから良識ある
いやはや、ベルナール家当主のカルデラとヴァリエール家当主のユリウス、あとジルベルト家当主のハリトンを中心に猛反対だったな、マジで下心とか そんなの無しで心配していってくれてて、説得が大変だった いや ありがたいけどさ?
とても良い おじさん達の
「ふぅ・・・良識があり過ぎるのも厄介だなぁ」
「ははは、カルデラもユリウスもハリトンも お前を気に入っている見たいだしな? 仕方ない事だろう」
「私は普通の事をしたに過ぎないんだけど?」
「それは お前の認識間違いだカヅキ」
「えぇ? そうかなぁ」
凝った身体を伸ばしつつ呟くと、ナズナが隣に立って言う 幸い 周りに人影が見えないので素でナズナへ返すと、軽くツッコミが入ってきた 無念
「さてと、んじゃ バカタレを捕まえに行ってくるよ ナズナ」
「あぁ、お前なら大丈夫だと思うが 気をつけてな? カヅキ」
「うん、ありがとう。行ってきます」
分身を全て回収し9尾へと戻ると、転生直後よりチカラが漲る感じがする この辺りはレベルが上がった恩恵の様だ
そんな事を考えつつナズナにハグをして頬へキスをし、身を翻して城壁から飛び降りて行動を開始する
「くふふ、ナズナの驚いた
何事もなく着地した私は影狼を造り跨って愚王の居るバルマバラッドの首都へと向かいながら呟く
いやぁ たまには不意打ちをするのも悪くないなぁ、良い表情が見れたからね
「さ、行こうじゃないか。待っていろよ? 愚王」
小柄な私が1時間掛けた道のりを数分で関所まで走り、影を用いて門を抜けて バルマバラッドの領域へ侵入する
「この辺りは まだ緑があるか、まぁ当たり前か リューネの端っこと迷いの森の近くだもんな」
独り言を呟きつつ索敵の為に飛ばしたままの鴉からの映像を確認し、バルマバラッド兵が居ない場所に進路を取る
当たり前だが、私が単騎で首都へカチコミをかける都合上、姿を見られる訳にはいかない 見つかって愚王に連絡なんてされたら 面倒くさいからね
「よし、急速潜航」
鴉で索敵しながら影狼で影へ潜航して進む、これなら発見されるリスクは少ない筈なので、最善手と言えるだろう
そんな訳で影を潜航しホーム画面の検索機能で世界地図を見てバルマバラッド首都へマーカーを置き、それに向けてひたすら移動する事 3日、漸く 首都へ侵入する事が出来た
「案外 寝なくても平気なんだな、私」
極東風な建物が並ぶ首都の裏路地に顔を出しつつ呟き周囲を確認する、時刻は夜 8時頃 首都と言うが 全く活気が無いし人の声が 殆どしない
「これほどとはな」
重税を課しているらしい とナズナが言っていたが、これほど までとは予想外だった、幾ら重税を課しているとはいえ 首都は ある程度の富を集めている筈なので、散財する者が居て多少は栄える筈なのだが、馬鹿騒ぎするバカの声が聞こえない、つまり それほどまでに国が疲弊している と言う訳だ
「ま、暗闇は私の領域、さっさと愚王を捕まえて帰ろう」
インベントリから黒の外套を取り出して纏い、顔を隠す為に狐面を装着して愚王の居るであろう城へと足音を消して走る
やはり人影を見る事も無く城の間近まで来る事が出来たので、建物の陰に身を潜ませながら鴉を使い、索敵をして隙をついて侵入し様子を伺う
「さて、愚王は何処に居るかな? 」
持ち前のコンパクトボディを活かして植え込みに埋まり、次の作戦を考える
私の目的はあくまでも愚王を含む私腹を肥やすバカタレ共を捕縛し反省させて、腹を召させてケジメを着けさせる事 必要最低限の被害で留めたい
まぁ、これだけ警備がザルなら どうにでもなるか と思い、城内に侵入して巡回する兵士をやり過ごしたりしステルスミッションを遂行する
やはり処刑し過ぎたのか、明らかに巡回する兵士の数が少ないし、部屋前を警備する兵士の数も少ない、それに練度というか質も良くない
ただ決められた道を歩いて回っている つもりの巡回兵をやり過ごし 玉座の間らしき場所に侵入すると、うすら笑みを浮かべ玉座に頬杖をついて座るアジアン風の服装に くすんだ金髪をした若い男と、側近らしき初老の男が会話をしているのを発見して聞き耳を立てると、それはもうクソみたいな会話をしていたので、標的である事が確定し 騒がれても面倒なので 一気に肉薄しアイデースで捕縛を敢行するが、側近は問題無く影に沈んで行ったが、愚王の方はアイデースが弾け飛んでしまった
なんだ今のは? こんな事、初めてだぞ? レジストされた? 私の魔法が? あり得ない、9つある封印の5番まで解放している状態の私の魔法をレジストするなんて、普通は出来ない・・・まさか、この愚王は転生者?
転生者ならば、私の魔法をレジストする事は可能だ、何せ源流は同じ場所からもらったチカラだからね
ともあれ、これは気を引き締めなきゃね