ナズナの専属護衛をしていたからアキカとは何度も顔を合わせているが、会話なんて数回しかした事がない、と言うか兄であるナズナと会話をしている所すら数回しか見た事がない、無口と言うか口数が少ない子なアキカが、そっと私の方へ寄ってきて ハルトと共に私の尻尾をモフり出すが、まぁ気にする事でも無いから良いか とか考え、そのまま お茶会(仮)を続けてベアトリーチェと友好を深める
そんなこんなで 去年に引き続きナズナに諸々を丸投げした結果、私は暇になってしまった為 ハルトの遊び相手をする事となり 絵本を読んだり 尻尾をモフらせたり 尻尾を枕に昼寝をさせたり そこにアキカが加わったりして残りの夏休みを過ごす、これも悪くない休暇の過ごし方だなぁ うん
そんな愉快な夏休みが終わり、私達はダールベルグ学園へと戻る訳だけど、ハルトに加えてアキカからも引き留めが入って 少々 説得が大変だった
「まさかハルト様だけではなく、アキカ様にまで懐かれるとは」
「あのアキカが懐くとはな? カヅキ、快挙だぞ?」
「えぇ? いやいや、まさか」
ナズナ専用馬車に乗り学園へと向かう車内で 先程あった事を呟くとナズナが謎の賞賛?を送ってきたので否定しておく、なんだ? 快挙って
ウンウン 頷いてるルルとブリジットは何なんだ?
「アキカは知っての通り 口数が極端な程 少ない、元々 本人の気質もあると思うが 王族をしていると、人間の汚い部分に触れる事が多くなる訳だが、エルフの血が そう言う物を感知してしまう だからアキカは基本的に両親と俺・ユキヤ そして同母の弟であるハルトにしか心を開かないんだ」
「そう、なんですね?」
「あぁ 異母キョウダイである後宮王子・姫とマトモに会話すらしないアキカが、自分の意思で お前に懐いて 引き留めた事が正しく奇跡なんだよ」
「カヅキさんはピンと来ていない様ですけど、私も親衛隊に入って結構経ちますが、アキカ殿下と会話した事なんて1度もありません」
「私も3年ぐらい親衛隊に居ますけど、1度 有るかな? ぐらいですよ? しかも一言 『 ん 』だけ」
なんだかよく分からないが、アキカに懐かれる事は ナズナ達の中では奇跡扱いらしい
確かにアキカは無口だが、キチンと接すればキチンと応えてくれるのだけどな? でも読書好きとしては 共感する所が有ったからか? アキカは結構センスの良い物を読んでいて、かなり仲良くなれたと思う
そんな謎の賞賛?を受けて複雑な気持ちになりつつ馬車は進み、転移門を使いショートカットしダールベルグ学園へと到着し、ルルとブリジットが先に降り周辺を確認してナズナが降りて私をエスコートしてくれる、私の婚約者は やはりイケメンじゃなかろうか?
「お姉様 ご無事でなによりです」
「お姉様の勇姿、我が領にも届いておりましたわ!」
「お姉様、おかえりなさいませ」
「おや? これは予想外だったな カヅキ?」
「えぇ 本当に、これは完全に予想外です」
馬車を降りて寮へと向かう道へ目を向けると、アンが結成した 私のファンクラブの会員が整列して私を称賛する言葉を投げかけていて、想定外の光景に少し困惑していると
「お姉様、今回の ご活躍
「そんな つもりは無かったのですが、結果的には そうなってしまいましたね? 私は ただ 無駄な戦争を早期に決着させたかっただけなのですが」
「ふふ、お姉様らしいですわ」
「カヅキらしいな? そこに含みが無いのが またな?」
「えぇ、本当に そうですわね? ナズナ殿下」
ファンクラブ構成員の中から会長のアンが出て来て言ったので、謙遜も何もなく本心で言うと、彼女は笑み ナズナの相槌に同調する
戦争なんて資源の無駄遣いでしか無い、有限の資源を効率的に有効活用する事こそが正しい行いだと思うしね?
別に私は自分が偉いとは思っていない、しかしチカラを持つ者としての責任は果たさないといけないとは思っている
だから、私は己が出来る事を出来る範囲でやっている、それだけだ
正直、これ以上の金も地位も興味が無いしね?
やるべき事に必要だなら金を稼ぎ、そして使う それで良い
「アン、貴方様? 私を褒めても 何もでませんよ?」
「別に事実確認をしただけだろう? なぁ? アン」
「そうですわね? ナズナ殿下」
「何気に お2人は仲が良いですよね?」
「そうか? 自分の婚約者の友人だぞ? 普通じゃないか? 」
「ナズナ殿下は お姉様の ご婚約者様、おなじく お姉様を 推す者として 意気投合するのは必然だと思います 」
「あ、はい」
あまり手放しに称賛されたり、褒めても身体がムズムズしてしまうので ナズナとアンへ やんわり と止める様に促すが、本人達には伝わっていないらしく 2人は顔を見合わせて キョトンてして言い、話を逸らす為に 仕掛けてみたが 余計 悪化する結果となった
あとルルとブリジットは、なんでウンウンと頷いているんだ? 止めてくれても構わないんだよ? いや、本当に
いや、まぁ好いてくれる事は 確かに有り難い事だが、やはり むず痒い気持ちになってしまうので、自重をして欲しくはあるんだよなぁ まぁ言っても聞いてはくれないだろうけど