そんなこんな賞賛の嵐で全身むず痒い気持ちになってしまったが、どうにか話しを終息させて切り抜ける
なんだかナズナがニヤニヤしていて、少し癇に障った為 報復として本格スパイシーカレーを夕食に作って出してやると、汗を流しながら食べていた 因みに私は普通に好きだし 体温調節能力が高いので涼しい表情で食べれた、あとマイルドカレーをルルとブリジットに振る舞うと とても喜んでくれたので、良かった
そんな訳で いつもの様に
夏休み前までは、自分がナズナの婚約者へ成れない事への嫉妬や敵意を孕む視線が多かったが、今は随時と減り 代わりにファンクラブ構成員からの挨拶が飛んでくるので返しておく、挨拶を返すのは人として当然だしね?
にしても、バルマバラッドとの戦争から約半月しか経過していないが、ここまで あからさまに 敵意を向ける人間が減るとは 予想外だった
未だ 政治に疎い私からすると、もう少し色々と仕掛けてくるかな? と思っていたが・・・そんな気概は無い連中ばかりの様だ、まぁくだらない政戦に精を出すよりはマシだけども
なんやかんやで教室へ到着して自席へ荷物を置くと
「おはようカヅキちゃん! 無事で良かった!! 怪我してない? 大丈夫?」
「ロゼ? おはようございます、無傷ですから 落ち着いてください」
「ロゼ、無闇矢鱈に 俺の可愛い婚約者の身体を撫で回さないで貰えるか? 思わず嫉妬に駆られてしまいそうだ」
「ごごごご ごめんなさい!! で、でも 僕 カヅキちゃんが心配で・・・」
「分かっていますよ ロゼ、ね? 貴方様?」
「あぁもちろん 分かっているさ、だが 友達とはいえ 愛する婚約者を撫で回されては良い気がしない事は分かって欲しい」
「はい!!」
「ふふふ、あらあら」
先に登校してクラスメイトと会話をしていたロゼが 私を発見して、見て分かるぐらい心配している表情で私達の方へやってきて、早口で心配を口にして 私の起伏が少ない身体を撫で回す、気持ちは分かるし 有り難いが 撫で回されると少しくすぐったいので遠慮してほしい
そんな事を考えていると、ナズナがロゼへ苦言を呈すると ロゼはあからさまに狼狽して直立不動の体勢になり、震えた声で返事をする どうやら まだナズナの事は苦手な様だ
ロゼには少し悪い気もするが、ナズナからの独占欲を感じて悪い気持ちにはならないので許して欲しい
「と、とりあえず カヅキちゃんが無傷で良かった、カヅキちゃんが怪我なんてしたら 僕、冷静でいられる自信・・・ないから」
「お気持ちは嬉しいですが、落ち着いてください ロゼ」
「でも、カヅキちゃんは 僕の恩人で 大切な友達だよ? それにリューネにはカヅキちゃん みたいな人が必要だもん」
「よくわかっているなロゼ、お前がヴァリエール家 当主になる事が楽しみだ。 お前は 俺ではなく カヅキに忠を尽くしてくれるからな」
「殿下? それは・・・良いのですか?」
アワアワとしながらロゼは眼のハイライトを消して言う、私にとっては大したことない事をしたが、ロゼには違うらしく 彼の想いは本物らしい
まさに忠誠心、その類いなのだろう 多分 そんなロゼにナズナは満足そうに言い ウンウンと頷き、ロゼは困惑した様子で尋ねる
「もちろんだ、俺は器用な男ではない 間違える事もあるだろう、その時 俺の味方ではなく、カヅキの味方をしてくれる人間ならば 俺の意に反して引き留めてくれるだろう? カヅキは国の為に色々考えてくれるしな?」
「それは・・・確かに理にかなっては、いる?」
「要は太鼓持ちは要らないって話ですね? 貴方様」
「そう言う事だ、俺が欲しい人材は 絶対 俺の味方をする人間ではなく、共に国を良く豊かにする事を目的とする人間だ、時に反する事も有るだろうが構わない、より豊かな国が築けるならばな」
「なら、俺も一肌脱ぎますよ ナズナ殿下」
「チャール」
ナズナはロゼを見据えて言う、その眼には一切の曇りはない
ナズナは良い国王になるだろう、その信念を突き通せる様に私が支えなければならない、そんな事を考えていると ナズナの演説?を聞いたチャールが名乗りを上げる
「もちろん 俺はナズナ殿下に忠誠を誓っていますけど、絶対的に味方をするつもりは有りません、カヅキちゃん も恩人ですしね」
「チャール、頼むぞ? 俺は お前も信用しているからな?」
「任せてください」
そんなやり取りを見て、とりあえずナズナが信用する忠臣が2人出来た事を喜んでおこう
「ま、それはそれとして・・・今回はド派手に活躍したね? カヅキちゃん、ウチの大亀の件 すんごい助かった」
「いえいえ、ギルドの仕事ですから問題有りません・・・あ」
「ん? どしたん? 」
「報告書の提出を忘れていましたね、少し失礼」
チャールに
いやはや、私とした事がウッカリしていたなぁ