アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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228話 王暦507年度 学園祭 前日譚

 

 

中断していた称号持ち会議も無事に終了し、会議室前で待機していたルルとブリジットと合流して4人でクロエがオススメしてくれた店で昼食を取ったが、なかなか良い料理を出す店だった クロエはセンスがあるらしい

 

そんな訳で、護衛2名を伴いデート(仮)をして満足いく休日を過ごす事ができ ご機嫌な月曜日を迎えたのだが、登校すると私宛の手紙が机の上に置かれていて、一旦 訝しみつつ観察してみる

 

 

「これは・・・生徒会長からの お手紙ですね」

 

生徒会長(セレスティア)からの? 珍しいな」

 

「ですね? 何か困り事でしょうか?」

 

「どうだろうな? セレスティアも お前のファンクラブ会員だからな」

 

「読んでみましょうか」

 

「あぁ」

 

 

自席に座り 念の為に鑑定の魔法を使い 安全か確認してから手に取って宛名と差出人の名前を確かめて呟くと、ナズナが私の呟きに反応する

 

今、ナズナが落ち着いているのは 生徒会長がセレスティアと言う名前の女子生徒で、私のファンクラブ会員な為 私へ危害を加える存在では無いからだろう、差出人が男子生徒だったら もっとナズナが警戒していた筈だ

 

そんな訳で、セレスティアからの手紙の内容を確認する為に開封して中身を目視する

 

 

「ふむ、要約すると 学園祭の催し物についての相談、と言う訳ですね」

 

「自分勝手の自己中だった先代生徒会長(ライオット)と違い、キチンと 手順を踏んでいるのは評価出来るな? 」

 

「そうですね? 」

 

 

手紙の内容を隅々まで読んで要約すると 私に学園祭での催し物の相談が有るらしく 放課後に生徒会室へ来て欲しいと言う事だったのだが 既に学園を卒業して去っている先代生徒会長 ライオット・アズールの名前が出てくる

 

アレは本当にダメな奴だった、一時的に大金を稼ぐ才能はあるが 長い目で見て恒久的に利益を稼ぐ才能は無かったと判断せざるを得ない

 

ライオットの様に人を金を稼ぐ為の道具としか考えない者は、長になる素質はない、商会の中でも低い位置で働くぐらいが丁度良い程度のバカだ

 

商売とは、目先の利益だけを見るのでは無く 後々の事まで考えるモノだ 人を大切にする事ができれば、困ったときに必ず助けてくれる人が現れる 情けは人の為ならず と言う諺の通りになるのだから

 

ライオットが商会の長になるならば、アズール商会は いずれ 廃業するだろう、私の事を気に入らないみたいだし 人心掌握も下手だし うん

 

そう言う訳で、放課後に生徒会長室へ向かう事になり リリウムに尻尾をモフられたり 吸われたり、チャールも加えて雑談をしたり 真面目に授業を受けたりして放課後まで過ごす

 

 

「生徒会室まで初めてきました」

 

「俺もだ、学園長室や職員室が1階、2階に生徒会室が有るからな」

 

「普段 授業を受ける教室の有る区域や訓練所もコチラ側には無いですからね」

 

「食堂も逆サイドですし」

 

 

それなりに広い学園内を移動して、私は豪華な装飾のされ生徒会室とプレートが付いている扉の前で呟くと、ナズナ・ルル・ブリジットの順に相槌を打ってくる

 

生徒会室の有る区画には 殆ど来ないので、少し新鮮な気持ちになる 不思議

 

 

「では入りましょうか」

 

「あ、カヅキさん 私がしますから 一旦下がってください」

 

「え? あ、はい」

 

 

扉をノックして入室しようとしたらブリジットに止められたので、大人しく位置を代わり彼女の後ろへ立つと、ブリジットが扉をノックして先に入室して中を確認し、私とナズナを中に入れ ルルが扉を閉める

 

大概の状況では私が どうにでも出来るが、護衛するのがルルとブリジットの仕事なので、私は大人しくして2人に護衛の仕事をしてもらおう

 

 

「カヅキお姉様、ナズナ殿下、不躾な お呼び出しに応じて頂き 感謝の念に絶えません、ありがとうございます」

 

「いえいえ、構いませんよ? 」

 

「カヅキの言う通りだ、先代生徒会長と違いキチンと弁えているしな?」

 

「寛大なるお言葉、感謝致します」

 

 

生徒会長席に座っていたライトグリーン色の髪をした少女が立ち上がり 私達へ頭を下げてきたので、大丈夫と告げる 本当にライオットと違って礼儀がしっかりしているなぁ

 

 

「急かす様で恐縮ですが、学園祭での催し物で私に相談がある との事でしたが?」

 

「はい、実は お姉様へお願いしたい事が有るのです」

 

「お願い、ですか?」

 

 

腰の低いセレスティアに相談の内容を尋ねると、姿勢正しく私を真っ直ぐ見据え答えてくる、彼女の言う お願いの内容によって は私の一存では決められない事も有るので、少し警戒する

 

 

「単刀直入に、去年 ライオット・アズール(バカタレ)が企画した焼き増しになってしまいますが、大好評だった為 今年も歌唱大会を開催する事になりまして、お姉様に 是非 ご参加して頂きたく」

 

「歌唱大会に、ですか? 私が?」

 

「ふむ、悪くないんじゃないか? カヅキは良い声をしているしな」

 

「私も良いと思います」

 

「私も同意です、ハルト様の お相手をしている時にオルガンを弾きながら歌っていたのが、凄く良かったので!!」

 

「そういえば、良い歌声だったな」

 

「お姉様、ぜひ お願い致します!!」

 

 

セレスティアは真剣な表情をして私へ言い、それを聴いていた3名が好きずきに言い始める

 

いや、確かにハルトをあやす為にオルガンを弾いて歌ったりしたけど、わざわざ人様の前で披露出来るぐらいの実力では無いと思うのだが? と思うが、これは回避不能な気がしてならない

 

ナズナも乗り気だし、やるしかないか?

 

 

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