アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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23話 拾い者

 

 

影狼に跨って爆走し午後3時には目的地の街へ到着したので、直ぐに代官の元へ行くと、俺が狐獣人だからとナメられる事もなく、自分のミスを謝罪して、すぐに作業に取り掛かってくれたが、少し時間が掛かると言われ一晩 代官が用意してくれた宿で休んで翌朝 9時頃にきて欲しいと言われてしまったので、一泊する事になった

 

 

転生して久しいけど獣人だからと差別的な対応はされてないので、多分 俺の勝手な先入観だろう、うん

 

まぁ、珍しいモノを見る眼では、見られたりするが尻尾が7本も有ったら、そりゃ珍しくて見るから仕方ない

 

それに なんか普通に出会う人、出会う人、良い人ばかりだし。まぁ盗賊とか犯罪者以外は、だけど

 

そんな訳で代官が用意してくれた宿で寛いだり、食事所で食事をしたら そんな若いのに偉いな みたいな感じで酒を呑んで出来上がってるオッサンに褒められたりしたが、愛想笑いで誤魔化しておいた

 

 

そんなこんなで翌朝に代官の所へ出向くと、どうやら徹夜作業だった様で少しやつれた代官から書類を受け取り、労って帰路を再び影狼に跨って掛け出し暫くしてなんだか、良くない事が起こる匂いを感じる

 

 

「・・・盗賊? 割と街に近いけどな・・・いや、違うな多分」

 

俺に不運が降り注ぐのではなく、罪なき民が害されるタイプの良くない事が起こる事を感知して、少し遠回りになるが最短では無い方の分かれ道を選択して影狼を走らせる

 

「よし、マップに反映したな・・・暗殺か?」

 

 

襲撃犯と迎撃している人々の動きを見るに、そこそこの手練れだろうと判断して、外套を深く被り防御を固めてから敢えて道を外れて森林の中に入りショートカットし、ストレージから能力開発の時に自作した直刀 黒刀 ツッカーを取り出し、俺に気付いて居ない賊に影狼で一撃与え皮鎧に守られていない腕に刃を突き立て捻り武器を持てなくする、少し手間だが後で尋問出来るから頑張るしかない

 

 

「助太刀する、私はテスタロッサ領 領主 ベルファ・テスタロッサの使用人だ! 抵抗すれば死より絶大な苦痛を与えるぞ!」

 

「餓鬼が増えたぐらいで!! やれ!」

 

「忠告はしたならな?」

 

俺は目の前の賊を見て溜め息を吐き、影狼を追加で3体生成して迎撃に向かわせ、先頭の下っ端の剣をスウェーで避けて隙だらけの肩・膝の順番で刃を入れ捻って無力化して、アイデースに沈めて確保する

 

 

そんな感じで賊は善戦していたが、俺が参戦した事で総崩れしてあえなく全滅し、死体も含めて俺がアイデースで回収しておき、襲撃されていた被害者一団のリーダーらしき金髪の少年へ声をかける

 

「無事ですか?」

 

「あぁ助太刀のお陰で怪我人は居ても死亡者は まだ出ていない・・・だが、重症が何名か居て このままでは危ない、移動させるにも馬車の車輪も馬もやられてしまって動かすに動かせない、よりによって治癒術師が死に掛けてるとはな・・・」

 

そう言うと彼は少し悔しそうにしている、悪い人間では無さそうだな

 

助太刀したのに死人が出たら、俺としても不本意なので

 

「私が治療しましょう、すぐに案内してください。ハリーハリーハリー」

 

「お、おぉ、こっちだ」

 

 

リーダーを急かして移動すると、そりゃ見事にバッサリと袈裟斬りされている女性や鳩尾ど真ん中を貫かれてる女性、右腕を切り落とされている女性等が、仲間の女性に励まされたり止血をされたりしていた

 

なんで女性しか居ないんだ? とかおもったが、今は そんな些細な事は無視して

 

「1人ずつだと時間が足りないな・・・ふぅ・・・第1封印、リリース」

 

魔法出力を1段階上げる為にリミッターの1番を限定解除してリソースを確保して、光の治癒魔法を使い この場にいる全ての者を治癒すると、先程まで悲壮感タップリだった彼女達がキョトンとして、塞がった傷や生えた腕を見て喜びの声を上げる

 

それを見ながら俺は限定解除したリミッター1番を再度封をして一息つく

 

 

肉体的には然程も疲れていないが、精神的に疲れたので影狼に組体操させて簡易ソファにし座る

 

 

「これほどの治癒術が使えるとは・・・凄いな」

 

「いやいや、それほどでも。あぁ貴方も座りますか? 座り心地は悪くないですよ」

 

「いや、俺は大丈夫だ」

 

「そうですか?」

 

まぁ確かに、賊を蹂躙した狼に座るのは怖いか、と判断し無理には勧める事をせずにしておく

 

被害者一団の人数が人数だから、移動に馬車は必須だろうけどリーダーが言っていた様に馬は逃げていないし、馬車の車輪は壊れている

 

怪我人の怪我は完治しているが、失った血液は戻らないので、やはり輸送には馬車が必要、しかし俺は俺で夕方までにテスタロッサ家に戻らないといけない、だから彼等の面倒を見ている暇は無い、無いけど・・・見捨てる訳にも行かない

 

「・・・仕方ない、緊急事態だから、うん仕方ない」

 

「なんだ? どうした?」

 

「貴方達の目的地が何処かは分かりませんが、一度テスタロッサ家へ保護します。黙って従って下さい」

 

「あ、あぁ・・・従おう」

 

 

俺は異論は認めない、と言う態度でリーダーへ言い、狐耳飾りに付与された通話機能を使いセンセイへ連絡を取る

 

面倒ごとの匂いがするが、仕方ない、うん仕方ない

 

 

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