狐耳飾りへ魔力を流して通信機能を起動してセンセイに通信繋ぐ
『問題ですか、何が有りました』
「件の指令の帰路にて、賊に襲われている一団を感知し救出したのですが、負傷者多数に付き救援を要請したいのですが」
『人数は』
「男性1名、女性が20名程、内10名程が重症で私が治療しているので命に別状はないですが、自力での移動は不可能。馬は死亡 または逃走しています、馬車もありますが爆発物を使われた様で車輪が破損しています」
『男女比率が・・・カヅキ、2尾分身とリンクしたのち 馬車に描かれた家紋を紙に転写なさい』
「え? わかりました」
通信中、リーダーが俺を訝しんだ様子で見てきて やり辛いので背中を向けてセンセイに救援要請と状況説明をすると、センセイは何か気になる事があった様で、俺に指示を出して来たので2尾分身を自律稼働から遠隔稼働へ切り替えて馬車の家紋を2尾分身で紙へ転写してセンセイに提出し、リミッターが掛かった状態だと距離が離れてて疲れるので、再び自律稼働へ切り替える
『なるほど、これは少し厄介な事になりましたね』
「え? 何かしてしまいましたか?」
『いえ、貴女は素晴らしい事をしましたよカヅキ、詳しくは戻ってからにしましょう。カヅキ、緊急事態につき3番までリリースして転移門を作成しなさい』
「分かりました、なら運搬も私でしますのて受け入れ準備だけお願いします」
『では、その様に。受け入れ先は 広間に』
「はい、広間に」
センセイが不穏な事を言うので、少し不安になり 思わず聞き返すが なんか誤魔化されてしまい、指示を出されたので従うほかない
確かに今ダラダラと長話してる場合でもないしね、うん
「お待たせしました、メイド長へ受け入れ準備をお願いしたので、ご安心を」
「あ、あぁ、それは助かるが・・・」
「大丈夫ですよ、すぐに清潔なベッドへ ご案内しますから」
「は? どう言う?」
広場へセンセイと共に2尾分身が待機したのを第六感で察知した俺は、リーダーから少し離れてリミッターの3番までリリースして影を使い転移門を作り出して、アイデースの腕を使い負傷者と動かせない馬車を持ち上げて転移門の中へ入れて、センセイの元へ輸送し
「ご遠慮せずに、向こうはテスタロッサ家の広場になっています」
「な、なんだと?! 転移門なのか? お前、単独で転移門を作れると?」
「まずは移動を、燃費が悪いので」
リーダーはなんだかキャラ崩壊しながら掴みかかって来そうな勢いで、俺に尋ねてきたが、今 その時じゃないと暗に言うと 少し落ち着いた様子になり、素直に従い
「残りの者も転移門を潜りテスタロッサ家へ、後の事は 着いてからだ」
「「御意」」
と残りの人達に指示を出して転移門を潜らせ、リーダーも潜ったのを確認してから、周りに残りが居ないか念入りに確認して、俺も転移門を潜り広場に出て直ぐに転移門を解除して、リミッターを再度閉める
「ご苦労様ですカヅキ、貴女は良くやってくれました」
「いえ、当たり前の事をしただけです」
「貴女は本当に良い子に育ちましたね、私も嬉しいです」
センセイの指示で待機していたであろう使用人が、負傷者をアイデースから受け取り担架に乗せて丁重に輸送していくのを横目に、センセイに話しかけられたので、答えると 頭まで被っていたマントを取り 俺の頭を撫で始める、なんか俺に甘いよな〜センセイ
「では殿下、旦那様がお話を伺いたいそうです、ご同行願います」
「あぁ、保護されて黙秘とも行かんだろうしな、同行しよう」
「ではカヅキも来てください、2尾は 此処で私の代理で指揮を」
「「はい、センセイ」」
センセイが なんか今、リーダーを殿下って呼んだけど、リーダーが王子様って事か?
そういや、馬車の家紋が王家のモノだった気もするわ
とりあえずリーダー 改め 殿下が俺と2尾分身を見て双子か? みたいな表情してるけど、説明する義理も義務も無いから気付かないフリをしておこう
そんなこんなセンセイを先頭にベルファさんのいる応接間へやってきて入室すると、いつも胡散臭い柔らかい笑みを浮かべている彼が真顔で窓を背に立っていて、こりゃ俺の予想よりヤバい事になってると確信する
「まずは ご無事で何よりです、ナズナ君」
「あぁ、お前の使用人のお陰で俺は無傷だし、親衛隊も死亡者ゼロだ。感謝する」
「死亡ゼロですか、やりますねカヅキ」
「いえ、助太刀して死なれたら目覚めが悪いので」
「面白いな、お前」
領主のベルファさんは殿下 改め ナズナと顔見知りだった様で、そんな会話をして 俺に話を振ってきたので謙遜なく言うと、ナズナが そんな事を言う
やめろナズナ、なんだ そのベタなラブコメの初邂逅の場面のセリフは、俺は お前と恋愛したいと思ってないぞ
「ベルファ様、ご用命の書類です」
「ご苦労様でしたカヅキ、助かりましたよ」
俺は話をぶった斬る為に、元々仕事として請け負っていた書類をベルファさんへ渡すと、彼は いつもの胡散臭い笑みを浮べ 俺の頭を撫でる。なんか最近、撫でられる事が多いな。流行っているのかも知れない