その後、同じ作業を3回繰り返し 私が魔力充填を担当している都合で私達のクラスが最後になってしまったが、私が悪い訳では無いので許して欲しい、赦されよ 赦されよ
そんな訳でカーンにより招集された我がクラスの級友と共に転移魔法陣の上に乗ると、キラキラと輝き始めて視界が白飛びし身体中をゾワッとした感覚が走り
「ふむ、やはりダメだったか」
「ダメでしたね、ブリジットさん 毛繕い お願いします」
「はいはーい」
犬ドリルをしていると、ナズナが苦笑しながら私の頭を撫でて言ってきたので端的に言い、ブリジットに膨らんだ尻尾の毛繕いをお願いすると 慣れたモノで軽い調子で返事をして、尻尾専用の つげ櫛で毛繕いを開始する
「カヅキちゃん、大丈夫? なんか凄いブルンブルン身体震わせてたけど」
「大丈夫ですよリリウムさん、転移魔法が身体に合わない様で」
「そーいや、そんな事言ってたっけ? なんか急に犬みたいになっ 痛だだだだ」
「チャール、貴方 は少し気を遣った言い方をしなさい」
「ははは、私 は犬科が入ってるので気にしなくて良いですよ」
私が犬ドリルをしている様子を見られてしまった様でリリウムに心配されてしまい、説明をするとチャールが余計な事を言いリリウムにより二の腕をつねられる折檻されて反省を促されているのを見て笑い、大丈夫と伝える
「では、クラス毎に見学する場所が違いますから、逸れない様に着いてきてくださいね〜? はい、では班毎に整列して下さい」
カーンはクラスメイトを一瞥して様子を確認してから宣言してきたので、彼の方へ向き直り カーンの指示通り班毎に整列する、因みに班には番号が振られていて その番号順に隊列を組んでいる
我がクラスは40名なので、4人の班が丁度 10出来るからキリが良い
隊列を組み終わり、それを確認したカーンが出発を宣言し歩き出したので私も前へ進みだす訳だが、此処ぞとばかりにナズナがエスコートを始める、イケメンが過ぎる そんな事を思いつつ微笑み返しておく
そんな訳で修学旅行が開始した訳だけど、道を行く人が当たり前の様に私より身長が高い人しかいないので、やはり私は相当小柄な民の様だ 無念
そんなこんなリューネと様式が異なるスェッドの建築様式に物珍しさを感じていると、カーンが止まり
「こちらの建物はスェッド国の王城になります、古代の技術で作られた物だそうで、今もそのままで現存しているのは この城だけだそうです。せっかくなので中も観せてもらえたら、と思って許可を取ろうとしたんですが、拒否されてしまったので外観だけです」
カーンが指差す先、城を見た私は乳白色の結界が張られていて それと同様のものが空にも広がっている事に気付く
建物に目が行ってて気付かなかったけど、よく見たら空の色がおかしいし良く気づかなかったな私 と軽く自嘲しつつ
「貴方様、スェッド王城を中心に王都全体を覆う結界って凄いですね」
「結界? 何の話だ? 」
「おや? 」
賢く頼れる婚約者に尋ねると、ナズナは 首を傾げて言ったので どうやら彼には認識出来ていない様で、少し見渡しクラスメイトの様子を伺ってみたが、ロゼ以外 王城を見ていたりしたので どうやら私とロゼ以外は認識出来ていない様子だった、なんと面妖な
一般的な結界は無色透明で屈折率で少々白く反射するぐらいのモノだし、そもそも王城を中心に王都全体を覆う程の大規模術式を行使するのは、かなりの大事の筈なのでもの凄い事だ
それから再び歩き始めて次は聖堂の様で、ステンドグラスや天井画や壁画が目に入る
「ここは聖女様が祈りを捧げた場所、と伝わっている大聖堂です。暗黒大陸から魔物と共に攻め入ってきた魔王との決戦前夜に、ヴェスタ神に勝利を祈ったと云われています」
「ヴェスタに祈りを? スクワットでもしたな? それともサイドチェスト?」
カーンの説明に、思わず独り言が口から滑り出してしまい、1人で軽く笑っていると
「ん? どうかしたか?」
「いえ、カーン先生の説明で『聖女が祈りを捧げた』と言っていたので、ヴェスタへの祈りは スクワットか サイドチェストかと思いまして」
「・・・すまん、何を言っているんだ? カヅキ」
1人で肩を震わせている私を不審に思ったナズナに尋ねられたので、素直に答えるとナズナは本当に理解が出来ていない様子で問い返してきた、ふむ そこからか
「ヴェスタは トレーニー つまり筋肉大好きマンで、それはそれはキレッキレのマッスルボディの持ち主なんですよ」
「えーっと・・・つまり、ヴェスタ神は筋トレが趣味だから聖女が祈りに筋トレをしていた可能性が有るって事、か?」
「その通りです、もしかしたらスクワットではなく腕立てかも知れませんけど」
「いや、流石にしていないんじゃないか?」
私の説明に、ナズナが軽く引いている雰囲気を感じるがしか無い、事実だもの
そういえば、私も こう言う場所で祈ればヴェスタと会話出来たりするのだろうか? 帰国して暇があったら検証しよう、そうしよう