アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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241話 修学旅行 1日目 でしてよ

 

 

ひとしきり笑っていると、そんな私を知る訳も無いカーンは大聖堂内を ゆっくり見る様に言い外へ出て行き 胸ポケットから愛用のタバコを取り出し咥え右の人差し指に小さい火を点しタバコに火をつける、なるほど火属性だと そんな事も出来るのか

 

 

「カヅキ? どうかしたか?」

 

「カーン先生がライターを使わずにタバコに火をつけていたので」

 

「あぁ カーンか、確かに火炎属性だと道具を使わずに火をつける事が出来るな」

 

「えぇ、少し便利だな と」

 

「はは、お前はカーン以上の事が出来るだろう?」

 

「まぁ、それはそうですが」

 

 

紫煙を吐き出しているカーンを見ているとナズナに声をかけられたので答えると、彼は笑いながら私の頭を撫でて言う

 

確かに私はカーン以上の色々が出来るが、実際 便利だな と思ったのは事実なのである

 

そんな訳でスェッド到着から ずっと毛繕いを続けてくれていたブリジットの活躍で私の尻尾が通常モードへ戻り、6人で壁画を眺める

 

 

「どうやら 魔王と聖女の戦いの歴史を描いている様だな」

 

「聖女召喚から始まり、正位置に聖女の祈りを記したステンドグラス、そして魔王との決着と?」

 

「聖女の 送還? かしら?」

 

「この辺りの解釈は、研究家の間でも意見が分かれているらしい」

 

「ふむふむふむ」

 

 

ナズナの呟きに私が続きリリウムが呟くとチャールが補足をする、本当 賢いチャラ男だよ、チャール

 

 

「チャール君、解釈が分かれているとは?」

 

「聖女が異世界からヴェスタ神によりスェッドへ遣わされた事は研究家の間でも意見統一されている訳だけど、魔王討伐後の聖女の行方で意見が分かれているのさ」

 

「つまり?」

 

「聖女が 元の世界に帰った説 と スェッドに残って余生を過ごした説が、あるって訳」

 

「なるほど」

 

 

私がチャールへ疑問を投げかけると、彼は前提条件から説明し前置きをしっかりしてから本題の説明をしてくれる

 

なるほど、壁画には送還されている様子だけど 歴史研究家の中には違う解釈をしている人もいる訳だね

 

確かに、こう言う壁画って少々誇張している事も有るだろうからね、うん

 

 

「チャール君は、どう思いますか?」

 

「俺? 俺は・・・聖女は元の世界に帰っていると思う、スェッドはヴェスタ神教の総本山、仮に聖女が役目を終えて余生を過ごしていたとして、記録に残って無さすぎる。だから主流である 聖女は元の世界へ帰った と思う」

 

「なるほど、救国の英雄ですからね? 人の為に魔王と戦争をした となれば、余程のお人よし でしょうから そんな人が記録に残らない様に隠居生活を送る筈がない、と」

 

「その通り、それに聖女の子孫を名乗る一族も居ないしね」

 

「ふむ、確かに一理ありますね」

 

 

私はチャールに尋ねると彼なりの意見を答えてくれ、更に続ける

 

聖女の末裔なんて宗教的には絶対に囲っておきたいに決まっている、それなのに名乗りをあげる者が居ないと言う事は、聖女は 元の世界へ帰った可能性が非常に高いと判断したのだろう

 

 

「ん? あそこ に聖女の活躍を記した伝記の写本がある様だぞ?」

 

「販売されていたら購入しましょう」

 

「え? 買うの? え?」

 

「カヅキちゃんは、読書家だもんね」

 

「えぇ、割と雑食ですね。最近は オススメして貰った本は読み尽くしてしまったので」

 

「確かに定期的に違う本を読んでいるな? 」

 

 

ナズナが見つけた聖女の伝記の写本を読む一団を見て私が呟くと、チャールが軽く驚いた表情をしたので、リリウムが補足を入れてくれた から相槌を打つと、ナズナが思い出した様に呟く

 

教室ではあまり読まないが、寮の部屋とかでは割と読んでいるし、リリウムやクラスメイト 及び アンにオススメされた本は読み尽くしてしまった

 

多分、学園の図書室に蔵書されている半数程 読んでいると思う

 

卒業後はテスタロッサ家 地下 図書館を端から端まで隈なく調べ上げてナズナを不老にする方法を研究するつもりだ

 

そんな事を考えて、ふと疑問を抱く

 

 

「貴方様? 私は王家へ輿入れする事が決まっている訳ですが、テスタロッサ家の家督は誰が継ぐのでしょう?」

 

「そうだなぁ・・・ベルファが容易に死ぬとは思えないが、仮に急死した場合は 夫人であるターニャが代行する事になり、分家の比較的マトモな者を養子を取るか 正式に継承権を持ってる お前が産んだ子供・・・3番目か4番目辺りが家督を継ぐ事になるだろう、まぁターニャがベルファの子供を産めば ソイツが継ぐのは確実だ」

 

「ふむふむ、ならば お義父(とう)様には頑張って貰いましょう、お義母(かあ)様はガードが硬いですからね? まぁ私としても弟妹が欲しい所ではありますし」

 

「チャール、頑張ってカヅキちゃん とナズナ殿下の御子と同じ歳の子供を作りましょうね」

 

「リリー、頼むから その話をテンションだけで こんな開けた場所で声高々に言わないでくれ」

 

「なによ〜 良いじゃ無い別に、卒業後は時期を見て式を上げるのだから良いじゃないのよ〜」

 

「そうだけど、そうじゃなくてな? リリー」

 

 

私が浮かんだ疑問をナズナへ投げかけると、ナズナが少し考えてから丁寧に教えてくれる

 

待ち遠しいなぁ、弟妹が出来る事は間違いないしね?

 

可能なら妹が良いな、弟は生意気だからね、うん

 

なんかチャールとリリウムが痴話喧嘩(仮)を始めたけど、聞こえてないフリをしとこう、巻き込まれたら面倒になりそうだし

 

 

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