どうも俺より身長の高い人達には、俺を撫でるのが流行っている様で、テスタロッサ家当主のベルファさんは、俺を撫でながら
「さてナズナ君、改めて何があったか教えて貰えますか? あぁその前に座りましょうか、君も疲れているでしょうし。ターニャ飲み物を」
「あぁ」
「畏まりました」
ベルファさんは俺を撫でる手を止めずに言い、ナズナは短く返事をして高級ソファに座り足を組む、なんか偉そうだ・・・いや、実際偉いのか、うん
センセイは直ぐに返事をして部屋を出て行ったので後を追う為に
「ベルファ様、私も飲み物の用意を」
「いえ、貴女は私の隣に座って下さい。貴女からも聞くべき事が有りますし、私にも癒しは必要ですから」
「え? あ、はい。ん? 癒し?」
そう言ったのだが、脇の下に手を入れられ持ち上げられて、ベルファさんに そんな事を言われ困惑する、なんか幼児扱いされてる? いやペットに近いか? まぁ良いか、気にしても仕方ない
そんな訳でベルファさんの隣に着座させられ、すぐにセンセイが戻ってきて紅茶を配る、丁寧に俺の分まで
「では、どうぞ」
「今回、テスタロッサ領内を通り隣の更に隣の領へ視察に向かっている途中だったんだが、そちらのメイド・・・カヅキだったか? カヅキが助太刀してくれた地点で賊に襲撃されたんだ」
「ふむ、なるほど。大変でしたね? 」
ベルファさんはメガネをクイッと上げて真剣な表情をして言う、思考を高速回転させているのだろうか?
「服装こそ賊のソレだったが・・・明らかに軍事訓練を受けている者だろう、統率が取れすぎていたからな」
「何処かの私兵か、他国の間者か、と言えば国内の私兵でしょうね」
「だろうな、国境警備は通常の数倍強固になっているし、内通者なら わざわざテスタロッサ領と言う中途半端な場所で襲撃はしないだろう」
なんというか、政治的な話は分からないし興味はないから2人の会話はサッパリ分からないが、どこの誰か何て本人達に聞けば早い
「ベルファ様、発言宜しいでしょうか?」
「構いませんよ、カヅキ。なんでしょう?」
「考察も大切だと思いますが、賊が何処の誰かは本人に聞くのが1番の近道かと」
「それはそうですが、居ないので聞けないじゃないですか?」
「捕まえたので居ますよ?」
「旦那様、カヅキは影魔法を使えます。恐らく死体も含めて保管しているのかと」
俺の提案にベルファさんは頭こなしに否定せずに、やんわりと そう言うので賊を捕まえている事を告げると、センセイが補足して説明してくれる
「そう言えば、黒い触手の様なモノが賊を黒い沼状のナニカに引き摺り込まれていたな」
「なるほど、お手柄ですよカヅキ」
「情報は武器になります、賊は万死に値しますが、持っている情報には価値がありますから」
「良い仕事ですカヅキ」
ナズナも必死だっただろうに、よく見ているなぁと思いつつベルファさんとセンセイに褒められて頭を撫でられる、これ犬扱いだなコレ
「尋問するのに少し問題が」
「問題ですか?」
「はい、私が無力化した賊は関節や筋へ刃を入れて筋切りして動けなくしていますが、それ以外は重傷や軽傷と様々です、私が拘束を維持しますが、万が一もあるので 後数時間アイデースに入れて弱らせるのが得策かと」
「なるほど、私は1対多なら危険はあると思いますが、コチラが多数で有れば問題は無いと思います、ナズナ君は どう思いますか?」
「俺としては一刻も早く事態を収束したい、多少のリスクは覚悟せざるを得ないだろう」
「分かりました、では すぐに取り掛かりましょう。行きますよカヅキ、ターニャ 貴女も来てください」
「「かしこまりました」」
俺の説明を聞いてベルファさんとナズナは相談し、ソファから立ち上がり応接間から尋問室へと移動を始める
賊を格納している俺が同行するのは分かるが、なんでセンセイまで?
記録係的なヤツかな? まぁいいか、気にしないでおこう
「一応、キチンと自己紹介をしておこう、俺はナズナ・エキザカム・ブリリアント、この国の王太子をしている」
「私はカヅキです、テスタロッサ家メイド長ターニャ直属使用人です」
「あぁよろしく頼むカヅキ、今回の事 助かった感謝する」
「いえ、賊は万死に値するので」
本当なら一国の王子と一介のメイドが並んで歩くなんて許されない事なんだろうけど、ナズナは気にした様子も無く自己紹介と感謝を述べて来たので本心で答えると『やっぱり、コイツ面白いな』みたいな目で見てくる、勘弁してほしい
なので意図的に話をズラす事にした
「私の耳を見ていますが、獣人が珍しいですか?」
「え? あ、あぁ髪の色も珍しいが、狐の獣人もリューネでは珍しいな。そんなに見ていたつもりは無かったのだが、不快に思ったならすまない」
「いえ、不快とかでは無かったので、お気になさらず・・・触りたいですか?」
話を逸らす為の嘘だったのだが、ナズナは否定せずに謝罪して来たので俺の良心が痛み、申し訳なくなったので触り心地に定評のある自慢の狐耳を触るか提案する
これで許してくれ、ナズナ