アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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250話 帰国してもトラブルばかり 2

 

 

そんな訳で、散歩する為に吾妻(あずま)庭園へ歩を進め1階の中庭へ出る出入り口に人影がある事に気付き、そちらへ目を向けると

 

 

「よぉ、幸せ絶頂って感じだなぁ?」

 

「・・・エンリケ様? 何か御用でしょうか?」

 

 

錆色の髪で、締まりのないニヤケ顔 彼の名前はエンリケ・ハイドランジア・ブリリアント、いわゆるナズナの異母兄弟でありボンクラの1人

 

こんなゴミカスがナズナの異母兄弟とは思いたくも無いが、事実なので仕方ないので 表面上は礼儀を果たす

 

 

「おいおい、俺達イトコ同士だろう? 他人行儀にするなや」

 

「おやおや、平民風情をイトコと呼んで頂けて光栄です エンリケ様」

 

 

なんとも気持ち悪いニヤニヤ顔のエンリケに皮肉タップリに返してやる、何を隠すそう このゴミカスは私の義父であるベルファさんの姉の息子なのだ

 

その姉はベルファさんから聞いた感じ、大層 よろしく無い性格をしているらしく 側妃として後宮へ輿入れしてからテスタロッサ家と絶縁状態らしい

 

うん、絶望的にベルファさんと性格も合わないとかなんとか とも言っていたっけ?

 

そんな訳で側妃の息子とはいえ王子であり、平民出身のブリジットではエンリケをシバいたりしたら問題が発生してしまうので、彼女に耳打ちしてナズナを呼んで来る様に伝え、ブリジットが人質になるリスクを回避する

 

 

「護衛役が離れちまったぜ? 俺達二人きりだな? くくっ・・・変な噂が立っちまうかもなぁ?」

 

「笑えない冗談を、貴方の後ろの植木の影に ヴィクトリア様、ファウスト様、マルシオ様がおられるではありませんか?」

 

 

私は笑えない冗談を言うエンリケへ冷ややかな目線を送りつつ、奴の背後を横から覗く様に言ってやると言い当てられ、エンリケが少し動揺する

 

全く、この程度で動揺するとは 本当にゴミだなコイツ

 

成人して幾星霜の時間が流れているのに、マトモな役職につけていないのが何よりの証拠だ

 

まぁナズナが王に即位すれば、何かしらの対処をするだろうから今のうちに生を謳歌すれば良いさ

 

そんな事を考えていると、植木の陰からヴィクトリアが出て来て

 

 

「あら、(わたくし)を知っているのですね?」

 

「勿論です 伯母様? 初めまして、カヅキ・タンザナイト・テスタロッサです。義父のベルファから お噂はかねがね」

 

 

私は わざと軽く会釈をして微笑む程度の挨拶に留めると、それがヴィクトリアは気に食わなかったようで、扇子を取り出し口元を隠しながら私を睨みつけてくる、作戦通りだ

 

 

「ふん・・・卑しい平民が、私に対してちゃんと挨拶も出来ないのですか?」

 

「申し訳ありません、敬意を欠片も感じないクソババアに下げる頭は品切れ中でして、どうぞ ご容赦くださいませ」

 

「なっ?!?!」

 

 

なんとも嫌味っぽく言ってきたので 軽く毒を吐いてやると 面白い表情をしてきて、思わず爆笑しそうになるが 頑張って我慢する

 

 

「こいつ、ちょー生意気じゃね?」

 

「母上、少し痛い目を見せてやっても?」

 

 

ヴィクトリア様の背後から、3馬鹿兄弟の次男ファウスト・カンナ・ブリリアント、そして三男マルシオ・アザミ・ブリリアントが出てくる、ちなみエンリケが長男である

 

さてさて、このバカタレ共が脳味噌まで腐ってて私の武勲を知らない事は予想済みだし、目撃者が居なければ 使えないゴミが行方不明になっただけの話、ナズナが 適当に理由をつけて丸く収めてくれる筈だ

 

そう、私がブリジットを避難させたのは、彼女を共犯にしない為でもある訳だ、まぁ この3馬鹿は メイドや使用人から嫌われている様だし、仮に目撃されても私の味方をしてくれるだろうけどね?

 

 

「そうですね、少し痛い目をみても良いでしょう。お前達、礼儀というものを教えて差し上げなさい」

 

「やれやれ、これほどまでに愚かとは、逆に愛情さえ抱いてしまいそうになりますよ? ゴミカス共」

 

 

自身の母親(ヴィクトリア)からの許可と、私からの毒舌を喰らい ヤル気満々でコチラへ近寄ってくる3馬鹿とは別に、背後から急いでいる足音が聞こえてくる

 

 

「カヅキ!!」

 

「おや? 残念ながらタイムアップの様です、本当に残念です・・・此処で害虫駆除が出来なくて」

 

「お前 何をっっ なんだ?!」

 

「あれ? コイツはマズイかも知れない? ごめんナズナ」

 

 

あと5〜6歩で射程範囲に入ると言う所でナズナ達が急行してきたので、私は作戦失敗を悟り 本気で残念と思い呟くと 突如としてエンリケの真横の空間に亀裂が発生し、エンリケを始めとしたゴミカス 合計4名が吸い込まれて行き、質量が少ない私も踏ん張りも虚しく吸い込まれて行き、ナズナ達を巻き込んだらマズイので、アイデースで動きを封じ

 

 

「ごめんナズナ、ちょっと出掛けてくるわ。 すぐは無理かも知れないけと、必ず帰るからさ? お叱りは その時でよろしく」

 

「カヅキ! 必ず帰って来い! じゃ無ければ許さないからな!!」

 

「はいよ、分かってますって、旦那様」

 

 

アイデースで抵抗をしたが どうにも出来ず身体の8割程 吸い込まれている状態でナズナへ告げ、返事し 完全に私が吸い込まれると裂け目は閉じてゆくのが見え、宵闇の中へ落ちてゆく様な感覚の中 徐々に意識がブラックアウトしていった

 

大見得切った以上は帰らないとね?

 

 

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