一体 どれほどの時間が経ったか分からないが、不意にブラックアウトしていた意識が浮上し空を切る感覚を近くした瞬間
「ぐぇっっ」
肩甲骨付近から地面に墜落したらしく、ベチョってなって 思わず そんな声が出てしまった、尻尾はクッションにもならなかったよ 無念
「くそ痛ぇ・・・はぁ、結構気に入ってる服なんだけどなぁ 破れたりしてないよな?」
軽く悪態をつきながら立ち上がって服を払いながら破れていないか確認して、幸い破れていない事は確認出来た 良かった 良かった
「げ・・・
脱ぎ着のし易さ重視の軽お嬢様装備だった私は、首からネックレスの様に下げているイザナギを見て呟く
次元の裂け目に吸い込まれる前は3つあったイザナギが2つしか無いので、砕けた事を知覚し 自己推理をして原因について自己完結する
と言う事で、残機が2+6の合計8回までは復活出来る事が分かった訳だけど、可能な限りは無茶をしない方向で行こうと思う
「にしても・・・此処はリヒト城なんだろうけど、私は こんな立派な桜の巨木を知らないからなぁ・・・これほどの巨木となると、相当な年月を必要とする筈だから、遥か未来のリューネか どっかの並行世界って 所か」
周辺を見渡し 確認して 現在位置がリューネ王城であるリヒト城の中庭である事を認識したのだが、当然の様に桜の巨木が鎮座しているが私は知らないのて、ちょっとした仮説を立てて見る
ひとまず 花弁が舞っていて幻想的に見えるので、少し悪くない気分ではあるけれど
「そこの君! 此処は立ち入り・・・あぁなんだ
「え? いや、私は・・・」
「おい、ジェイソン!立花博士と呑気に話してるんじゃねぇ! 意味が分からない事を喚いて暴れてるバカタレ共を鎮圧しに行くぞ! 」
「おっす、先輩! んじゃ先生、その耳 良いと思いますよ!」
「話の流れぇ・・・」
この後の事を考えていると、通り掛かった警備兵に見つかり 声を掛けられたが、立花なる人物と私は同じ顔をしているらしく 困惑し否定しようとしたが、彼の先輩らしき警備兵が駆け足で現れて 颯爽と立ち去って行ってしまった
「立花・・・立花か・・・」
立花、確かシャナが話してくれた中に居たな、並行世界の私、
もしや とは思っていたけど、やはり私と全く同じ顔をしている様だ
しかし、私と その立花を間違えるとは、立花は不老なのか それとも私が老けて見えたか・・・まぁどちらでも良いか
「やぁ、ぼく だよ」
「いや、誰だよ」
「お困りの様だね?」
「会話しようぜ?」
改めて この後の事を考えていると、なんかヌルっと蒼髪紫眼の身長は平均値なのに胸部装甲が大盛りな少女が現れて、よく分からないポーズを決めて言ってきたので、思わずツッコミを入れるが 彼女は一切 意に介さずに続ける、なんだ? コイツ
「そんな怪訝そうな表情をしないで欲しい、ぼく は君を助ける為に来たのだから」
「名乗りもしない奴を信用しろってのか? ふざけてる?」
「おっと、それもそうだね。 ぼく はヘンリエッタ・ルピナス・ブリリアント、ヘンリと呼んで欲しい。さて君も薄々 気付いているだろうけれど、並行世界へ ようこそ カナメ カヅキ」
「なるほど? やっぱり並行世界か」
少女は私が怪訝な表情をしている事に触れてきたので、そう言うと漸く名乗り、此処が並行世界である事を確信する
「さぁ、行こうか。あまり 此処に長居すると五月蝿いのが来てしまう」
「それは構わないけど・・・五月蝿いの?」
「ほら、行くよ」
「お、おう」
ヘンリに急かされる様に桜の巨木の前から移動を始めると、遠くから ヘンリの名を呼ぶ声が微かに聞こえる、これが五月蝿い奴の正体か?
そんな訳で足早に移動するヘンリの後ろに着いて城内を歩くのだが、なんとも意地が悪い侵入者対策の魔法が敷かれている事に気付き、敷いた者の性格が相当悪い事を察する、十中八九 敷いたのは立花だろうけどね? 私も同じぐらい悪質な物を敷く自信しか無いし
それなりに広い城の中を進み1階から3階へ上がり、私は2〜3回ぐらいしか訪れた事の無い 国王の執務室の前に到達する
気のせいかも知れないが、扉が比較的 新しく見える まぁ扉は消耗品だし、うっかり 壊れたりしたんだろう 多分
「兄様に至急伝えたい事がある。取次を お願いしたい」
ヘンリは執務室の前に立つ親衛隊 隊員へと話しかけるのだが、彼女達は 私をチラチラと見ていてヘンリの言葉を聞いていない様に見えるが、だろうか? まぁ普通に大丈夫じゃない気がするけど、見なかった事にしておこう
さてさて、ヘンリの兄は どんな奴なんだろうね? 少し楽しみだ