アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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253話 呼び出されて並行世界

 

 

グンジョウとユエが慌てふためいている様を眺めているのは良いが、時間は有限だし 私としても一刻も早くナズナの元へ帰りたいので、一旦 口を挟む事にする

 

 

「グンジョウ陛下、いつかは分かりませんが 貴方の姉であるシャナが私の所に迷い込んで来た事が有りました、私の推測になりますが シャナは私が立花と勘違いをしていたので、獣人である私を知らなかったと考えると 私が今現在 此処にいる以前に、私達の元を訪れていると思われます」

 

「・・・なるほど、それは確かに一理あるね? でも 残念ながらシャナからは、そんな報告を受けていないんだ。貴女の言う通り シャナが失踪した事件は有ったけれどね?」

 

「なるほど? やはり報告は無かった訳ですか」

 

「はは・・・シャナちゃん、ぽやぽや〜ってしてて、そう言うレポート提出とかしないタイプだからねぇ〜」

 

 

とりあえず猫を被ったままで質問をすると、グンジョウは少し頭が痛そうにしながら呟き、ユエは苦笑して言う

 

私の予想通り、シャナは そう言うレポートを提出しないタイプらしく、グンジョウ 及び ユエは知らなかった様だ

 

そんな感じにシャナに対しての共通認識を深めていると、不意に執務室の扉が開き 執務室前を警備していた警備兵が入ってきて

 

 

「グンジョウ陛下、シャルロット王太后殿下からの使いが来られておりますが、お通ししてもよろしいでしょうか?」

 

「母様の使い? もしかしてヒナ? 通して良いよ、母様が わざわざ ヒナを使いに出すなら、相応の理由が有る筈だしね」

 

「かしこまりました」

 

「カヅキ・・・さん? 申し訳ない、どうやら急用みたいで」

 

「構いませんよ、陛下」

 

 

手早くグンジョウへ用件を告げて返事を聞き扉へ戻り すぐに外で待たせている使いの者を入室させる

 

私はあくまでも遭難者のイレギュラー、私の相手をするより 急用を処理する方が優先度が高いのは当然の事だ

 

入室してきたのは、銀髪青目のメイド服を身に纏った18歳 前後に見える少女だった

 

なんだろう、某魔砲少女の 2代目 祝福の風に似ている様な気がするなぁ

 

 

「グンジョウ様、お久しぶりです」

 

「うん、久しぶり ヒナ、母様が わざわざ 君を使いに出した と言う事は急用 かつ 重要な事なのだろう?」

 

「緊急性を問われると 疑問を呈する必要は有るかも知れませんが、重要ではあります」

 

「どう言う事かな?」

 

 

温和な笑みを浮かべつつグンジョウへ頭を下げ、彼の質問へ答えると グンジョウが更に質問を投げかける

 

本当に どう言う事だ? 緊急ではない重要な事って?

 

私が疑問を抱きつつ邪魔にならない様に黙っていると

 

 

「グンジョウ様、シンク様が カヅキ様の世界の座標を割り出すまで 暫くの時間を要すると言うのは、火を見るより明らかです。ですので 我が主が 暫く預かりたいそうです」

 

「そう、母様が良いなら 僕は構わないけれど・・・おばさん は? なんて?」

 

「『私は知らん、好きにしろ。 だが ソイツが居る間は不用意に接触すると面倒な事が起こる可能性があるから、暫く自宅に引き篭もる』との事でした」

 

「はは・・・カヅキおばさん らしい、ね」

 

 

ヒナと呼ばれた少女は、私を見て言い グンジョウは頷いて苦笑する

 

これは徹底的に私と接触を断つ つもり の様だが、正直 その方が助かるのも事実だ

 

私としても コチラの私に不用意に遭遇し、パラドックスや更なる次元災害が引き起こされても困るからね、会わないで済むなら会わない方が良いのだろう

 

にしても、こちら にもカヅキ(わたし)が居る以上、名前が混雑して会話をするのが少々 面倒な感じだから、偽名を使う方が良いかも知れない

 

 

「1つ よろしいですか?」

 

「なにかな?」

 

「コチラにも同名が居て区別に難儀するでしょう? 私の事は・・・安直にコンと お呼び ください」

 

「分かったよ」

 

「承知いたしました」

 

 

こう言う時に意地を張って自分を名前で呼ばせると、逆に面倒な事になりそうな予感しかしないので、私の方が偽名を使う方向で申告すると、室内にいる面々が一瞬 アイコンタクトして 頷き、了承を得られた

 

日本では狐はコンと鳴くと言われているし、私が前世で見ていたアニメにキツネの式神の少女がいた

 

彼女は飛車丸と言う名前があったが、コンと言う愛称で呼ばれていたので、それにあやかろう と言う意味もある

 

私の影識神の基部は、そのアニメの影響を結構受けているからね

 

他のアニメの影響も存分に受けてはいるけど

 

 

「ではグンジョウ様、ユエ様、御前を失礼致します。コン様、ヘンリ様、コチラへ」

 

「うん、母様によろしく」

 

「はい、では陛下、失礼します」

 

「母様が待ってるのか、なんだろう」

 

 

私の偽名がコンと決まると、ヒナはグンジョウとユエに挨拶をして、私達を連れて執務室を後にする

 

ヒナの後に続いて城内を進んで行く訳だが、シャルロットが居る場所と言うのは遠いのだろうか?

 

此処が私の知るリヒト城と同等であるなら、後宮の建物や騎士団の隊舎 他諸々も含めて 結構な延べ面積を誇る

 

仮に隠居しているシャルロット達が一画に居を構えていても、なんら不思議も無いし、問題も無いだろう

 

それに、私と同類である立花なら空間拡張の魔法ぐらい開発してそうだしね?

 

 

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