アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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254話 対面して並行世界

 

 

ヒナの先導で歩く事 3分足らずで古めかしい扉の部屋に到着し、ヒナはノックもせずに入室していく

 

確かに使用人は主人の部屋へノックをせずに入室する事は有るが、それはあくまでもプライベート時間の話で、来客を案内している時はノックをして知らせるのが常である、ヒナほどのメイドが そんな初歩の初歩を違える様な事は無いと思うので、まだ先が有るのだろう 多分

 

そんな訳で軽く訝しみながらヒナへ続くと、四畳半 ぐらいの室内の中央に 目立つピンクの扉が聳え立っているのが見えて少し困惑してしまう

 

 

「・・・どこでもドアって」

 

「コン様、ご安心ください。見た目だけ再現された ただのドアです」

 

「だだのドア?」

 

「はい、本命は こちらの鍵になります」

 

「魔女の鍵、ですか」

 

「その通りです、コン様」

 

 

立花は やはり私と同一思考をしている様で、私も造るなら こんな ふざけたドアを制作する事を確信していると、ヒナが説明してくれ ポケットから 如何にもな金色で宝石で装飾された鍵を取り出し見せてくる

 

魔女の鍵、あらゆるドアや扉を指定した先のドアへと繋げる魔法の鍵

 

作製するには正確な座標と高度な加工技術を必要とし、定期的な魔力の充填が必要となる、もちろん距離によって消費する魔力量も変わってくる

 

ま、こんな 世に出回るとヤバい代物を作製しているのは立花以外いないだろうし、他の人間が やすやす と作れるものでも無い

 

ヒナが鍵の先でドアを軽く2回突き、その後 鍵穴へ魔女の鍵を刺して回しドアノブを捻り開けると、明らかに四畳半の部屋以上の空間が広がっているのが見える

 

 

「ヘンリ様、先へどうぞ」

 

「ん、ありがとう ヒナ」

 

「コン様も、どうぞ」

 

「ありがとうございます」

 

 

危険性が無い事を示す為かヘンリを先に行かせてから私を通し、最後にヒナがドアを潜り閉じてから、再び先導を開始する

 

さてさて、ヒナの気遣いは嬉しい限りだが、どうしてシャルロット以外にヤバ気なオーラを放っているのが2つも有るのかな?

 

立花は行方をくらませている筈だから、おかしいねぇ

 

今の状態でも負けはしないだろうけど、骨の1〜2本は覚悟する必要がある程度には強者の気配だ

 

まぁヘンリが反応していないし、私も喧嘩をしに来た訳では無いから もう暫くは猫を被っている事にしよう

 

そんな訳で貴族の屋敷に有る有るのサロンに到着し入室すると鋭い目付きの女性型7罪悪魔と男性型龍が立っていて、ヘンリと同じ蒼髪で紫の瞳をして優しい微笑みを浮かべている美女が姿勢良く座り 紅茶を嗜んでいた

 

 

「お連れしました、我が主」

 

「母様〜」

 

「ご苦労様ヒナ。ヘンリ? 足に埃が付いてしまうでしょう? そのままでも頭を撫でてあげるから」

 

「やだ。存分に頭撫でてもらいたいんだもん。ぼくの甘えぶりは母様でも止められないよ」

 

「仕方ない子ねぇ…本当、そこはナズナに似たわね。貴女」

 

ヒナが蒼髪の美女へ報告するやいなやヘンリは自分の母親の元へ駆け寄り、頭を撫でろと彼女の隣に膝を折り頭を差し出し、蒼髪の美女は そんな事を言いながらも嬉しそうにヘンリの頭を撫でる

 

ヘンリの母であり、ヒナの主人、つまり この蒼髪の美女が 私を 此処に招いた張本人であり、私達の大恩人 シャルロット と言う訳か

 

 

「急に呼び出してしまってごめんなさいね?」

 

「いえ、お気になさらずに シャルロット王太后殿下」

 

「あらあら、そんなにかしこまらないで良いわよ? えーっと・・・カヅキ・・・ちゃん?」

 

「こちらに同名がいるのは承知していますので、私の事は コンと お呼びいただければ、と」

 

「そう、それならお言葉に甘える事にするわ、コンちゃん」

 

「はい」

 

 

自身の膝の上に乗るヘンリの頭を撫でながらシャルロットは、私を見て話し掛けて来たので 返事を返すと なんだか呼びづらそうにしていたので、先程 決めた呼び名を伝えると、頷き 呼んできたので返事をする

 

それはそれとしても、私から見てシャルロットの右後ろに控えている女性型7罪悪魔が、私に めっちゃメンチ切ってくるのはなんでだろう? コイツ もしかしてヤンキーか? ポケモントレーナーばりに目が合っただけでバトルを挑んでくるのか? 猫脱いで良いなら買うぞ? 喧嘩

 

 

「我が妻よ。あの者と似た性質だからと、そう睨むものではないと思うのだがな」

 

「ふん。気に入らぬものは気に入らぬのだ。アレと似て非なる者だろうとな」

 

「しかし、今は我が主の客人として招かれている。少しは慎むべきだと思うぞ、我が妻よ」

 

「ふん」

 

「ごめんなさいね? ウチの使い魔が」

 

「いえ・・・お気になさらず」

 

 

 

私にメンチを切っている事を男性型龍にたしなめられた女性型7罪悪魔が、なんだか言い訳めいた事を言っているが 男性型龍に論破されて 鼻をならし バツが悪そうにソッポを向き、シャルロットが謝罪をしてきたので 謙遜?混じりで 大丈夫と伝える

 

にしても、立花は この女性型7罪悪魔に何かしたのか? 相当嫌われている様子だけど

 

私自身がしていない事で勝手に嫌われても困るし、良い気はしないのだけど 此処で事を荒げる程 私は子供では無い、既に齢20を超えているしね?

 

とりあえず、シャルロットが私を呼び出した理由を聞く事にしようかな?

 

 

 

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