そんなこんなテコテコと それなりに広い屋敷の廊下を歩いていると、防犯上の構造なのか どこでもドア が設置してあった部屋から中央ホールに至るまで上階へ至る階段がなかった、アレ? なんか見た事が有る間取りだなぁ?
それから再び数分歩き、応接間に案内され
「部屋の用意を今 使用人にさせているから、暫く 此処で大人しくしていてくれるか?」
「構いませんよ、お世話になる訳ですし これ以上求めるのは無礼の極みですから」
「本当、礼儀正しいなぁ〜」
「それはどうも、師が大変優秀な方なだけです」
案内された応接間のソファに座り、位置を微調整してシンクへ返事を返すと、改めて 感心した様な表情と物言いをしてきたので 本心から答える
「師・・・と言うと、ばあ・・・テスタロッサ家のターニャ夫人?」
「こちらでもテスタロッサ家へ嫁ぎましたか、そうです 我が師であり敬愛する我が
「敬愛? え? 」
「なんですか? そう驚く事では無いと思うのですが・・・」
少し思案した後にシンクが私の
「え? いや、だって・・・おばさん と 祖母様は折り合いが悪くて いつも喧嘩してたんだよ」
「センセイと喧嘩ですか? なんとも恩知らずな者なのでしょうか・・・センセイは少々 表情と言葉が硬いだけで お優しい方なのですから、真に優しい人は 人の為に叱るべき時に叱る事の出来る人の事を言うのですから」
「・・・あんた 本当に おばさん と 同位体か? 」
「私が知る訳が無いでしょう? 定義をしたのは 其方なのですから」
「そう・・・だったな、すまん」
「はい」
立花は相当恩知らずな馬鹿者の様で、シンクが驚愕しながら言うのでスッパリ答えると、なんか疑いの眼差しを向けてきたので軽く睨んで 言い返してやると謝罪してくる
そう、私が自ら立花と異次元同位体と名乗った訳では無いのだから、私に疑問提起されても困ってしまう
「シンク様、私からも質問をしても?」
「お、おぉ なんだ?」
なんか微妙な空気になったので、敢えて 私から質問をする事で空気を変える事にする
「この屋敷、リフォームされている様ですが 元の屋敷は 誰から譲りうけたのです?」
「ええ? なんで分かるんだ? マジ すげぇな・・・えーっと確かまだ父様と結婚する前じゃなかったか?」
「ナズナ様とは婚姻前ですが、私の質問に何か関係が?」
「王妃 又は 王太子妃になる前なのに、屋敷の構造を覚えているからだよ。正直 婚姻後でも 相当 凄いと思うけどな」
「実際に訪れた事が有る場所なら、なんとなくは覚える事も出来ますから。数少ない友達の家ならば尚更・・・友達? 私は 友達と・・・」
シンクへ質問をすると、彼は更に驚いた表情をして言い なんだか誤魔化そうとしている様な言い回しをしてきたので追求すると、私は無意識に そんな言葉が出てきて 少し困惑してしまう
「そうですか・・・此処はテレジアの」
「いや、なんで分かるんだよ。逆に怖いわ」
「私が霊狐だからかも知れませんね?」
「あ、はい」
本能で理解した私が呟くとシンクが軽く引いた様な表情をしたので、軽く睨み抗議しておく
そうか、此処はテレジアの屋敷か。こちらのチャールは元気だろうか?
レフのバカタレは惨たらしく死んだだろうか?
「どうして貴方がテレジアの屋敷に住んでいるのです? 彼等は引っ越したのですか?」
「あー・・・はぁ・・・変に誤魔化すより真実を伝える方が良いだろうから言うわ、あんた の言うテレジアは 当時の当主が反逆罪を受けて一族郎党 連座で処刑されてる」
「はぁ? 当主ってのは誰だ!!」
「レフだよ、コンも知ってるみたいだな?」
「知ってるさ、ナズナの兄貴を 私欲の為に実験台にして死なせたクソ野郎で、私直々に火刑に掛けてやったんだからな!」
「・・・そうか」
私の質問に対してシンクが一瞬 戸惑った後に答えてきたのだが、彼の説明に一瞬にして被っていた猫が脱げてしまい、シンクへ言うと 彼は苦笑して言う
レフのクソ野郎、本当に碌なことをしないな マジで
「んん・・・それで? レフは何をしたのです?」
「魔眼の
「・・・本当 碌な事をしないクソ野郎ですね? レフは」
「だなー いや、マジで倫理観が微粒子レベルで存在しないゴミ野郎だったんだよな、いやぁ魔王との戦争で遺物収集すんの大変だったわ」
「ん? 遺物の収集を 貴方がしたのですか?」
「え? うん、厳密には 俺達 だけど・・・まぁ そうなるな?」
「シャルロット様と立花、あとナズナ先王陛下は何をしていたのです? シャルロットも立花も転生者でしょう? 」
脱げてしまった猫を被り直してシンクへ尋ねると、にわかには信じられない事を言われてしまい困惑しながら尋ねる
そう、シャルロットは私と同じ様に転生者だ、ならば私がした様に魔王の遺物を捜索し収集出来た筈だ
それなのにしなかった、と言うのは 何か理由があるのだろうか?