興味深そうに観察してくる青年へ目を向け
「貴方の 名前は?」
「これは失礼しました、僕はカナデ。こちらのシンクとユタカの息子で テレジア家の当主をしています」
「私はカヅキ・タンザナイト・テスタロッサと申します、ぜひコンとお呼び頂けますよう」
「分かりました、よろしくお願いしますコン」
名を尋ねると彼は謝罪を口にし名を名乗って来たので、私も名乗り コンと呼ぶ様にお願いする
「んじゃ行くか」
「はい」
シンクがタイミングを見計らってカナデ へ 声をかけて応接間を後にし、応接間にはシャナとユタカが残される
「だいぶ喋って喉が渇いてしまいましたね、確かインベントリに紅茶が入れてあったはず・・・お2人も飲みますか?」
「良いの? やったー」
「いただきまーす」
「はい」
結構長い事 話していたので喉が渇いてしまった為、インベントリに入れておいた紅茶とカップを取り出して淹れて2人に配り 自分の分に口をつける
今回のは80点ぐらいだな、少し蒸らしが足らなかった
「美味しい〜」
「やっぱりママと同位体なだけあるね、淹れた お茶の味もソックリ」
「そうですか」
シャナが何を考えいるか分からない感想を言い、ユタカは考深そうに呟くので相槌を打つ
やはり立花も 私同様 一通りは納めている様で 恐らくセンセイに仕込まれたのだろう、多分
「この時代のリューネがどのぐらい発展しているのか気になりますね」
「あー やっぱり気になっちゃう?」
「気になっちゃうよね、分かるけど・・・見せちゃって大丈夫かな?」
「んーーー どうだろう?」
「こう言う時にママが居てくれたら助かるんだけど・・・出てこないだろうしなぁ」
行儀良く紅茶を飲みながら呟くと、シャナとユタカが 唸った後に私を見て来る
2人が言いたい事は何となく理解出来る、立花は私がいるから現れない と言う事を
きっと立花は私が居る間は 何処へ雲隠れしている筈だ、でも連絡ぐらいはつきそうな物だけど、そんな事も無いのだろうか?
「立花と連絡は取れないのですか?」
「ママと? どうだろう? 電話ぐらいなら通じるかもだけど、忙しいかもかぁ」
「電話はあるのですね」
「あるよ〜」
なんとか何となく質問をすると、立花は忙しいらしい事と携帯電話がある事が判明する、随分と発展している様だ
まぁ単純計算で40年先の未来だから単純な比較は出来ないけれども
「幾ら忙しくても数分ぐらい会話が出来るのでは?」
「いやぁ無理かも、今 実は面倒な仕事をしてるみたいで 連絡が取れないんだよねぇ」
「そうなんですか?」
「うん、そうなの」
私の質問に、なにやらボカす様に答えるユタカの言葉に これは踏み込まない方が良いな と判断し余計なことを聞かない事にする
「私が言っても説得力は無いですが、並行世界の住人である私が今のリューネを見た所で影響は殆ど無いと思いますよ?」
「「確かに〜」」
彼女達が心配している事を自己解釈して言うと、声を揃えて言うので コイツ等 大丈夫かな? と少し不安になる
立花とシャルロットの娘 かつ あれだけデカい
とはいえ、ただ待つのも退屈だから 散歩がてら街を徘徊する事が出来たら嬉しい、再現出来るか否かは別にして リューネを発展させるヒントぐらいにはなる筈だからね
「じゃぁ〜 テレジアの街に行ってみる? それとも王都の方が良いかな?」
「王都で お願いします、私はテレジアの街を見た事が無いので 比較が難しいですから」
「分かったよコンちゃん、それじゃぁ・・・準備して行こう? ユタカちゃんも行くよね?」
「んー 私は 良いや、ちょっとやらないと行けない仕事が少し残ってて」
「そうなんだ、分かった」
なんとも決断の早いシャナが声高々に言いユタカへ尋ねるが、どうやら仕事が残っているらしく王都行きを辞退する
そういえばユタカはシャナに引きずられて来た とかカナデが言っていたような?
そんな事を考えつつ、紅茶セットをインベントリ へ収納して 普段はトゥビーに使わせている面布を取り出して装備する
「あれ? 急に顔を隠すの?」
「いちいち 立花と間違われて訂正するのが煩わしいからですよ、この面布は特殊な物なので 捲れないので便利なんです」
「へぇ〜 便利」
「コンちゃんが王都観光から戻ってくるまでには部屋の準備を終わらせておくね? 」
「はい、よろしくお願いします」
シャナに面布を装備する理由を尋ねられたので、率直な理由を説明すると納得してくれる
同位体である私と立花は殆ど同じ顔をしている上に、立花がトンチキな事をし続けているせいか 間違われて訂正する事が普通に煩わしいと感じるから、その対策だ
この面布は捲れない上に、人の認識を逸らす術式が組まれているので 私は 霊狐族の小娘に見える、まぁ私が私だと認識している者には 効果は無いが 今から遭遇する者には効果があるのでヨシとしよう
とりあえず着せ替え人形にされた時に耳飾り類をインベントリに収納しておいて良かった、無くしたり汚したりしたら泣く自信しかない