そんな訳で無遠慮にシャナとアンナを見比べて比較していると
「随分と人をジロジロと見てくるのね? 無粋な人種なの?」
「いえ、どうしたら成長するのかと思いまして」
流石に視線に気がついたのかアンナが私を睨む様に見て言ってきたので、率直に尋ねてみる
「早寝早起きとバランスの良い食生活、適度な運動 に決まっているでしょう?」
「ははは〜 そんなの遺伝だよ、コンちゃん!」
「お姉様? 私に言われるのも癪だと思うけれど、人の心が無さすぎじゃなくて?」
「夢も希望も無い、のですね」
「え? でもさ? 未来的に成長率がゼロなのに、下手な希望を持たせる訳にはいかないと思わない?」
「シャナ? 幾ら私でも、そろそろ泣きますよ?」
「えぇ〜? それは困るなぁ」
意外にもアンナにも良心を持っている様で説明をしてくれたが、シャナが笑いながら私にトドメを刺しに来て アンナがシャナを非難するが全く効果が無い所か更に刺しにきたので、本音を告げる
まぁ確かにシャナに言われるまでもなく、私の成長率は限りなくゼロに近いだろう、分かってはいたが 改めて突きつけられると泣きたくなるのが人のサガと言うものなのだろうか?
「そういえば、アンナこそ 平日の昼間に商業区にいる何て珍しいね?」
「いつも飲んでいる豆が切れてしまって、普段は補佐官に頼むのですけど、私用で有休を取得していて仕方なく」
「へぇ、アンナの所の補佐官が有休取得するなんて珍しい」
「えぇ、なんでも兄弟の結婚式なんだとか、我々 監査局は忙しい部署ではありますが 365日 常に忙殺されている訳ではありませんから」
「みんな働くのは、アンナがワーカーホリックだからだよ」
「私は私の役目を遂行しているだけです」
「真面目だなぁ〜」
私の発言を受けてなのかシャナがアンナへ尋ねると、アンナは隠す様子もなくサラッ答える
監査局、なるほど 融通の効かなそうなアンナに適性がありそうな部署だ、幾ら 平和な国とはいえ 良からぬ事を考える輩と言うのは産まれてくるものだ
脱税や横領をして私腹を肥やす輩が必ず出てくる、それを取り締まるのが監査局の仕事だろう
その仕事をしているのが
王妹と言う立場ならば、王国であるリューネにおいて家格を理由に協力を拒む事は不可能に近いからだ
身分で言えば上から3番目ぐらいに偉いランクだからね、うん
「働き詰めで倒れないのは、母様がスーパーチートで それが遺伝したからなんだから、あまり過信してはダメだよ? アンナだって曾孫の顔見たいでしょ?」
「比較的 安寧の時代ですし、我が家には子が3人 それぞれ伴侶候補もいますし ご安心を お姉様」
「そう?」
「私の心配より、ご自身の心配をされては? 特にサヤの心配を」
「ありゃりゃ? 藪蛇にサヤの事が出てきたぞー?」
シャナは結構本気で心配している様子でアンナへ言うが、本人は 涼しい顔でカウンターをシャナへぶつけてくる
おかしいな、コイツら何歳なんや?
なんかよく分からないが、2人の会話から推測するに アンナも経産婦の様だ、全く見えないけど
いや待って? アンナ、3人の子持ちなん? 全く そうは見えないぐらい若く見えるぞ?
「カタナは コミケでしたか? そこで出会った女性と近々結婚するとか」
「あぁうん、彩葉ちゃんが今 長期連載で手が離せないとかで後何年か後にはなりそうだけど、準備は進めてるみたい」
「そうですか、双子なのに どうして こうも上手くいかないのでしょうね?」
「なんでだろうね〜?」
なんだろう、こんな道端でする話でもない気がするし なんだか喉も渇いてきたな
「シャナ、此処で立ち話をするのも良いですが、何処で腰を据えて話した方が良いのでは? いい加減 喉も渇いてきましたし」
「え? あぁ そうだね? ごめん ごめん」
「では私が案内しましょう、行きつけの喫茶店がありますから」
「よろしくお願いします」
「アンナの 行きつけ? カヅキおばさん も通ってる あそこかな?」
今更 立ち話をした程度で疲れたりするヤワな身体をしている訳では無いが、長くなりそうだし 日差しに野晒しにされると耳の先とかが焦げるかも知れないからね、うん
そんな訳でアンナの案内で商業区を進み、メインストリートから少し外れた先にある如何にもな喫茶店へと入ると、常連の様で スムーズに半個室へと通される
「良い匂いがしていますね」
「やっぱり おばさん が気に入って通ってる お店だね? ツルギくん も通ってるんだよね」
「今日は気温が少し高いので、水出しのアイスコーヒーがオススメです」
「では私は それを」
「あたしはアイスカフェオレ〜」
「分かりました、マスター 水出しアイスを2つ と アイスカフェオレ あと季節のタルトを3つ」
焙煎されたコーヒー豆の良い匂いにワクワクしながらメニューを一通り目を通す、サイズがB5と小さいし 1枚しかなく メニュー数も少ない
基本的にコーヒーのホットとアイス、派生のカフェオレのホットとアイス、水出しコーヒーと 数種類のフードメニューぐらいだ
豆の種類も選べるようだが、よく分からないし アンナに任せる事にしよう