そんなこんな 水出しアイスコーヒーを飲みながら他愛ない話をしていると、不意に店員がアンナの元に良い匂いのする紙袋を持ってきて、受け取ったアンナが 『私は予定があるので』 と言い店員に自分の分の料金を渡して離席する、なんともアッサリした奴だ
「行ってしまいましたね」
「そだね〜 アンナって結構忙しいからねぇ」
「監査局・・・でしたっけ?」
「そうそう、各行政機関とか領主が不正をしていないか とか監視したり取り締まったりする機関だね? さっき話して分かったと思うけど、アンナって頑固だからさ? 適任なんだよね〜」
「なるほど」
帰ってしまったアンナを見送り呟くとシャナがフォローして言う、確かにアンナは線引きがしっかりしていて、白は白 黒は黒 と言う性格をしている印象を、この短時間で受けたので 監査局の主として適任だろう
「カヅキおばさん も立ち上げの時にアンナを推薦してるぐらいだしね? 『私は性格的にやるべきではない、シンクも同様にな?』って言ってたよ」
「どうせ、私と同様に立花も バレなければ犯罪では無い主義の人間だからでしょう? 」
「せいかーい、さっすが コンちゃん」
「自分の事ですからね」
私の自己解釈にシャナはサムズアップして来たので肩をすくめて言う、監査局を運営するには それなりの地位が必要だろう、なぜならリューネは王国だからだ
だから下手な爵位持ちを長に据える事は出来ない、嘗められて妨害されかねない、その点 アンナは王族の血筋であり 現国王の実妹だから適任だろう
性格も融通の効かない頑固者、私や立花の様に 犯罪は露見しなければ犯罪足り得ない と言う考えを持っていない事も重要だと思う、そう言う不正を監視したりする機関の長に最適任と言う訳だ
そんな訳でアンナについて軽く話をしていると、扉が開いた事を知らせるドアベルの音が聞こえ、続いて店員の声が聞こえて 何故か私達の方に寄ってくる足音が聞こえる
「シャナが 此処にいるのは珍しいな? ん?」
「あ、ツルギ君 休憩?」
「あ、ああ、デスクワークばかりだと鈍ってしまうから、散歩がてら巡回と執務室の豆が少なくなったから買い出しにな」
「そっかー」
「そんなに見てもアイテムはゲットできませんよ?」
「あ、すまない」
わざわざ 私達の席に案内された足音の主であるツルギは、自身の妻であるシャナに話しかけた後、それは目立つであろう私を見て訝しむ表情をしつつシャナの質問に答えるが、依然として私を見てくるので ふざけた事を言うと 間に受けたのか謝ってくる、コイツ 真面目だなぁ
「立っていても目立ちますし、座ったらいかがです?」
「そうだな、そうさせてもらおう」
私はツルギに着席を促し 彼が座ったのを見届けて 水出しアイスコーヒーを飲みきり、新しいのを注文する 流石にコーヒー1杯で数時間居座るのは迷惑だろうからね
そんな事を考えていると、あっという間に注文した 水出しアイスコーヒーが2つ届く どうやらツルギは先に注文していた様だ
「あ、ツルギ君 この子は・・・」
「待ってくれシャナ、俺が直接 尋ねたい。 先生・・・どうしたんですか? そんな 普段ならしない 貴族令嬢の服を着て狐耳と尻尾まで、何か実験ですか?」
「・・・なるほど、まがりなりにも転生者、
「先生?」
シャナは いつの間にか頼んだ 軽食を食べながらツルギに私を紹介しようとして、彼は遮り訝しみながら私に質問してきたので呟くと、首を傾げる
流石は転生者、私には及ばないまでも 一般人類から比べれば 格が2つ か 3つ 上を行くからね、うん
「
「先生の同位体? なるほど、並行世界からの来訪者か。理解した、ようこそリューネ へ」
「ありがとうございます、御巫卿」
私は冷静に説明すると、ツルギも慣れている様で取り乱す事も無く 受け入れ歓迎してくれる
「なるほど、シャナが付き添いをしていると言う事は 遭難者か、またシンクが割を食っているのかな?」
「ははは、結構 大変そうだよ? グンジョウってば 大人しい見た目の割に鬼畜だからねぇ〜」
「それはシンクを信用しているから、その裏返しだろう?」
「確かに〜」
2杯目の水出しアイスコーヒーを飲んでいると、ツルギが来店してからの短時間かつ 少ない情報から、私の置かれた状況を的確に言い当てる、かなり賢いなツルギ、または そんな正解が容易く出てくる程に 来訪者や遭難者が訪れているのか・・・願わくば前者である事を祈りたい、その方が平和だしね?
「送還の支度が終わるまでの寝床は? ウチに来る感じ?」
「ううん、テレジア邸の予定だよ。装置はテレジア邸か立花邸にしか無いからね」
「妥当だな」
「色々とお手隙をおかけします、私に出来る事が有ればなんなりと」
「あ、本当? なら ユタカちゃんに 相談しておくね」
「はい」
私と同じ水出しアイスコーヒーを注文したツルギが飲みながらシャナと会話をする、確かに シャナと居たら
それはそれとして、何もしないで保護されるだけだと なんだか申し訳ないので、手伝える事が有れば手伝う旨を伝えておく
まぁ出来るとしても、重要度の低い案件だろうけどね?