アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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276話 並行世界でお宅訪問 フリーデリー家

 

 

初対面の筈の黒髪少女が私の偽名(なまえ)を呼んだ事に困惑して気付くのが遅れたが、そもそも認識阻害を付与している布面をしているから私が私で有ると認識が出来ない筈なので、更に疑問が産まれてしまう

とはいえ、この少女は魔力も異能も保有していないみたいだから そこまで警戒する必要は無さそうではあるが

 

とりあえずシャナをチラッと見てみるが、特に行動を起こすつもりは無い様で棒立ちしていた、使えない奴め

 

 

「お二方、立ちっぱなしも疲れると思いますし、マナー講義も同時進行する事にしましょう、どうぞ お座りになってください」

 

「うん、ありがとう リオン」

 

「失礼致します」

 

 

茶髪美女の言葉に返事を返し 猫を被っているので侯爵令嬢として礼を尽くし勧められた席に座る

 

マナー講義も兼ねているのなら、私も それに倣う事にしよう。こんな所でセンセイの顔に泥を塗る訳にはいかないからね

 

 

「頂戴良いので初対面での挨拶の講義をしましょう、少々煩わしいですが お茶会では目上の者から挨拶をするのが習わしです。この目上と言うのは家格が上の者事を指します」

 

「今日の場合だと 主催のリオン、次が王太子婚約者 レイちゃん、現国王王姉の あたし、最後に侯爵令嬢のコンちゃんだね? 」

 

「なるほど、勉強になります」

 

 

茶髪美女ことリオンが講義の内容を設定し説明するとシャナが補足する、貴族の慣例やマナーと言うのはなかなかに煩わしいが 仕方ない

 

 

「では手本として私から、フリーデリーケ当主 ラゼッタ・フリージア・フリーデリーケが妻 リオン・立花・フリーデリーケです。本日は楽しまれて下さい」

 

 

にこり と温和な笑みを浮かべリオンは名乗る、所作の端々にセンセイの陰を感じるのは、彼女が推定 立花の娘だからだろう

 

前回シャナと遭遇した際に、そんな話をしていたから多分 間違いは無い筈だ、多分

 

 

「本来なら次はレイさんですが、お義姉様お願いします。その次はコンさんで」

 

「はいはーい」

 

「承知致しました」

 

 

微笑みを浮かべたままリオンが そんな指示を出してきたので了承する、黒髪少女ことレイも手本が沢山有った方が良いだろうしね?

 

 

「前国王 ナズナが第1子、現騎士団総長 御巫(みかなぎ)(つるぎ)が妻、御巫シャナと申します。以後お見知りおきを」

 

 

普段のぬるま湯な雰囲気が少しだけ冷めたモノに変わり姿勢正しく名乗りをあげる、やっぱりやれば出来る子なんだなシャナ

 

 

「ベルファ・ジェイド・テスタロッサ侯爵家 第1子 カヅキ・タンザナイト・テスタロッサと申します、コチラにも同名の方がいらっしゃるとの事ですので、是非とも私の事はコンと お呼び頂けます様 お願い申し上げます」

 

 

 

私の番となり全力の猫被りを遂行してやる、これで多少は手本になった筈だ、多分

 

 

「え、えっと・・・現国王 グンジョウ・デルフィニウム・ブリリアント陛下 第1子 クオン・エレムルス・ブリリアント王太子殿下 婚約者筆頭 桜坂(さくらざか) (れい)です、よろしくお願いします」

 

 

最後 レイの番となり彼女は少々緊張しながら名乗る、婚約者筆頭と言う辺り まだ自分に自信がないのかも知れない

 

 

「正式な自己紹介が初めてにしては まずまずですね 充分 及第点と言えるでしょう、もう少し自信を付ける事が出来れば良いですね」

 

「は、はい!」

 

 

一通り 名乗りが終わりリオンが評価を口にして レイにアドバイスをすると、レイは力強く返事をする どうも肩に力が入り過ぎるタイプの様だ

 

 

「レイさん、そう肩に力を入れていると疲れて ウッカリしてしまうので、もう少し肩の力を抜いた方が良いですよ?」

 

「は、はい! ありがとうございます、コンさん!」

 

「だから肩の力を抜けと・・・」

 

 

ガチガチなレイにアドバイスをするが、返事だけよくて まだまだ力が抜けていない様子に苦笑してしまう、この子は こう言う子なのだろう

 

 

「レイさん、緊張してしまうのは分かりますが、王太子妃 それに そのさきである王妃としては、もう少し落ち着く事が必要です。これから先 貴女は 数多の お茶会に招待されたり したりする事になりますから」

 

「・・・はい」

 

「まだ始めたばかり、これから身につければ良いのです。さぁ 喉も渇いたでしょう? 」

 

「ありがとうございます」

 

 

リオンはレイにアドバイスを送る、彼女が言っている事は 概ね正しいと思う

 

レイは大人しい性格をしている様だが、王太子妃 及び 王妃になる以上は ある程度の余裕ある態度が必要だ

 

何故なら彼女には、伴侶を支える義務があるから、お茶会での交流でする他愛ない会話から 色々な情報を得たり味方か判断したり味方にしたりしなければならないからだ、王には王の 王太子には王太子の 王妃には王妃の 王太子妃には王太子妃の仕事と言うのがある

 

当然の事だが、私にも私の仕事がある というか そもそも私が始めた事業があるから当然ではあるのだけれど

 

そう言う訳でレイには いずれ 王太子妃 及び 王妃としての心構えを会得して、腹を括って貰う他に無い

 

小動物系で庇護欲を駆り立ててくるが、此処でレイを甘やかしては 彼女の為にならないし、頑張ってみよう そうしよう

 

 

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