アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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29話 俺の未来

 

 

突然の未来を左右する大事を突きつけられ、しっかりと考える様に言われ、俺はテスタロッサ家 当主であるベルファさん直々に 思考する為に半休?を言い渡され、彼の執務室を後にして馬房へと向かう、少し混乱気味だから癒されたい気分になったからだ

 

 

「どうしたらいいだろう」

 

 

2月だから空気は冷たいが、雲も少なく晴れている空を見上げ呟く

 

生物は いつかは死ぬ、絶対にだ。その寿命が長い・短いの差はあるが、死は絶対訪れる

 

それは俺も例外じゃない、俺は死に難くなっているが不死ではないのだ

 

いつしか別れはやってくるし、テスタロッサ家で死ぬまでメイドをしていけるかは分からない

 

それこそ、後継者が産まれずに御家解体もあり得るし、その後継者が仕えるに値しない人物の可能性だってある

 

 

そんな事を考えつつ馬房に到着し、1番近くに居たライラックに歩み寄ると、いつもの様に俺に顔を寄せ狐耳をアムアムしてくる

 

 

「ライラック、私は どうしたら良いんだろう?」

 

 

ライラックの顔を撫でながら返って来ない質問を投げかけると

 

「カヅキ、ライラックと会話出来る様になったのか?」

 

「まだ無理ですよ、ルーク」

 

「まだって事は、いつかは会話するつもりなんだな? 」

 

「えぇ、まぁ」

 

 

俺がテスタロッサ家にやってきて約1年が経過し、少年から青年に進化し途中のルークが、いつもの様に馬房の掃除をしていた様で、俺の呟きを聞いて尋ねてきたので、まだ と伝えておき 少し誤魔化す様に返事を返す

 

 

「何か悩みか? 」

 

「・・・なぜです?」

 

「いや、お前 その耳と表情と独り言を聞きゃ誰でも気付くだろ」

 

「うむ・・・」

 

 

ポーカーフェイスには自信があったのだが、そんな精神状態では無かった様でルークに指摘されてしまった

 

「俺が聞いて良い類いなら、話すだけでもラクになるぞ? 俺は お前を妹分だと思ってるからな」

 

「友達ではなく、妹分とは大きくでますね? 私は貴方より歳上ですよルーク」

 

「たかだか1歳だろ? 誤差だよ誤差」

 

 

ルークは、わざと その様な言い方をした様で、俺の反論を肩をすくめて言う、これが乙女ゲーとかラブコメだったら、ルークにフラグが立ったり好感度が上がるイベントになる所だが、俺にとってもルークにとっても、ただの友人関係を超えない事なのは間違いない、コイツ 彼女おるしな

 

そもそも俺と出会う前から彼女が居て、その彼女もテスタロッサ家で使用人として 俺と一緒にメイドをしているので フラグは立たない、間違いない

 

 

「ルーク、聞いてくれますか?」

 

「おう、聞くのは得意だ。アドバイス出来るかは別問題だがな」

 

 

俺の言葉にルークは胸を張り言う、コイツは本当に気のいい奴だ

 

「ナズナ殿下が来期から学園へ入学する為、専属護衛を探している事は知っています?」

 

「あぁ、風の噂程度になら、めぼしい武家や武勲を持つ家とか領地に行って直接面接してるって奴だろ?」

 

「そうです、それで私にも声が掛かりまして・・・」

 

「あー・・・まぁあんだけ活躍すれば、なぁ? 」

 

 

どうやら俺が知らなかっただけで、結構な噂になっている様でルークも知っていた様で そんな事を言ったので、俺も面接を受ける事を伝えるとルークは、苦笑して言う

 

だよね〜、バチバチに暗殺事件当日に暴れ回って武力示してるからねぇ 俺

 

 

「んで? 何を悩んでんだ? 」

 

「いやぁ・・・どうもナズナ殿下は私を専属護衛にしたいみたいで」

 

「へぇ、良いじゃん。引き受ければ?」

 

「は? いや、そんな簡単な・・・」

 

「いや、だって噂通りなら、在学中の専属護衛だろ? 学校とか行ってテスタロッサ領以外の世界を知る機会じゃん? 3年経って卒業したら戻って来たら良いだろ?」

 

「・・・・あ、あぁ」

 

 

俺の説明にルークは、気軽に受ければ?と言ってくれやがり、そんな簡単な話では無い、と言おうとするとルークは言葉を続ける、至極簡単な話だった

 

自分自身で話を難しくしていただけで、そんな難しい話じゃ無かった

 

3年間、ナズナの護衛をしながら学校に通って卒業したらテスタロッサに戻ってくれば良いだけの事だった、だだそれだけの事に俺は気付かなかった

 

 

「そうか、そうですね? ルーク、ありがとうございます」

 

「おう、お前って賢い割に・・・いや、賢いからか? 話を難しい方へ難しい方へってする癖? があるっぽいからな、少しは気軽に構えた方が見えてくる事もあるぞ?」

 

「そうですね、その辺りが単調に考えられるルークを見習いますよ」

 

「おい、人が折角 いい感じにしたんだから、ディスるなよ」

 

「ふふふ、ごめんなさい」

 

 

全く と言いつつもルークはライラックがアムアムしてる狐耳を避け俺の頭を撫でる、コイツ結構 お兄ちゃん力あるよな? 俺は元3男だから分かるし、今じゃテスタロッサ使用人の皆んなから妹分扱いだからな、うん

 

 

「俺は自分でテスタロッサ家の領兵になる事を決めた、でもお前はなんやかんや事情があってテスタロッサ以外知らないんだろ? ならいい機会じゃね? 学校行って、自分がしたい事を見つけて来いよ。ターニャメイド長も その方が喜ぶんじゃね?」

 

「・・・ルーク、お兄ちゃんみたいですね」

 

「まぁな、俺は お前の兄貴分だから」

 

そう言いルークはニッと笑い言う、こりゃモテるわな

 

多少の危険は有るけど領兵のルークの収入は安定してるし、平民の所得としては高収入の部類だ、ルークの彼女よ 絶対にルークを逃すなよ?

 

こんな気のいいイケメン高物件、そうそういないからな、うん

 

 

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