アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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290話 卒業パーティー 準備

 

 

卒業集合写真の撮影を無事に終え、次の卒業パーティーに向けて準備があるし まだ他のクラスの撮影も残っているので さっさと離脱する

 

 

「今更ですが、卒業式で集合写真を撮影出来るとは 流石は貴族学校と言った所ですね」

 

「ベルファが簡易式のカメラを開発し販売しているが、まだまだカメラ自体が高価な物だしな? 市井に深く浸透するには時間が掛かるだろう」

 

「そうですね 写るんです は簡易式、本格的なプロ仕様には どうしても劣ります」

 

 

私はナズナと共に寮の部屋へ戻りながら何気なく集合写真について口にすると、ナズナは 軽く肩をすくめて言う

 

元日本人である私からすれば、卒業式で集合写真を撮る事は 至極ありふれたイベントだが、サンクロード(この世界)では カメラは超高級品で 貴族でも所有するのが難しい代物だ

 

そのカメラの簡易版である 写るんです を 私の義父であるベルファさん がセンセイのアドバイスを受けて開発 & 販売をしていて、本格的なカメラには劣るが まずまず の性能を発揮してくれているのだけど、やはり まだコストを下げ切る事が難しい様で 資産をある程度持つ平民ぐらいしか購入出来ないのが現状だ

 

まぁそもそも リューネでは カメラは貴族の娯楽・道楽 的な扱いで、その意識が薄れて 家族の記念を残す と言う意識になるには、まだ時間が掛かるだろう

 

思い出を残すなら、姿絵を描いて貰うのが主流だしね?

 

そんなこんなで寮の部屋前まで戻り、ナズナの支度を手伝う為に二尾分身(トゥビー)を生成して彼の部屋へ送り、私も部屋に入る

 

入ると、卒業式の間で準備をしていたプレセアとルーチェが待っていて

 

 

「さ、時間は限られているわ、始めるわよ」

 

「腕が鳴るわ〜」

 

「ははは、ブリジットさん、暫く掛かりますから 寝室で休んでいて下さい」

 

「そうします、居ても邪魔になりそうですし」

 

 

某 アンパンの化身の様に 元気100倍な専属使用人2名のパワー? を感じ ブリジットに休憩を申し付ける、暫く 護衛の仕事はないからね

 

そんな訳で、湯浴みから始め プレセアとルーチェによってフルアーマー侯爵令嬢へと仕立てて貰う

 

 

「防御力が高い(露出が少ない)から安心しますね」

 

「ナズナ殿下はカヅキちゃん の肌を他の人(おとこ)に見せたく無いだけじゃないかなぁ〜って」

 

「十中八九 そうだと私も思う」

 

「確かに、ナズナ様ならありますね」

 

 

推定 吾妻(あずま)産の上質な黒の生地に金糸を用いて刺繍まで施された露出が非常に低いドレスを身に纏い姿見を見て呟くと、2人は軽く笑いながら言うので同意しておく

 

こう言うパーティードレスは、背中が開いてるドレスが多いから ゴス調の防御力の高いドレスは非常に助かる、何せ 背中に封印術の術式がプリントされているからね

 

そんな訳でフルアーマー侯爵令嬢になった私は普段は履かないヒールの靴を履いてナズナが待つ隣の部屋へ向かう

 

 

「ん? 準備出来たかカヅキ」

 

「はい、お任せしました。貴方様」

 

「それほどでも無いさ、知っているだろう?」

 

「それはそうですが、待たせていたのは事実ですから」

 

 

ソファに座りトゥビー と決闘(デュエル) ナズナが私に気付いて声を掛けてきたので返事をすると、トゥビーをチラッと見て言ってきたので軽く肩をすくめて返す

 

確かに私はトゥビーを介してナズナが どれぐらい待っていたかは知っている、だけど 待たせた事は事実だから それの謝罪をするのは当たり前だと思う訳だが・・・まぁナズナは寛容な心を持っていると言う事にしよう

 

 

「カヅキ、似合っているぞ」

 

「ありがとうございます、貴方様も いつも以上に凛々しく 惚れ直してしまいます」

 

「あ、あぁ」

 

 

デュエルを放棄しソファから立ち上がったナズナが私の前に来て褒めて来たので、お礼を言ってナズナを褒め返すと 珍しく照れた様に私から目線を逸らす

 

本当に珍しいな、私の言動は普段から こんなんな気がするんだけどな?

 

 

「殿下、そろそろ」

 

「そうだな、ありがとうルル」

 

「いえ」

 

「では行くとしようか、マイレディ?」

 

「はい、貴方様」

 

 

再起動に手こずるナズナを見かねたのかルルが時計を見て進言して来て、何とか再起動が出来たナズナにエスコートして貰う

 

履き慣れないヒールで少々バランスが悪いが、私には尻尾と言うバランサーが有るし、ナズナがエスコートしてくれるので どうにかなっている

 

まぁその気になればアイデースも使ってどうにでも出来るしね

 

それから出来るだけ時間を掛けて ゆっくりと卒業パーティーの会場に向かう、陽が沈み 薄暗くなっている道を街灯が照らし街路樹と星が煌めいている

 

今日で学生 生活が最後だと思うと、柄にもなく感傷的になってしまうが それも私が人間と言う証なのかも知れない

 

気ままな学生期間は終了するが、特別 生活が変わる訳では無い気もする

 

王太子妃教育が始まり勉強の日々が続くし、運動しにギルドに行く

 

読書をしアキカとオススメを共有し、ハルトの相手をしたり ベアトリーチェと 茶をシバく、時々 アンを訪ねて世間話をする そんな生活だ

 

実に楽しみな生活だ、あぁとても楽しみだ

 

 

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