甘い口当たりで飲みやすい反面、度数が高く 酒を飲み慣れていなければ酒気に当てられて体調を崩してしまう
確かに酒を飲ませて連れ込む手法は 古典的でありきたりな方法だ、しかし 私は王太子婚約者だから側には
そんな考えつつアレキサンダーを飲み切り
「カクテル ありがとうございましたニコライくん、とても美味しかったです。 アレキサンダー 覚えておきます」
「それは良かったです・・・カヅキさんって、もしかして お酒強いのですか?」
「おや? さもアレキサンダーの度数が高い事を知っている口ぶりですね? ニコライくん? 僅かばかり年長者である私からアドバイスですが・・・この様な古典的な事は今後は慎む事をオススメします、貴方も私の婚約者様に睨まれたくは無いでしょう? まぁ もう手遅れかも知れませんが」
「え? それは どう言う・・・?」
飲み干して空になったカクテルグラスを軽くニコライに差し出す様にしながら お礼を言うと、少し驚いた表情をして言ってきたので軽くアドバイスをしてやり、彼から少し顔をズラし背後に目線を移すと
「何をしているニコライ・マウリッツ? 」
「ナ、ナズナ殿下・・・」
「今宵は卒業パーティーだ、多少の事・・・俺の卒業生総代挨拶や 義母上の国王名代 祝辞を聞かない事は目を瞑るが、カヅキに言い寄るのは看過出来んぞ? 全く お前の噂は俺の耳にも入ってきている、遊ぶな とはいわなが もう少し節度を持って遊べ、あと相手は選べ・・・死にたくはないだろう?」
「それはもちろんです ナズナ殿下、肝に銘じております」
「ならば今日の所は不問にしてやる、ほら お前の婚約者が睨んでいるぞ? 早く誤解を解いて機嫌を取ってこい」
「はい、失礼致します」
覇王の如きオーラを纏ったナズナがニコライを威圧しながら尋ねてニコライは完全にビビっている、なんか面白いな
そんなニコライにナズナは諭す様に言い、彼の婚約者の元へ返してやる なんとも優しい、これは惚れ直してしまうね
「全く油断も隙もないな、だから言っただろう? カヅキ、お前は美しいから目を奪われ粉をかける輩は現れると」
「ふふ、すみません貴方様」
「・・・何を飲んだ? カヅキ?」
「アレキサンダーをニコライくん から頂きました」
「アレキサンダー? 」
パタパタと走って去っていくニコライを見送り、ナズナは私の方へ歩み寄り隣に座って言ってくるが、なんか妙に嬉しくて笑み浮かべて返すと ナズナは訝しむ表情をして何を飲んだか尋ねてきたので答えると首を傾げる、やはりアレキサンダーを知らないらしい
「えーっと材料は確か・・・ブランデー または コニャック、クリーム・ド・カカオブラウン、生クリームですね? 大体 25度 ぐらいだったかと」
「だから 普段より上機嫌なのか? ほろ酔い 状態だな」
「ふふふ、そうかも知れません」
「ナズナ殿下、一応 アレキサンダーの前にリンゴのシードルもグラス1つ飲んでます」
「そうか」
私がアレキサンダーの説明をするとナズナがおもむろに私の狐耳を摘み動きを止め、今まで動き回っていた事に気付く
やっぱり感情がダイレクトに現れるのが狐耳と尻尾なのだろう、まぁ酒を飲んで理性が緩んだと言うのも有るかも知れないが
「ブリジットさん、すみませんが グラスを下げるついでに水を貰ってきて貰えますか?」
「構いませんよ? でも ほろ酔いですよね?」
「ほろ酔いで理性が残っている内に酔いを覚まさねば婚前交渉に至ってしまいそうなので」
「分かりました、直ちに!!」
「はい、お願いします」
狐耳と尻尾が自制出来ていない事を認識した私は ブリジットに酔い覚ましの水をお願いする、今はまだ理性が残っているからナズナを組み敷いていないが、これ以上は理性を保てる保証が全く無いのである
「頼むから理性を無くさないでくれよ? カヅキ」
「ご安心を貴方様、まだ大丈夫です、まだ」
「・・・まだ を2回も言わないでくれ、不安になる」
「ふふふ、すみません」
私の狐耳を摘むのを止めたナズナに言われ大切な事を2回言うと、そんな事を言われてしまったが 今は愉快な気持ちなので軽く謝る
それから早歩きで帰ってきたブリジットから水の入ったピッチャーとコップを貰い、すぐに2杯 一気飲みして水分を摂り血中濃度を下げる試みを取り、鈍った理性を取り戻しを図る
流石にザルといえ飲めば酔いはするし、今は まだ理性を欠く事が出来ないから、今日は これ以上は飲まない様にしよう
私個人としては いつでもウェルカムではあるけど、婚前交渉したら 色々と マズイからね、うん
センセイがブチギレ待ったなしだろうし、貴族や王族は伝統や風習・慣習が多くて面倒だ