アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

30 / 267
30話 面接開始

 

 

ルークのお陰で気持ちが楽になり、彼に更に兄貴面をされる事になったが、まぁ良いだろう。ルークは良い兄貴だしね

 

 

それからライラックばかりに構ってしまうと、他の()から猛抗議の(いなな)きの大合唱が始まってしまうので、馬房にいる馬を平等に構いつつルークの手伝いをして世話をしておく

 

 

なんやかんやしていると、夕食まで数時間程時間が余ったので、どうせなら護衛時に使いやすい得物でも用意しようと考え、自室に戻り馬に甘噛みされまくった狐耳や尻尾を洗浄した後 乾かし 未来の事を思考してみたりして過ごす

 

 

そんなこんなで翌日の10時過ぎ、いつも以上にキッチリ身嗜みを整え9尾状態で、ベルファさんとセンセイに続き横に並んで王太子であるナズナと その弟のユキヤを出迎える

 

 

「ようこそテスタロッサへ、長旅で疲れていませんか?」

 

「大丈夫だ、お前が開発してくれた新型転移門で街から街を結ぶ移動網のお陰でな」

 

「お久しぶりです テスタロッサ卿、新型転移門は非常に好評ですよ」

 

「それは何よりです、殿下方はコチラへ。親衛隊の皆様はターニャ、貴女にお任せします」

 

「かしこまりました」

 

 

ベルファさんはセンセイに指示を出してから、俺の背中を軽くタップしてナズナとユキヤの先導を始めたので、俺はベルファさんの2歩後ろを歩き着いていく

 

 

5分程で最寄りの応接間へ到着したので、メイドの勤めとして扉を開け3人が入室してから俺も入室する

 

 

「カヅキ、暖かいお茶を お二人に。まだ寒い時期ですからね」

 

「かしこまりました」

 

 

相変わらず高そうなソファに座った2人を見たベルファさんの指示を聞きインベントリから、事前に淹れて用意してあった お茶を取り出して、人数分ティーカップに淹れて配り置く

 

「では、時間も有限ですし、本題に入りましょう」

 

「そうだなベルファ」

 

 

その後、事前に用意してあった履歴書モドキも2人の前に置いてから俺がベルファさんの隣、ナズナの真正面に座るとベルファさんが促し、ナズナが軽く咳払いをし

 

「カヅキ、ベルファから聞き及んでいると思うが来期から俺は学園へ入学する事が決まっている。そこで是非 お前に俺の専属護衛を頼みたい」

 

「お気持ちは嬉しいですが、何故 私なのでしょう? それに複数の家でも面接をしている、と聞き及んでいますが?」

 

 

そう長い付き合いではないが、ナズナは冷静沈着な方な人間の筈だが、予想外に熱量高めで開口早々そう言ってきたので、一応 建前を忘れるな と含みを持たせて言う

 

あとお前の隣の弟が俺に懐疑的視線を向けて来ているんだよ、お前は 一旦どんな説明してきたんだ? この眼はアレだよ、僕が悪女に騙された兄さんの目を覚させなきゃ! 的な奴・・・勘弁してくれよ

 

 

「後者の質問なら お前も分かっていると思うが建前だ、前者の質問だが幾つか理由がある」

 

「・・・はい」

 

「まず1つ目 護衛の任を任せられるだけの実力があると判断した、2つ目 護衛の任を任せられる人格を有していると判断した、3つ目 お前自身が俺の地位に興味が無いと判断した・・・もっと理由が必要か?」

 

「いえ、もう結構です。 そんなに私をかって頂けて嬉しい限りです」

 

 

 

ナズナは建前だと認めて、最初から俺が目的だと白状してしまう。コイツ腹芸は不得意なタイプか? それとも相手が俺だから真摯に対応する方が印象が良いと判断したのか? 確かに腹芸無しの方が俺も好印象を抱けるが

 

 

「ナズナ殿下、私も自身のチカラには自負がありますし、恩を受けたテスタロッサ家への忠誠があります。故に契約の際には私共から条件を提示致しますが宜しいでしょうか?」

 

「あぁ当然の事だな、許す」

 

「兄さん!? 何を言っているのです? もっと慎重に言葉は発して下さい」

 

 

とうとう我慢の限界に到達したのか、ずっと俺を睨む程度で済ませていたユキヤが口を開き抗議する、まぁそうよね うん

 

本来なら王家からの打診は勅命扱いだから俺等臣下が条件提示する事自体が不敬と取られかねない行為なのに、兄は許す と公言してしまったのだから、弟としては焦るよね? 分かる分かる

 

 

「それに幾ら実力・精神が専属護衛に向いているからと言っても、この様な幼い女児を護衛に任命するのも どうかと思います!!」

 

「あの・・・ユキヤ殿下? 人を見た目だけで判断しない方が宜しいと思いますよ? リューネは長命種の方々も住まいになられていると聞きました」

 

「エルフやドワーフの方々は一目で分かりますからご心配なく、それに貴女は狐獣人でしょう? 確かに尾が9つある希少種だとは思いますが・・・」

 

「いえ、ですから・・・はぁ、私は17です。数えだと18になりますか」

 

「え?」

 

「え?」

 

 

俺の忠告を煽りと受け取ってしまった様子のユキヤは、そんな事を言い 俺に棘のある言い方を続けたので、別に煽る意図は無いと言おうと思ったが、視線で殺せるんじゃないかぐらい睨まれてしまったので、実年齢を告げると、2人は少し間抜けな 王子に有るまじき表情と声を上げたので、笑わない様に必死で我慢してポーカーフェイスを作る

 

因みに、俺の隣に座るベルファさんは声には出していないが肩を揺らしている

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。