アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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31話 採用試験

 

 

ナズナとユキヤの間抜け面を見て笑うのを堪えていたが、バレてしまった様でユキヤに再び睨まれてしまった、無念

 

「んん、そんな嘘をついても貴女の為になりませんよ? そんなに兄さんの専属護衛になりたいのですか?」

 

「はぁ・・・お言葉ですがユキヤ殿下、私は嘘をついていませんし、つく理由もありません。そもそも私を専属護衛にしたいとスカウトしに来たのは其方です、本音を言いますと 私は別に専属護衛に採用されなくて構いません、私はテスタロッサのメイドですから 食うに困る事も不満も無いですし?」

 

「ユキヤ 少し落ち着け、カヅキが年齢偽称をする意味は全くない、採用されない様に見た目相応に偽称するならまだしも、な?」

 

「く・・・・」

 

 

王家・・・ナズナの方からスカウトしに来たのに、俺が年齢偽称してナズナへ取り入ろうとしている風に言われてイラっとしてしまい、ユキヤへ嫌味たっぷりに分かりやすく事実を告げてやると、ナズナはユキヤをたしなめると、ユキヤは なんか くっころ とか言いそうな表情をして黙るかと思ったら

 

「なら、実力を試しましょう。僕もこの目で確かめないと納得出来ません」

 

「ユキヤ、いい加減に・・・」

 

「ナズナ殿下、私は構いません。百聞は一見にしかずと言います、見て貰うのが1番でしょう」

 

「カヅキ・・・お前がそう言うなら、ベルファ すまないが 場を用意して貰えるか?」

 

「かしこまりました、すぐに」

 

「では兄さん、僕は親衛隊に事情を説明して試験官を選抜してきます」

 

「あ、おいユキヤ・・・全く・・・」

 

 

大人しく引き下がるつもりは毛頭無かった様子のユキヤが、実力を示せと言い出したので了承する

 

こういうのはゴチャゴチャと言い争うより実力を見せた方が早いのだ、あとは試験官をボコった後に考えれば良いしな、うん

 

話が纏まった瞬間、意気揚々と応接間をユキヤは出て行きナズナは溜め息を吐く、ドンマイ ナズナ

 

 

それから内線を使ったりして、領兵の訓練場へやってきたのだが バスケットコート2面分ぐらいの広さで白線が引かれていて、壁際に人が溢れていた・・・見物しにきたな? コイツら

 

俺はナズナとベルファさんについて白線の中へ入り、相変わらず懐疑的な視線を向けてきているユキヤの正面に立つ

 

 

「それで、後ろにいる方が私を試す為の試験官ですか? 少々人数が少ない様ですが・・・」

 

「余裕を見せられるのも今の内ですよ、親衛隊の中でも精鋭を集めましたからね」

 

「はぁ、そうなんですか?」

 

お前なんかに負ける訳がない、みたいな事を言われたので曖昧な返事だけ返すとイラっとした表情をした、コイツ 煽り耐性低いな

 

 

「ではではルールを説明しますね? テスタロッサ家で開発した特殊な結界魔法と魔導具を使用した模擬戦をして貰います。得物は剣だけになりますが、よろしいですね? 」

 

「ベルファ様、私は問題ありません」

 

「こちらも異論有りません」

 

「結界内では死ぬ事はありませんし、怪我もしません。その代わりに耐久値を設定してありますのでダメージを負うほど耐久値が減りゼロになったら負けです、勿論急所へダメージを受けると高いダメージが出る仕組みです、首を落とされた判定等は1発KOですね」

 

 

ベルファさんはニコニコと笑みながら説明してくれる、これなら殺す心配が無いから少し気が楽だな、うん

 

そこで ふと 気になる事が出来たので尋ねる

 

「痛みの処理は?」

 

「勿論 減衰なしですね、訓練等で使う予定ですから 減衰してしまうと実戦で油断して斬られて死んでしまいますから」

 

「分かりました」

 

 

微笑んだまま少々怖いことをベルファさんは言うが、理由がしっかりしているので、ヨシとしよう

 

着替えるのも面倒なのでメイド服のまま魔導剣をセンセイから受け取ると

 

 

「カヅキ、リミッターの4番まで解放を許可します、蹴散らしなさい」

 

「分かりました」

 

 

センセイは俺が軽く見られていると感じたのか、いつもの6割増しに不機嫌な声色で俺に指示を出してきたので、きっちり4番までリミッターを解放して魔導剣を握り感触を確かめ、中央の初期位置を定めた円の中に立つと、俺より少し歳下ぐらいの少女が 少し嫌そうな表情をしながら俺の対面へ立つ

 

 

「私はカヅキです、よろしくお願いします」

 

 

「えーっと・・・カナリア、です。よろしく」

 

 

なんか、なんで私が? みたいな雰囲気のカナリアのやる気の無さは少々目に余る

 

戦争等の戦場に行く事はないのかも知れないが、護衛と言う職務の都合上、護衛対象を守る為になら子供だろうが老人だろうが自分の親兄弟だろうが斬る覚悟が無いとダメだと思う

 

まぁ最低でも、目の前の俺を倒す覚悟は無いとダメだろう、流石にやる気が無さすぎる、ヨシ 痛い目を見せよう

 

 

「それでは、始め!」

 

「行きますよ?」

 

「はぁーい・・・いっ!?」

 

 

ユキヤの開始の声を聞き、緩くしか構えていないカナリアへ容赦無く突きを繰り出し、魔道剣を容赦なく彼女から弾き飛ばす

 

すると、余程驚いた様子で目を白黒させながら俺から距離を取る

 

ふーん、一応 精鋭と言うのは本当の様だ、立て直しが早い

 

 

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