アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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37話 強烈なお嬢様登場

 

 

2尾分身と影狼を先行させた後に、屋根の上にも2尾分身を生成して周辺警備をさせる、視覚を同期させれば外の景色も見れるし暇つぶしになって一石二鳥だ

 

そんな訳で約2週間の旅路の間、盗賊を装った暗殺者(バカ)をシバき捕縛したり、野営の時に食事に使えそうな動植物を影識神を使い採取して、それを使い食事を振る舞ったり、全属性使用出来る事を利用して人工露天風呂を作成して、親衛隊の人達に 風呂を提供したりして親衛隊とナズナとユキヤを含めた全員と友好を深める事が出来た

 

元日本人の俺には、食事が質素になる事より風呂に入れない事の方が問題だったが、魔法で解決出来たから良かった良かった

 

 

「殿下、王都の防壁が見えて参りました、あと2時間程で外門に到着致します」

 

「ご苦労、まだ何があるか分からん、最後まで宜しく頼む」

 

「御意」

 

 

馬車の横で警護をしていた親衛隊の人が小窓を開けてナズナに報告してきて、2〜3言 会話してナズナが彼女を労う

 

その様子を横目に、先行に出していた2尾分身と影狼を回収すると少し身体が軽くなった気がする

 

 

「あ、すまないカヅキ、今更だが頼みがあるのだが」

 

「なんですか? 内容を聞いてから判断します」

 

「分かった、すまないが王都に入るタイミング以後、耳と尻尾を隠して貰えるか? 王都にはバカが多くてな、お前なら大丈夫だろうが極力トラブルは減らしたい」

 

「なるほど、了解しました。人目のある場所では隠蔽しましょう、私も余計なトラブルは避けたいですから」

 

「すまないが頼む」

 

 

ナズナの申し出に了承し、少し格好付けて指を鳴らして狐耳と尻尾を霊体化?させて消す、理屈?知らね、なんか出来てる

 

狐耳飾りは落ちるからインベントリに収納しておこう、大切な物だし俺の身分証明なら銀時計と外套で充分だし?

 

ナズナの言うトラブルは、俺の予想では下らない揚げ足取りや粗探しして足の引っ張り合いをする下級・中級貴族の事だろう

 

そんなバカに時間を取るのは無駄だし、あからさまに目立つ9尾の俺に関して余計なクレームを入れたりしてくるに決まっている

 

それこそ、回転寿司で死んでる魚を提供してるのは何だ? 客をバカにしているのか? 的な訳わからないクレームを入れる頭おかしい連中だと思って行動しておこう、そうしよう

 

まぁ多分、レスバより先に手が出そうになるのを我慢するのが大変なんだろうな、うん

 

 

そんなこんな特にトラブルも起きずに王都外壁に設けられた外門に到着し、特に停車せずに王都へ侵入したので屋根の上で警備していた2尾分身も回収しておく

 

「戻ってきたな」

 

「そうですね兄さん」

 

「カヅキ、到着早々だが今日から予定がギッシリだ、頑張ってくれ」

 

「かしこまりました、ナズナ殿下」

 

 

少し物憂顔のナズナが呟き、ユキヤも似た様な表情をする、うんうん旅行が終わると少し憂鬱な気持ちになるよな、少し分かるぞ?

 

そんな事を思いつつナズナに返事を返す、荷解きが必要なほど荷物が多い訳でも無いし、今日から仕事を開始しても問題ないのでね

 

 

そんなこんな美青年(ナズナ)の物憂顔を眺めていると王城に到着した様で、馬車が停車し御者が扉を開けてくれたので、護衛として先に降りて周りを確認すると、メイドに日傘をささせマゼンダ色の髪を縦ロールに巻いた装飾過多なドレス?を着て、こちらを見ている少女?がいた

 

なんだコイツ、今日は天気良いから日傘の下にいるのに、日差しが遮断されてない部分の装飾がテッカテカに日光を反射して眩しいんだが

 

 

「どうした?カヅキ・・・何故 お前が居る? ヴィオレッタ」

 

「婚約者として、貴方様を出迎えに参っただけですわ」

 

 

テカテカ縦ロール少女に面食らっている俺を心配した声色だったナズナな声色が無機質な感情を感じない声色に代わり、彼女の名を呼び用件を尋ねる

 

このテカテカ縦ロール美少女がナズナの婚約者か、なんか性格悪そうな人相してるな、まぁ俺が言えた事じゃないけどな

 

 

「時に其方の彼女は、どなたでしょうか?」

 

「俺の専属護衛のカヅキだ」

 

「テスタロッサ家メイド長ターニャ旗下1席カヅキと申します、以後お見知りおきを」

 

にこやかにナズナへ媚びを売っていたヴィオレッタは、俺へ視線を向けてナズナへ尋ね、紹介してきたので仕方なしに名乗る

 

「そう、貴女 ちょっと此方にいらっしゃい」

 

「お断り致します、私はナズナ殿下の護衛ですし、貴女の言葉に従う必要は有りませんので」

 

「なっ・・・平民の分際で!!」

 

「それが何か?」

 

 

なんかよく分からないが、俺に釘がなんか刺したかったのか知らんが申し出を断ると、わかりやすくブチギレた いやキレるの早くね?

 

ヴィオレッタは持っていた扇を強く握りしめてギシギシと音を立て始め、我慢の限界なのか振り上げる、この間3秒ぐらい

 

「ヴィオレッタ嬢、振り上げた(それ)を私へ振り下ろしたら、どうなるかお分かりでしょうね? 私は貴女が王太子婚約者だろうと反撃しますよ? そう言う契約ですからね? そして腕の欠損を覚悟して下さいね? 私はやると言えばやりますよ?」

 

「ひっ・・・」

 

身長の関係でヴィオレッタを見上げる構図で、扇を振り上げているヴィオレッタへ殺気を当てて威嚇すると、本能的に理解した様で情け無い声を出す

 

やっぱ権力を傘に来たバカだった様だ、つまらん

 

 

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