アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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43話 学生生活開始

 

 

 

ナズナについて寮の部屋を後にして、やたら広い学園内を歩き草花を愛て散歩?をする

 

表情変化が乏しいので分かりづらいが、流石のナズナも新入生代表挨拶をする事に緊張しているのかも知れない、少なくとも俺は緊張するし

 

そんな訳で散歩をしている訳だが、やはり王太子であるナズナは目立つのか、道行く生徒や教師にガン見されて視線を集めている、ナズナも大変だな

 

在学中、ナズナの眼に止まる事が出来れば将来的に有利になる事は間違い無いから、生徒に緊張が走るのも分かるし、教師陣もナズナにマイナス印象を持たれたら自身の進退に関わるかも知れないから緊張するのも分かる

 

 

そして学園内の人間全てがナズナの味方とは限らない、ありきたりの事だが 例えばナズナ派やユキヤ派と言った派閥が存在して政戦をしているだろうし、利己的な理由から王位継承権の無い王子・王女の味方をして裏から甘い汁だけを啜ろうとするクズも居る筈だ、だからこそ俺は雇われた訳だけど

 

 

「ナズナ殿下、入学式まで後30分です」

 

「そうか、分かった」

 

 

銀時計を確認しナズナに告げると短く返事をして入学式の行われる講堂へ向かって歩き出し数歩歩いてから、急にナズナが立ち止まり俺の方を向き

 

 

「・・・すまん、渡すのを忘れていた」

 

「これは・・・ラペルピンですか? 王家の家紋と・・・殿下のパーソナルマークでしょうか?」

 

「あぁ俺の専属護衛と示す為の物だ、昨日馬車で渡さなければならなかったんだが、今の今まで忘れていた」

 

「そうですか、謹んで下賜 賜ります」

 

 

ブレザータイプの制服の襟を飾る襟飾り?の1種のラペルピンの入った小箱をブレザーのポケットから取り出し渡してきたので受け取り、すぐに着ける

 

 

「よし、これで お前は名実共に俺の専属護衛だ」

 

「これよりいっそう励ませていただきます、ナズナ殿下」

 

「あぁ頼むぞ、カヅキ」

 

 

そう言ってナズナは満足そうに講堂へ再び歩み始め、私は その後に続きながら破損防止や盗難防止等の魔法をラペルピンに施しておく、無くしたり壊したり汚したりしたく無いからな、うん

 

 

それから程なくして講堂に到着し、新入生代表挨拶をする為に壇上へ上がるナズナは最適位置である最前列の右端へ座ろうとしたので

 

 

「殿下、念の為に1つ内の席に座って下さい」

 

「分かった」

 

1番右端には俺が座り、1つ内側の席にナズナに座って貰う、本当に念の為処置だが素直に従ってくれて助かる

 

そんな訳で着席して一息ついているナズナを横目に俺はマップ機能の応用で潜在的敵性存在をサーチしてピンを打っておく、今すぐに行動を起こすつもりは無い様だが、警戒は必要だろうしな

 

まぁ講堂内にいる人間の80%はナズナに無害 又は 下心はあるが害意の無い人物で、15%は下心満載のバカ貴族、5%は敵意を孕んでいるアホ と言う具合だ

 

アホ共の脅威度に関しては追々調査を秘密裏にしておこう、今はとりあえず変に絡んで来ない事を願おう、折角の入学式を鮮血で彩るのは色々と問題があるしな、うん

 

 

「ナズナ殿下、お隣り座って良いです?」

 

「む? チャールか、俺は構わないぞ」

 

「あざまーす」

 

まもなく入学式が開始される時刻に差し掛かり、ナズナは新入生代表挨拶の原稿を小声で読んで口が回る様に準備をしている所を、軽い調子の如何にもチャラ男な男子生徒が声を掛けてきて、隣に座る許可を求めてきたのをナズナが許可し、お礼?を言いながら着席する

 

 

「やぁナズナ殿下越しに初めまして俺 チャールよろしく、君 漆黒の黒髪だね? 珍しい、どこ出身なの? 良かったら放課後 俺と お茶しない? 」

 

「チャール君ですか、私はカヅキです。お茶はお断り致します」

 

「チャール、俺の専属護衛をナンパしないでくれるか? コイツに何か有ったら俺はケジメを付けなければならなくなるのでな」

 

「ケジメっすか? 結婚とかですかね?」

 

「違う」

 

チャラ男チャールは、あと数分程度で入学式が始まると言うのに自国の王太子越しに俺をナンパし始めたのでキッパリと断っておく、普通にキショいし

 

俺がコイツ キショいな と思いながら断りを入れるとナズナが原稿から目を話さずにチャールへ釘を刺す、ケジメってなんだろう? センセイとベルファさんの事だから、相当ヤベー事だろうけど

 

「吾妻の自称自警団の作法らしいんだが、問題を起こした事に対する謝罪の意を示す為に、自分で自身の小指を切り落とし迷惑を掛けた相手に献上するらしい」

 

「じ、自分で、自分の指を? 切り落とすんですか? マジっすか?」

 

「あぁ大マジだ、だからカヅキをナンパするのは止めておけ、俺の小指だけじゃなく、お前の小指・・・下手すれば数本詰める事になるかも知れないからな」

 

「さ、さーせんした」

 

 

ナズナは脅す様にチャールへ言う、センセイの事だ ナズナが例に出した以上は本当に指を詰めさせるのだろうな、うん

 

俺も聞き齧りの知識しかないが、指を詰めるにも作法や方法があるらしいし、やり方次第では無駄に痛いとか何とか・・・ヤダヤダ、俺は指なんか詰めたくないよ、マジで

 

 

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