アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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51話 使い魔召喚 4

 

 

喉突き致命傷を負わせた黒甲冑から距離を開けて様子を伺っていると、やはり絶命していた様で前のめりに倒れ、黒霧と黒炎が消滅して消えたので一息つきチラリと左手を見ると袖が焦げている事に気付く

 

 

「・・・あとで回帰か修復の魔法を使わないとな」

 

本当に魔法って便利だなぁ とか思いつつ防護結界を解除して黒甲冑へ歩み寄り、彼女を横から転がし仰向けにして 遠慮なく兜をムラクモで叩き目覚めを促す

 

「わー起きます、起きてます、辞めてください、うるさくて敵いません」

 

「はい、おはようさん。それじゃ約束を果たして貰おうか」

 

「分かりました、約束は約束ですが・・・この私より強き者に使える事、これは騎士として誉れです。喜んで契約させていただきます」

 

 

死者の目覚め(笑)が大層お気に召したらしい黒甲冑は飛び起きて身体を起こして俺にペラペラと早口で喋り、直ぐに体勢を変えて傅く格好になり

 

 

「私は煉獄に郷を持つ闇炎精霊騎士です、真名を明かせないので名を私に、それが使い魔契約の証となります」

 

「分かった、お前の契約名は・・・アルトだ」

 

「拝命致します、これより私は貴女の剣にして盾となりましょう」

 

 

俺は黒甲冑から差し出された剣を握り、騎士任命の作法に則り言葉を紡ぐ、何事も様式美は必要だからな、うん

 

 

作法を終えると使い魔契約が完了したのか契約魔法陣が光り黒甲冑 改め アルトが立ち上がる、すると血やら土やらで汚れた甲冑が光に包まれ綺麗になる、便利だな

 

 

「行く・・・んん、行きましょうかアルト」

 

「はい、マスター」

 

 

俺より20㎝程 身長の高いアルトを引き連れて怪訝な表情をしたままのナズナの元へと歩み寄る

 

 

「無事、使い魔契約が終わりました」

 

「あぁ、ご苦労だったなカヅキ」

 

「いえ、特に手こずりませんでしたし・・・参りましょう殿下、あとかつかえてますし」

 

「そう・・・だな」

 

 

なんだか何か言いたげなナズナは色々と飲み込んだ様子で、私の言葉に頷きシルフィードを伴って記録係の教師の元へと向かう

 

多分、アルトの事について聞きたいのだろうが、衆人環視の前でするべきではない話だからだろう

 

 

「A組 ナズナ、鳥獣型使い魔と契約、契約名シルフィード」

 

「はい、ありがとうございます。 お疲れ様でした、今日は ゆっくり休んでください」

 

「あぁ・・・」

 

 

先に使い魔を召喚したナズナが記録係に報告すると、記録係はカリカリと記録用紙に報告を書き込んで労う

 

なるほど、こんな感じなんだな

 

「A組のカヅキです、人型精霊と契約し、契約名はアルトです」

 

「人型精霊っと・・・はい、ありがとうございます。契約大変だったでしょう? ゆっくり休養してくださいね」

 

「はい、ありがとうございます」

 

 

記録係への報告を終えてナズナと共に寮の部屋へと帰宅する前にやる事がある

 

「シルフィード、ご苦労だったな 今送還する」

 

「アルト、貴女も身体を休めて下さいね」

 

「うっす、次の出番を待ってるっすからね? ご主人」

 

「御前を失礼致します、マスター」

 

学園内で使い魔を連れ回して練り歩く訳にも行かないので2人を送還しておく

 

さて 特に大変でも無かったが、アルトを呼び出す時に大量に魔力を消費したせいか、腹が減って来た

 

 

「ナズナ殿下、寮に戻ったら昼食にしましょう、お腹が空きました」

 

「そうだな・・・いや、お前 元気だな?」

 

「何か問題でも?」

 

「問題は無いが・・・」

 

 

ナズナに空腹を訴えると彼は少し呆れた様な様子で言われたので、尋ねてみるがなんか釈然としない返答が帰ってくる、何故だ?

 

 

「往来でするべき話では無いのだろうが、カヅキ お前は何ともないのか?」

 

「はい? 質問の意味が分かりません」

 

「アルトとの戦闘も そうだが、お前は既にアルトを召喚する際に膨大な魔力を消費している筈だ、それこそクラスメイト全員分を超える魔力量を」

 

 

どうやらナズナは俺を心配してくれている様で、割と真剣な表情で尋ねてくる

 

やはりナズナは 少々不器用だが根は優しい様だ

 

「あの程度なら、あと8回行使しても問題ありませんよ?」

 

「そうか・・・改めて思うが、お前はつくづく規格外だな」

 

「ふふ、知っていた事でしょう?」

 

「そうだな」

 

 

ナズナは俺の言葉に少し驚いた後に肩をすくめて、そんな事を言ってきたので軽口を返すと、軽く笑う

 

うーん、やっぱコイツはイケメンだな、こりゃぁモテるのも頷ける

 

 

「お前は冷静な様で、割と沸点が低い所があるんだな?」

 

「アレは私のせいではありません、アレはセンセイの教えを守っただけですよ? 『ナメられたら殺す気でシメろ』とね?」

 

「・・・物騒な先生だな? どこの誰だ? いや、お前の故郷の教師か?」

 

「いえ? 貴方も知る、テスタロッサ家メイド長 ターニャです。私は彼女から全てを学びました」

 

「ターニャ・・・お前って奴は・・・」

 

 

俺は先程の事でナズナにイジられそうになった空気を感知して、センセイの教えを盾にする事を決め、特に盛らずに真実を告げるとナズナは少し頭の痛そうな素ぶりを見せる

 

しかしだなナズナ、センセイの言う事は大抵の場合 正しいんだぞ?

 

 

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